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第七章 終わりという名の始まり
199 未だに子供
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アスに言われて僕は部屋を出た。
のはいいが、どうしたものか。
一応陛下の寝室には向かう。
陛下の寝室で僕が眠るのは普通のことだ。
アスが来てからは、本来の僕の寝室にアスを眠らせていたので僕も一緒の寝室で眠っていたが。
だから、今更緊張することはないし、普通に入れてくれるとは思う。
が…アスに背中を押されて飛び出した形で陛下の寝室に向かうのは中々に覚悟が必要だった。
少し、悶々と考えつつも足は陛下の眠る寝室へと向かう。
さて、どうしたものか。
陛下に応えずに僕はこちらに帰って来たようなものだ。
正直気まずい。
けれども、ここで逃げたままだというのも嫌だった。
陛下の眠っているだろう寝室の扉をノックする。
中から陛下のどうぞという声に僕は、ゆっくりと扉を開けて入った。
陛下は、僕の姿を見て一瞬目を丸くする。
それから、少し悲し気に微笑んだ。
「どうしたの?」
陛下の問いに僕は目を細めた。
「パートナーが一緒に寝るのに理由が必要ですか?」
陛下は、少し困ったように微笑む。
「そうだね…」
僕は、そこから動かなかった。
いや、動けなかった。
「…陛下は…僕が嫌いなんですか?」
陛下は目を丸くする。
「なんで?」
思いもよらないという表情に僕は悔しくなってきた。
「…ならなんで…僕を手放そうとばかりなさるんですか?近づいたと思ったら逃げられる僕の気持ちを考えてはくれないのですか?」
陛下は、困った表情のまま首を傾げた。
「…アスは…どうしたの?」
話をはぐらかそうとしているのか、ここでアスの名を出すのかと僕は悔しくなる。
「アスが、きちんと話して来いと僕を送り出してくれました。」
陛下は、そう…と苦笑する。
「…」
僕は、どうして動けないのだろうと自分の足を見る。
何もない。
けれど、動かない。
陛下に拒絶されているのかも知れないなと思う。
「ラスティのことは好きだよ。けれど…自分が嫌なんだ。」
陛下は、微笑みながらそんなことを言う。
「ラスティも学園に行っていろいろな子達を見ただろう。世界は多少は広がったと思う。」
違う?と陛下は微笑む。
「幼い頃に縛り付けた私がいう事ではないけれどね…君に刻み込んだ印も…アスなら解除できるだろう。アスはそういう存在だ。だから…ラスティが私と子を作らなくても君は自由になれる。ジークフリートという後継者がいる今、私の子が必要という事もない。」
ラスティが責任を感じるものは何もないのだよと陛下は微笑む。
「僕は…陛下が好きなのに?」
陛下はありがとうと微笑むが、それだけだった。
自由になれという。
「僕は…自由になっても陛下が好きです。」
ありがとうと陛下は寂し気に言う。
「アスに言って私とのパートナー契約を解除してもらおう。そうしたらきっとラスティの気持ちも変わるよ。」
陛下の言葉に僕は、唇を噛みしめた。
「それに…私は…私は、君を家族だと…自分の子供として愛している。パートナーとして愛しているわけではないよ…」
陛下の言葉に僕は顔を上げる。
陛下の表情が嘘だと言っているのがわかるのに。
僕は、その言葉に傷ついてしまう。
「いつまでも…子ども扱いなんですか?」
そうだねと陛下は、頷く。
ひどいと僕は思いながら陛下を見た。
悲し気に言わないでほしい。
でも、その言葉を否定できない僕は、子供なのだろう。
唇を噛みしめて、頷こうとしたが僕の体は動かない。
頭の中で、嘘はダメだよというアスの声が聞こえる。
『言ったよね?陛下…陛下がいらないなら…僕がもらうよ。』
このヘタレという声が、部屋に響いた。
アスが、僕の前に転移してくる。
『心が痛いってラスティが僕を呼んだ。ねぇ陛下、どうしていつもそうやって愚かな選択をするの?どうしてそうなの??おかしいよ。』
陛下が何か言おうと口を開くが、その前に風景歪む。
『陛下の選択は終わったよね?いらないなら僕がもらうよ。いらないのだから探さないでしょ?』
