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第四章 波乱の学園生活
65 護衛騎士の二人
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「おい…ジーク、襟が曲がっている。直してやるからこっちにこい。」
ロイスに呼ばれてジークハルトは、悪いなと言いながらロイスに襟を直してもらっている。
ジークハルトとロイスはとても仲がいい。
同じ騎士同士だし、二人とも強い。
尊敬しあえるのだとジークハルトは、僕にそう言った。
最初は少し距離があったけれども。
というよりは、ジークハルトがロイスを警戒していたけれども。
元々ジークハルトは少し人見知りをするし、結構攻撃的な態度をとることも多い。
ロイスが温和だし優しいので、警戒するジークハルトにも笑って接していた。
ジークハルトがロイスへの態度が変わるのはそこまで時間がかからなかった。
「よし、できた。きちんとしないとラスティ様が恥をかくんだからな?」
ぽんぽんとロイスに肩を叩かれてジークハルトは、むっとしている。
ロイスは首を傾げた。
「なんだ?いつもみたいに反論しないのか?可愛い顔して。」
ジークハルトが、ふんとロイスから顔をそむけた。
「服装を正していなかったのは俺が悪いからな。って可愛いとはなんだ、可愛いとは…。」
ロイスに食ってかかっているジークハルトだが、耳まで赤くなっている。
ジークハルトを可愛いと言えるのは、彼の両親と陛下とロイスくらいだろうなと思う。
身長がかなり高いジークハルトは、今年5年生で16歳になる。
騎士団の方々と並んでいても見劣りしないが、どことなく幼い印象がまだ残っていた。
笑顔も多くて、可愛いと皆が言うのもわかる。
「可愛いと思うが?褒めているつもりなんだが…何かおかしかったか?」
素で不思議そうに首をかしげるロイスに、ジークハルトはぐっと言葉を飲み込んでいる。
「ぅ……褒めてるというなら…一応礼はいうが…その…ありがとう。」
ロイスは、うんうんと嬉しそうに微笑む。
冒険者の時の無表情なロイスのイメージが強かったから、こうやって穏やかに微笑むロイスというのも、変化の一部なのだろうなと思いつつロイスとジークハルトの様子を眺める。
「うん。ジークハルトはそういう素直な所も可愛いな。いいところだ。」
ロイスの言葉に、ジークハルトは、顔を赤くして絶句している。
他意がないロイスの言葉は、ジークハルトは必死に言葉を探している様子だ。
僕は目の前で繰り広げられている光景は前世の妹がいたら、きっと悶えているだろう。
トリスティ曰く、そのうち二人は、勝負でもしてジークハルトは僕の婿候補から降りるのでは?などと冗談半分で言っている。
本人は否定してるが。
リオンはトリスティとロイスには興味なしのようだ。
もちろん、友人としては大切に思っているが。
リオンにその気が無いなら、別の人と恋仲になってもいいよなぁなど、と僕はお気楽に考えてしまう。
「可愛いなどと言うな。俺は…陛下とラスティを嫁にして幸せにするんだからな。可愛いではなくカッコイイを目指しているんだ!」
ジークハルトの言葉に僕は苦笑する。
「僕は、ジークハルトはカッコいいとも思っているよ。」
僕の言葉にジークハルトは、そうかとそうかと微笑む。
カッコいいし、美人さんである。
「あと、綺麗で可愛いとも思ってるけど。」
そう言って笑うと、ジークハルトは、うっと唸った。
「ラスティまでそんなことを…」
こればかりは本心だ。
ジークハルトは、かっこいいし、基本美人で綺麗だし、陛下やロイスと話していると可愛い。
僕には基本的にはカッコいいジークハルトだけども。
陛下やロイスは僕の傍にいるのだから、可愛いジークハルトも見れる。
「僕おかしなこと言った?ほんとのことしか言ってないよ?」
ロイスは、そうですねと頷く。
マールとノルンもそうですよねぇと頷いた。
「みんなして…俺は、陛下とラスティにふさわしい強い男になろうと…。」
僕は頷く。
「うん。ジークハルトはとっても強くてカッコよくて美人でカワイイと思う!すごいと思う。」
