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第六章 運命の一年間
141 弱体化の理由
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石を探すのを集中…と僕は眉を寄せた。
必要なスキル。
鑑定…。
そうだ…鑑定の能力は必要だろう。
僕にもついていく理由はある。
でも、どうにも気分があがらない。
なんだろう。
何がこんなに気分を上げたり下げたりしているのかわからない。
『俺』は魔力を感じられないから、相性のいい石をみつけても役に立つかどうかわからない。
だから、僕がよさそうな役に立つ石を鑑定で見つけて、『俺』に選んでもらう。
これは僕にしかできない。
だから、鬱々荷物だなんて考えなくていい。
そう俺は言ってくれる。
けど…僕はどうしても考えてしまう。
僕の様子に『俺』が首をかしげた。
『本当に…どうしたんだ?』
僕は少しとまどったが、鑑定…と小さく呟く。
そうだよ、と『俺』は答える。
「大丈夫かな…。」
『俺』に僕はつぶやいた。
「あんまり…自信がないよ。」
僕は、一応とその場で少し離れて座っているリオンを鑑定してみた。
だが、昔のように詳しくはわからない。
好感度とか嫌悪値とか昔は見えていたもの…いや単純に色々なものが見えなくなっている。
昔は見えていた数値がわからない。
曖昧な情報がわかるくらい。
具体的な数値としては、見えなくなったのはいつからだろう。
リオンの職業レベルといくつかのスキル。
属性のようはものは見える。
けれど、それだけだ。
僕はそれを『俺』に言った。
いつからか僕は人には鑑定を使わなくなった。
見えなくなっていたからだ。
『あ~…そうか…そういえばそうだな。』
僕の言葉に『俺』は、鑑定の結果を確認してあやふやにはなっているなと頷く。
薬草などの種類や毒のあるなしなどは詳しくわかるけれど。
人や魔物の詳しい情報がわからなくなっている。
僕の力が弱まっているのではと目を伏せた。
そう、子供の頃程、自分の力が強いとは思えなくなった。
子供の頃に見えていたものが見えなくなっている。
魔力や神力はあってもコントロールが甘い。
不安定でアンバランス。
それが今の僕だ。
『たぶん…大人になっているからだろうな。』
そう『俺』は言う。
僕は、首をかしげて『俺』の言葉を待つ。
『子供の頃は、何に力を配分するかわからないだろう?だから色々出来る状態だったんだろう。今、お前は薬師と回復魔法に特化してきている。攻撃魔法は広範囲のものや威力の強いものが多いが、使い勝手は悪い。強化魔法特化そういう方は得意だが、弱体魔法は苦手だろう?得手不得手がはっきりしてきた。だから、子供の頃に均等に配分されていた力が得意な力に使われて、それ以外の力は弱体化したんだろう。』
そういって『俺』が苦笑した。
それにと少しだけ、いやかなり、申し訳なさそうにつぶやいた。
『たぶん…『俺』がいなくなったらその空いた分また何か力を得るかもな。いや…戻ると言っていいのか。『俺』という存在がラスティの中にいるのも限界だってことだ。』
僕は首をかしげる。
『陛下が言っていただろう。『俺』の体の話だよ。小鳥なら記憶とかあるままで、いろいろできるだろうって。それだけ『俺』という存在と維持するための魔力が必要になる。ラスティの力があって『俺』が維持されている。そのためにラスティの能力はいろいろ制限がかかってきているのだと思う。』
元々ラスティの器が大きかったから、空きがあったから『俺』は生まれた。
けれども今は、ラスティが制約がかけないと存在できないくらい『俺』がラスティをあっばくしているのだろうと。
寂し気に『俺』はつぶやく。
『やっぱり…はやくラスティから離れないとな。邪魔しているんだ。』
そういう『俺』に僕は、眉を寄せる。
