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第六章 運命の一年間
144 洞窟捜索開始
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洞窟の入り口まで、整えらた小道が続ていた。
元々洞窟は戦火の時の避難所としても使用できるようにしているようだった。
結界が無い時でも魔物が少ないので、冒険者が数人いれば外より安全な洞窟だったようだ。
結界が出来てからはより魔物はいないが。
そのために道は整備されている。
洞窟の入り口は、大きな岩が重なっている隙間のように見えた。
大人が二人並んで入れる食い合いの隙間と言う感じだろうか。
まずはロイスが安全を確認すると中に入っていった。
ついでに松明にも灯りをつけているようだ。
炎を灯りで洞窟の中がはっきりと見えた。
入り口から下り続けている。
ロイスの姿が奥へ入っていくのが見えた。
どうやら洞窟の一階と呼ばれるところは僕の感覚では地下一階という感じなのだろう。
10mくらい地下に下ったところに平らな地面が見える。
コツコツというロイスの足音が響いている。
中はずいぶん広い空間があるのだなと僕は思った。
ロイスはすぐに帰ってきて一階は何もいないなと苦笑した。
「行きましょう。足元に気を付けて」
僕はロイスの後ろを歩いて洞窟に入る。
マールとリオンが僕の後ろに並んでトリスティが一番後ろ。
慣れた彼らと違って地面にゴロゴロと転がる石に躓きそうになりながら僕はなんとか一階にたどり着いた。
一階は広場のようになっていた。
何もない。
奥の方に穴のように二階へ下る道があるのが見える。
一階はこのフロアしかないらしい。
「騎士団の訓練だとここに罠などしかけて訓練するのですよ。」
そうロイスは説明してくれた。
魔法で壁や扉を作って新人の時に訓練をやらされたと楽し気に説明してくれた。
僕は、感心しつつ周りを見る。
だだっ広いが雰囲気のあるここに壁などで人造のダンジョンを作るのだという。
アトラクションの迷路のようなものを想像して少し楽しそうだなと思う。
多少は騎士の訓練に参加はしていたし、近場の討伐にも参加はしたことがある。
だが罠の訓練はしたことがない。
知識がないと危ないだろうが、一度参加してみたいなと心の中で思う。
実際は反対されて無理なのだろうけども。
「魔石は地下二階の奥にあります。」
ロイスの言葉にリオンが首をかしげた。
「そっか…引っかかって居たのは魔石だ。そもそも魔物がいないのに魔石があることだよ。天然の魔石は魔物を倒した時に手に入るものだ。魔物はその名の通り魔力の塊でその生命活動が終わった時に魔石に変化する。」
魔物がいないのに何故、魔石があるのかという事だとリオンは眉を寄せた。
魔石と言っても何か魔法を組み込んでいるわけでもない。
素石と言って方がいいだろうが、魔力がすでに込められているという事で魔石と呼んでいた。
人造の魔石と違い天然の魔石は世界に漂っている魔力を自ら取り込んで自動に魔力を回復する。
天然の強力な魔石は、魔力を込めなくとも魔法を発動できる。
素石としても魔力を込めるのに抵抗がなく優秀となる。
良い天然の魔石はとても貴重だ。
そして大体深いダンジョンの中に。
強い魔物の傍にある魔石に適した石が長年その魔物の傍にあったため魔変化した石や討伐した魔物の核を言う。
「更に地下があるのだろうな。地下に強い魔物がいるのだと思う。それは昔から言われている。」
トリスティは頷いてそう言った。
「地下に大きな空洞があるとも言われていますね。魔物がいるのは分かっていても、危険が無い限り討伐に行くことはないですから。」
ロイスが続けた。
リオンはしばらく考えて、そうかと頷いた。
「地下に…確かあるね…」
ロイスがそうですねと頷く。
「この洞窟に限ったことではないですね。王国の地下には…神が眠るゆりかごがあるとかでしたか?それは教会の教えでしょう?教会の神が眠っているのが王国の地下でしたか?」
リオンが、言われているみたいだねぇと頷く。