アスは、ぶっきらぼうに怒ったようにそういうと軽く手を振る。
そうして僕はまた闇に落ちて行った。
のはいいが、どうしたものか。
一応陛下の寝室には向かう。
陛下の寝室で僕が眠るのは普通のことだ。
アスが来てからは、本来の僕の寝室にアスを眠らせていたので僕も一緒の寝室で眠っていたが。
だから、今更緊張することはないし、普通に入れてくれるとは思う。
が…アスに背中を押されて飛び出した形で陛下の寝室に向かうのは中々に覚悟が必要だった。
少し、悶々と考えつつも足は陛下の眠る寝室へと向かう。
さて、どうしたものか。
陛下に応えずに僕はこちらに帰って来たようなものだ。
正直気まずい。
けれども、ここで逃げたままだというのも嫌だった。
陛下の眠っているだろう寝室の扉をノックする。
中から陛下のどうぞという声に僕は、ゆっくりと扉を開けて入った。
陛下は、僕の姿を見て一瞬目を丸くする。
それから、少し悲し気に微笑んだ。
「どうしたの?」
陛下の問いに僕は目を細めた。
「パートナーが一緒に寝るのに理由が必要ですか?」
陛下は、少し困ったように微笑む。
「そうだね…」
僕は、そこから動かなかった。
いや、動けなかった。
「…陛下は…僕が嫌いなんですか?」
陛下は目を丸くする。
「なんで?」
思いもよらないという表情に僕は悔しくなってきた。
「…ならなんで…僕を手放そうとばかりなさるんですか?近づいたと思ったら逃げられる僕の気持ちを考えてはくれないのですか?」
陛下は、困った表情のまま首を傾げた。
「…アスは…どうしたの?」
話をはぐらかそうとしているのか、ここでアスの名を出すのかと僕は悔しくなる。
「アスが、きちんと話して来いと僕を送り出してくれました。」
陛下は、そう…と苦笑する。
「…」
僕は、どうして動けないのだろうと自分の足を見る。
何もない。
けれど、動かない。
陛下に拒絶されているのかも知れないなと思う。
「ラスティのことは好きだよ。けれど…自分が嫌なんだ。」
陛下は、微笑みながらそんなことを言う。
「ラスティも学園に行っていろいろな子達を見ただろう。世界は多少は広がったと思う。」
違う?と陛下は微笑む。
「幼い頃に縛り付けた私がいう事ではないけれどね…君に刻み込んだ印も…アスなら解除できるだろう。アスはそういう存在だ。だから…ラスティが私と子を作らなくても君は自由になれる。ジークフリートという後継者がいる今、私の子が必要という事もない。」
ラスティが責任を感じるものは何もないのだよと陛下は微笑む。
「僕は…陛下が好きなのに?」
陛下はありがとうと微笑むが、それだけだった。
自由になれという。
「僕は…自由になっても陛下が好きです。」
ありがとうと陛下は寂し気に言う。
「アスに言って私とのパートナー契約を解除してもらおう。そうしたらきっとラスティの気持ちも変わるよ。」
陛下の言葉に僕は、唇を噛みしめた。
「それに…私は…私は、君を家族だと…自分の子供として愛している。パートナーとして愛しているわけではないよ…」
陛下の言葉に僕は顔を上げる。
陛下の表情が嘘だと言っているのがわかるのに。
僕は、その言葉に傷ついてしまう。
「いつまでも…子ども扱いなんですか?」
そうだねと陛下は、頷く。
ひどいと僕は思いながら陛下を見た。
悲し気に言わないでほしい。
でも、その言葉を否定できない僕は、子供なのだろう。
唇を噛みしめて、頷こうとしたが僕の体は動かない。
頭の中で、嘘はダメだよというアスの声が聞こえる。
『言ったよね?陛下…陛下がいらないなら…僕がもらうよ。』
このヘタレという声が、部屋に響いた。
アスが、僕の前に転移してくる。
『心が痛いってラスティが僕を呼んだ。ねぇ陛下、どうしていつもそうやって愚かな選択をするの?どうしてそうなの??おかしいよ。』
陛下が何か言おうと口を開くが、その前に風景歪む。
『陛下の選択は終わったよね?いらないなら僕がもらうよ。いらないのだから探さないでしょ?』
アスは、ぶっきらぼうに怒ったようにそういうと軽く手を振る。
そうして僕はまた闇に落ちて行った。
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