なんとなく彼がはやく僕から離れようとしている理由もわかったけれど、寂しいと思う。
「僕としては…はやく『俺』に自由にはなってほしいけど…できれば…人の体をもってほしかったと思う。」
そうか?と『俺』は戸惑っていた。
「そうだよ…僕にとって君は…よい相談相手だし…友達と言うか家族と言うか兄弟と言うかそんな感じだもの」
人として一緒に歩きたかったと思うよと言うと『俺』はそうかと苦笑した。
彼には人としての意識があるのに小鳥に押し込めないとならないのは悲しい。
小鳥が悪いわけではないけれど…彼はやっぱり人なのだと思う。
うまく言えないけれど…。
けれども、それは僕の我がままだ。
陛下の無理だという言葉に彼も納得している。
ならばせめて、彼のために必要なそれを手に入れねばと思う。
「いい…核をみつけないとね。」
そうだと、僕は思う。
いい核があったら…ものすごく力の強い核があったらもしかしたら小鳥以上に人に近い体も作れるかもしれない。
まずは…一歩だと。
いままでずっと一緒にいたもう一人の自分。
なんだかんだと言って彼はとてもお人好しだ。
彼の人格を生み出したのが僕だというのならば…僕は少し自信が持てる。
僕にとっては『俺』はいいやつだ。
良い彼を生み出せたという事、そしてもう一人の自分である彼をこのまま消滅させたくないとも思う。
小鳥ではなく人の体で一緒に生きたいとやはり思う。
今は無理でも。
『変なこと考えるなよ。』
僕の考えを読み取ったのだろう。
僕は苦笑する。
「一応…僕の第一段階の目標は何とかなりそうだと思うから…、次の目標が必要だと思ってね。」
油断するなと『俺』は苦笑する。
僕はしないよと笑う。
確定したわけではない。
けれど生き残ることができる可能性は増えているのではないだろうかとも思う。
なら…その後のことも考えていいだろう。
僕は、何故かなかなか準備が終わらない仲間たちを見る。
他のみんなは終わったようだけれど、今度はリオンが何か悩んでいる。
まだ、しばらくかかりそうだなと僕はのんびりと待つことにしたのだった。
必要なスキル。
鑑定…。
そうだ…鑑定の能力は必要だろう。
僕にもついていく理由はある。
でも、どうにも気分があがらない。
なんだろう。
何がこんなに気分を上げたり下げたりしているのかわからない。
『俺』は魔力を感じられないから、相性のいい石をみつけても役に立つかどうかわからない。
だから、僕がよさそうな役に立つ石を鑑定で見つけて、『俺』に選んでもらう。
これは僕にしかできない。
だから、鬱々荷物だなんて考えなくていい。
そう俺は言ってくれる。
けど…僕はどうしても考えてしまう。
僕の様子に『俺』が首をかしげた。
『本当に…どうしたんだ?』
僕は少しとまどったが、鑑定…と小さく呟く。
そうだよ、と『俺』は答える。
「大丈夫かな…。」
『俺』に僕はつぶやいた。
「あんまり…自信がないよ。」
僕は、一応とその場で少し離れて座っているリオンを鑑定してみた。
だが、昔のように詳しくはわからない。
好感度とか嫌悪値とか昔は見えていたもの…いや単純に色々なものが見えなくなっている。
昔は見えていた数値がわからない。
曖昧な情報がわかるくらい。
具体的な数値としては、見えなくなったのはいつからだろう。
リオンの職業レベルといくつかのスキル。
属性のようはものは見える。
けれど、それだけだ。
僕はそれを『俺』に言った。
いつからか僕は人には鑑定を使わなくなった。
見えなくなっていたからだ。
『あ~…そうか…そういえばそうだな。』
僕の言葉に『俺』は、鑑定の結果を確認してあやふやにはなっているなと頷く。
薬草などの種類や毒のあるなしなどは詳しくわかるけれど。
人や魔物の詳しい情報がわからなくなっている。
僕の力が弱まっているのではと目を伏せた。
そう、子供の頃程、自分の力が強いとは思えなくなった。
子供の頃に見えていたものが見えなくなっている。