「確かに教会の地下室から入れる地下通路があるよ。あちらは整備されているはずだけど。僕はまだ入っていないな。教会の地下には、地下通路が多く配置されてる。王国の地下全面に配置されていた記憶がある。けど…それは墓標のためだ。この国の死者は地下に安置されるから、教会の地下に大きな墓場があるよ。その奥の…地下の通路の先に大きな墓がある。その墓は王族のものだったと思うから…神のゆりかごというものは伝承だと思うよ。」
もともと空洞をるようしたものだと言っていたかなぁとリオンは首をかしげた。
『俺』が、そういえば何かのクエストで王国の地下にいくものがあったかなとつぶやいた。
けれどそれは追放されたリオンが王国に帰ってからの難易度の高いクエストでクリアしなくてもゲームは終わるフリークエストだったから内容は覚えていないなとつぶやく。
『危険なものが奥底にはいるってことだろうな』
おそらくはとても強い魔物がいるのだろう。
その魔物の発する魔力の余波で魔石が出来上がっているのではないか。
そう推測できると『俺』が言い、同じことをトリスティが説明した。
若干怖いが、その強い魔物は地上まで来れないだろうとのこと。
良い魔石があればいいなと思いながら、僕達は二階に降りた。
真っ暗だったので壁に掛けられたたいまつをつけながら歩く。
さっそくスライムが出たがロイスがさっそうと倒してしまった。
キラキラと光る魔石が落ちたが、これは弱いなぁと思いながら魔石の素石には使用できるだろうと拾い集めた。
「そのくらいの魔石はいつでも手に入るでしょ。普通に売っているのと変わらないよ」
リオンの言葉にもったいないというと苦笑された。
王妃が貧乏性と言うのは大丈夫だろうかと少し思う。
でもまぁいいだろう。
素石があれば何かあった時に、魔法陣を書きこんで魔石に出来るからと僕は思う。
たいまつをつけながらゆっくりと地下二階を進む。
出てくるのは、弱い魔物だ。
ロイス一人で倒してしまうので、僕とマールで魔石を拾う。
僕が探している魔石のある場所は二階の一番奥だという。
なだらかに下っているので二階と言うけれど地下に降りているのだろう。
僕らはゆっくりと確実に下って行った。
元々洞窟は戦火の時の避難所としても使用できるようにしているようだった。
結界が無い時でも魔物が少ないので、冒険者が数人いれば外より安全な洞窟だったようだ。
結界が出来てからはより魔物はいないが。
そのために道は整備されている。
洞窟の入り口は、大きな岩が重なっている隙間のように見えた。
大人が二人並んで入れる食い合いの隙間と言う感じだろうか。
まずはロイスが安全を確認すると中に入っていった。
ついでに松明にも灯りをつけているようだ。
炎を灯りで洞窟の中がはっきりと見えた。
入り口から下り続けている。
ロイスの姿が奥へ入っていくのが見えた。
どうやら洞窟の一階と呼ばれるところは僕の感覚では地下一階という感じなのだろう。
10mくらい地下に下ったところに平らな地面が見える。
コツコツというロイスの足音が響いている。
中はずいぶん広い空間があるのだなと僕は思った。
ロイスはすぐに帰ってきて一階は何もいないなと苦笑した。
「行きましょう。足元に気を付けて」
僕はロイスの後ろを歩いて洞窟に入る。
マールとリオンが僕の後ろに並んでトリスティが一番後ろ。
慣れた彼らと違って地面にゴロゴロと転がる石に躓きそうになりながら僕はなんとか一階にたどり着いた。
一階は広場のようになっていた。
何もない。
奥の方に穴のように二階へ下る道があるのが見える。
一階はこのフロアしかないらしい。
「騎士団の訓練だとここに罠などしかけて訓練するのですよ。」
そうロイスは説明してくれた。
魔法で壁や扉を作って新人の時に訓練をやらされたと楽し気に説明してくれた。
僕は、感心しつつ周りを見る。
だだっ広いが雰囲気のあるここに壁などで人造のダンジョンを作るのだという。
アトラクションの迷路のようなものを想像して少し楽しそうだなと思う。
多少は騎士の訓練に参加はしていたし、近場の討伐にも参加はしたことがある。
だが罠の訓練はしたことがない。