ジークハルトは、ああああ~と頭を抱えた。
いや…そうだから仕方ないだろう。
強くて、美人で、可愛いのだから仕方ない。
ジークハルトには悪いが、僕に『俺』の記憶がある限り16歳の少年の行動は初々しくて可愛いところなんぞ数えきれないくらいあるものだ。
「ラスティの曇りのない瞳にそれを言われると、嬉しいんだか悲しいのかわからん。」
もちろん、ジークハルトは未だに陛下に勝負を挑んでいるし、最近はロイスも陛下に勝負を挑んでいる。
ロイスは、どうやら真剣にジークハルトのことを考えているようだ。
どうにも、ロイスも鈍いほうで、自分自身の気持ちを勘違いしているようだけどと陛下は笑っていた。
ロイス曰く、ジークハルトの眼を覚ましてやりたいのだと陛下に挑んでいるらしい。
目を覚まさせるとは?と聞くと、愛情の種類のことだろうねと陛下は笑っていた。
それならば、僕に感じていた。
ジークハルトの僕への思いは、どう考えても親愛だとロイスも思っているらしい。
それを認めてもらうために陛下に挑んでいるという。
なんでそれで陛下に挑むことになるのか。
ちょっと僕にはわからないと陛下に言うと陛下も少し首をかしげていた。
陛下は、ロイスはジークハルトをパートナーにする機会が欲しいと無自覚に思っているのでは?と苦笑した。
勘違いしているジークハルトを何とかしたいと陛下にはロイスは言っているらしいけども。
ジークハルトの陛下と僕を自分の手で幸せにしたいという思いは、恋愛系の好きではないのだろう。
ご両親のバルハルト公とジェン公を知って何となくわかることだが。
二人とも守りたいなら手元に囲えという考えがある。
陛下を嫁にとか、僕を息子にという二人の考えをジークハルトは継いでいる。
大切だから、自分の手元にという考えが、二人とも嫁にという言葉なのだろう。
分かっていて付き合う陛下も陛下だ。
忙しいのに、頻繁にジークハルトとロイスと勝負している。
けれども、陛下もそんな時間が取れるくらい余裕が出てきているのは、良いことだろう。
僕としては、大切な兄であるジークハルトの相手はしっかり見極めたい。
ロイスはいい人だけども…。
ロイスに呼ばれてジークハルトは、悪いなと言いながらロイスに襟を直してもらっている。
ジークハルトとロイスはとても仲がいい。
同じ騎士同士だし、二人とも強い。
尊敬しあえるのだとジークハルトは、僕にそう言った。
最初は少し距離があったけれども。
というよりは、ジークハルトがロイスを警戒していたけれども。
元々ジークハルトは少し人見知りをするし、結構攻撃的な態度をとることも多い。
ロイスが温和だし優しいので、警戒するジークハルトにも笑って接していた。
ジークハルトがロイスへの態度が変わるのはそこまで時間がかからなかった。
「よし、できた。きちんとしないとラスティ様が恥をかくんだからな?」
ぽんぽんとロイスに肩を叩かれてジークハルトは、むっとしている。
ロイスは首を傾げた。
「なんだ?いつもみたいに反論しないのか?可愛い顔して。」
ジークハルトが、ふんとロイスから顔をそむけた。
「服装を正していなかったのは俺が悪いからな。って可愛いとはなんだ、可愛いとは…。」
ロイスに食ってかかっているジークハルトだが、耳まで赤くなっている。
ジークハルトを可愛いと言えるのは、彼の両親と陛下とロイスくらいだろうなと思う。
身長がかなり高いジークハルトは、今年5年生で16歳になる。
騎士団の方々と並んでいても見劣りしないが、どことなく幼い印象がまだ残っていた。
笑顔も多くて、可愛いと皆が言うのもわかる。
「可愛いと思うが?褒めているつもりなんだが…何かおかしかったか?」
素で不思議そうに首をかしげるロイスに、ジークハルトはぐっと言葉を飲み込んでいる。
「ぅ……褒めてるというなら…一応礼はいうが…その…ありがとう。」
ロイスは、うんうんと嬉しそうに微笑む。
冒険者の時の無表情なロイスのイメージが強かったから、こうやって穏やかに微笑むロイスというのも、変化の一部なのだろうなと思いつつロイスとジークハルトの様子を眺める。