魔力や神力はあってもコントロールが甘い。
不安定でアンバランス。
それが今の僕だ。
『たぶん…大人になっているからだろうな。』
そう『俺』は言う。
僕は、首をかしげて『俺』の言葉を待つ。
『子供の頃は、何に力を配分するかわからないだろう?だから色々出来る状態だったんだろう。今、お前は薬師と回復魔法に特化してきている。攻撃魔法は広範囲のものや威力の強いものが多いが、使い勝手は悪い。強化魔法特化そういう方は得意だが、弱体魔法は苦手だろう?得手不得手がはっきりしてきた。だから、子供の頃に均等に配分されていた力が得意な力に使われて、それ以外の力は弱体化したんだろう。』
そういって『俺』が苦笑した。
それにと少しだけ、いやかなり、申し訳なさそうにつぶやいた。
『たぶん…『俺』がいなくなったらその空いた分また何か力を得るかもな。いや…戻ると言っていいのか。『俺』という存在がラスティの中にいるのも限界だってことだ。』
僕は首をかしげる。
『陛下が言っていただろう。『俺』の体の話だよ。小鳥なら記憶とかあるままで、いろいろできるだろうって。それだけ『俺』という存在と維持するための魔力が必要になる。ラスティの力があって『俺』が維持されている。そのためにラスティの能力はいろいろ制限がかかってきているのだと思う。』
元々ラスティの器が大きかったから、空きがあったから『俺』は生まれた。
けれども今は、ラスティが制約がかけないと存在できないくらい『俺』がラスティをあっばくしているのだろうと。
寂し気に『俺』はつぶやく。
『やっぱり…はやくラスティから離れないとな。邪魔しているんだ。』
そういう『俺』に僕は、眉を寄せる。
なんとなく彼がはやく僕から離れようとしている理由もわかったけれど、寂しいと思う。
「僕としては…はやく『俺』に自由にはなってほしいけど…できれば…人の体をもってほしかったと思う。」
そうか?と『俺』は戸惑っていた。
「そうだよ…僕にとって君は…よい相談相手だし…友達と言うか家族と言うか兄弟と言うかそんな感じだもの」
人として一緒に歩きたかったと思うよと言うと『俺』はそうかと苦笑した。
彼には人としての意識があるのに小鳥に押し込めないとならないのは悲しい。
小鳥が悪いわけではないけれど…彼はやっぱり人なのだと思う。
うまく言えないけれど…。
けれども、それは僕の我がままだ。
陛下の無理だという言葉に彼も納得している。
ならばせめて、彼のために必要なそれを手に入れねばと思う。
「いい…核をみつけないとね。」
そうだと、僕は思う。
いい核があったら…ものすごく力の強い核があったらもしかしたら小鳥以上に人に近い体も作れるかもしれない。
まずは…一歩だと。
いままでずっと一緒にいたもう一人の自分。
なんだかんだと言って彼はとてもお人好しだ。
彼の人格を生み出したのが僕だというのならば…僕は少し自信が持てる。
僕にとっては『俺』はいいやつだ。
良い彼を生み出せたという事、そしてもう一人の自分である彼をこのまま消滅させたくないとも思う。
小鳥ではなく人の体で一緒に生きたいとやはり思う。
今は無理でも。
『変なこと考えるなよ。』
僕の考えを読み取ったのだろう。
僕は苦笑する。
「一応…僕の第一段階の目標は何とかなりそうだと思うから…、次の目標が必要だと思ってね。」
油断するなと『俺』は苦笑する。
僕はしないよと笑う。
確定したわけではない。
けれど生き残ることができる可能性は増えているのではないだろうかとも思う。
なら…その後のことも考えていいだろう。
僕は、何故かなかなか準備が終わらない仲間たちを見る。
他のみんなは終わったようだけれど、今度はリオンが何か悩んでいる。
まだ、しばらくかかりそうだなと僕はのんびりと待つことにしたのだった。
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