知識がないと危ないだろうが、一度参加してみたいなと心の中で思う。
実際は反対されて無理なのだろうけども。
「魔石は地下二階の奥にあります。」
ロイスの言葉にリオンが首をかしげた。
「そっか…引っかかって居たのは魔石だ。そもそも魔物がいないのに魔石があることだよ。天然の魔石は魔物を倒した時に手に入るものだ。魔物はその名の通り魔力の塊でその生命活動が終わった時に魔石に変化する。」
魔物がいないのに何故、魔石があるのかという事だとリオンは眉を寄せた。
魔石と言っても何か魔法を組み込んでいるわけでもない。
素石と言って方がいいだろうが、魔力がすでに込められているという事で魔石と呼んでいた。
人造の魔石と違い天然の魔石は世界に漂っている魔力を自ら取り込んで自動に魔力を回復する。
天然の強力な魔石は、魔力を込めなくとも魔法を発動できる。
素石としても魔力を込めるのに抵抗がなく優秀となる。
良い天然の魔石はとても貴重だ。
そして大体深いダンジョンの中に。
強い魔物の傍にある魔石に適した石が長年その魔物の傍にあったため魔変化した石や討伐した魔物の核を言う。
「更に地下があるのだろうな。地下に強い魔物がいるのだと思う。それは昔から言われている。」
トリスティは頷いてそう言った。
「地下に大きな空洞があるとも言われていますね。魔物がいるのは分かっていても、危険が無い限り討伐に行くことはないですから。」
ロイスが続けた。
リオンはしばらく考えて、そうかと頷いた。
「地下に…確かあるね…」
ロイスがそうですねと頷く。
「この洞窟に限ったことではないですね。王国の地下には…神が眠るゆりかごがあるとかでしたか?それは教会の教えでしょう?教会の神が眠っているのが王国の地下でしたか?」
リオンが、言われているみたいだねぇと頷く。
「確かに教会の地下室から入れる地下通路があるよ。あちらは整備されているはずだけど。僕はまだ入っていないな。教会の地下には、地下通路が多く配置されてる。王国の地下全面に配置されていた記憶がある。けど…それは墓標のためだ。この国の死者は地下に安置されるから、教会の地下に大きな墓場があるよ。その奥の…地下の通路の先に大きな墓がある。その墓は王族のものだったと思うから…神のゆりかごというものは伝承だと思うよ。」
もともと空洞をるようしたものだと言っていたかなぁとリオンは首をかしげた。
『俺』が、そういえば何かのクエストで王国の地下にいくものがあったかなとつぶやいた。
けれどそれは追放されたリオンが王国に帰ってからの難易度の高いクエストでクリアしなくてもゲームは終わるフリークエストだったから内容は覚えていないなとつぶやく。
『危険なものが奥底にはいるってことだろうな』
おそらくはとても強い魔物がいるのだろう。
その魔物の発する魔力の余波で魔石が出来上がっているのではないか。
そう推測できると『俺』が言い、同じことをトリスティが説明した。
若干怖いが、その強い魔物は地上まで来れないだろうとのこと。
良い魔石があればいいなと思いながら、僕達は二階に降りた。
真っ暗だったので壁に掛けられたたいまつをつけながら歩く。
さっそくスライムが出たがロイスがさっそうと倒してしまった。
キラキラと光る魔石が落ちたが、これは弱いなぁと思いながら魔石の素石には使用できるだろうと拾い集めた。
「そのくらいの魔石はいつでも手に入るでしょ。普通に売っているのと変わらないよ」
リオンの言葉にもったいないというと苦笑された。
王妃が貧乏性と言うのは大丈夫だろうかと少し思う。
でもまぁいいだろう。
素石があれば何かあった時に、魔法陣を書きこんで魔石に出来るからと僕は思う。
たいまつをつけながらゆっくりと地下二階を進む。
出てくるのは、弱い魔物だ。
ロイス一人で倒してしまうので、僕とマールで魔石を拾う。
僕が探している魔石のある場所は二階の一番奥だという。
なだらかに下っているので二階と言うけれど地下に降りているのだろう。
僕らはゆっくりと確実に下って行った。
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