「うん。ジークハルトはそういう素直な所も可愛いな。いいところだ。」
ロイスの言葉に、ジークハルトは、顔を赤くして絶句している。
他意がないロイスの言葉は、ジークハルトは必死に言葉を探している様子だ。
僕は目の前で繰り広げられている光景は前世の妹がいたら、きっと悶えているだろう。
トリスティ曰く、そのうち二人は、勝負でもしてジークハルトは僕の婿候補から降りるのでは?などと冗談半分で言っている。
本人は否定してるが。
リオンはトリスティとロイスには興味なしのようだ。
もちろん、友人としては大切に思っているが。
リオンにその気が無いなら、別の人と恋仲になってもいいよなぁなど、と僕はお気楽に考えてしまう。
「可愛いなどと言うな。俺は…陛下とラスティを嫁にして幸せにするんだからな。可愛いではなくカッコイイを目指しているんだ!」
ジークハルトの言葉に僕は苦笑する。
「僕は、ジークハルトはカッコいいとも思っているよ。」
僕の言葉にジークハルトは、そうかとそうかと微笑む。
カッコいいし、美人さんである。
「あと、綺麗で可愛いとも思ってるけど。」
そう言って笑うと、ジークハルトは、うっと唸った。
「ラスティまでそんなことを…」
こればかりは本心だ。
ジークハルトは、かっこいいし、基本美人で綺麗だし、陛下やロイスと話していると可愛い。
僕には基本的にはカッコいいジークハルトだけども。
陛下やロイスは僕の傍にいるのだから、可愛いジークハルトも見れる。
「僕おかしなこと言った?ほんとのことしか言ってないよ?」
ロイスは、そうですねと頷く。
マールとノルンもそうですよねぇと頷いた。
「みんなして…俺は、陛下とラスティにふさわしい強い男になろうと…。」
僕は頷く。
「うん。ジークハルトはとっても強くてカッコよくて美人でカワイイと思う!すごいと思う。」
ジークハルトは、ああああ~と頭を抱えた。
いや…そうだから仕方ないだろう。
強くて、美人で、可愛いのだから仕方ない。
ジークハルトには悪いが、僕に『俺』の記憶がある限り16歳の少年の行動は初々しくて可愛いところなんぞ数えきれないくらいあるものだ。
「ラスティの曇りのない瞳にそれを言われると、嬉しいんだか悲しいのかわからん。」
もちろん、ジークハルトは未だに陛下に勝負を挑んでいるし、最近はロイスも陛下に勝負を挑んでいる。
ロイスは、どうやら真剣にジークハルトのことを考えているようだ。
どうにも、ロイスも鈍いほうで、自分自身の気持ちを勘違いしているようだけどと陛下は笑っていた。
ロイス曰く、ジークハルトの眼を覚ましてやりたいのだと陛下に挑んでいるらしい。
目を覚まさせるとは?と聞くと、愛情の種類のことだろうねと陛下は笑っていた。
それならば、僕に感じていた。
ジークハルトの僕への思いは、どう考えても親愛だとロイスも思っているらしい。
それを認めてもらうために陛下に挑んでいるという。
なんでそれで陛下に挑むことになるのか。
ちょっと僕にはわからないと陛下に言うと陛下も少し首をかしげていた。
陛下は、ロイスはジークハルトをパートナーにする機会が欲しいと無自覚に思っているのでは?と苦笑した。
勘違いしているジークハルトを何とかしたいと陛下にはロイスは言っているらしいけども。
ジークハルトの陛下と僕を自分の手で幸せにしたいという思いは、恋愛系の好きではないのだろう。
ご両親のバルハルト公とジェン公を知って何となくわかることだが。
二人とも守りたいなら手元に囲えという考えがある。
陛下を嫁にとか、僕を息子にという二人の考えをジークハルトは継いでいる。
大切だから、自分の手元にという考えが、二人とも嫁にという言葉なのだろう。
分かっていて付き合う陛下も陛下だ。
忙しいのに、頻繁にジークハルトとロイスと勝負している。
けれども、陛下もそんな時間が取れるくらい余裕が出てきているのは、良いことだろう。
僕としては、大切な兄であるジークハルトの相手はしっかり見極めたい。
ロイスはいい人だけども…。
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