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第七章 終わりという名の始まり
204 第一関門 マールです マールside
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そろそろ来るだろうとマールは、洞窟を入ったすぐの広間で座って待っていた。
体力温存せねばと、難しい顔をつくって内心はどうしようかなと考えている。
まぁ、広間にいろいろ罠は仕掛けているけれど、たぶんディオス達には効かない。
魔法も剣も太刀打ちできないだろう。
だが、マールはここから動くつもりはなかった。
ラスティの従者として、もしかしたら新たな主になるであろうアスのために。
「ここは死んでも通さないから!!」
こぶしを握って宣言したところで間が悪くジークハルトが広間の入り口に立っていた。
「…気合を入れているところ…悪いが…通るぞ。」
ジークハルトは、困ったようにマールに言う。
彼の後ろから、トリスティが顔を出す。
「マール…その…私が悪かった。話し合おう?」
少し首をかしげて、なだめるようにトリスティはマールに声をかける。
まぁ…それでマールの我慢の限界突破をさせるのだが。
「あなたはいつもそうだ!!何が話し合いですか!!」
入り口付近に仕掛けていた地雷系の罠を発動させる。
ジークハルトとトリスティが、飛びのいて一旦広間から出た。
瞬間マールは背後に気配を感じ、自分の後ろに仕掛けていた罠を更に発動させる。
わわっという軽い声に背に右に飛びのく。
自分がいた場所のすぐ後ろにディオスが立っていた。
転移してマールを拘束しようとしたのだろう。
ちっと軽くしたうち舌打ちするとマールは壁に仕掛けて置いた飛び道具の罠を発動させる。
ディオスめがけて岩に近い石が無数に飛ぶ。
流石に避けるのは厳しいとディオスは広間の外に転移したようだ。
先の通路には、アスが強力な転移よけをかけている。
ここを突破はまだされていない。
マールは、そっとノルンに敵襲を告げる合図を送り再び広間の真ん中に立った。
「通しません!!!」
ロイスが通路から顔を出したが、おそらくジークハルトの手であろうそれがロイスをひっこめた。
再び、トリスティが顔を出す。
慎重にトリスティは再び広間に入って来た。
「マール…陛下に攻撃するのは流石にやりすぎだろう。」
マールは、へっと馬鹿にしたようにトリスティを笑った。
「僕は、ラスティの従者…例え陛下でもラスティを害するつもりならば僕は命を懸けて戦います!」
トリスティは、うーんと首をかしげる。
「でも…陛下はラスティ様を害するためではなく話し合いをしたいだけだ。それを邪魔するのは違うのでは?」
トリスティは、マールを穏便に説得したいようだ。
だが、マールは眉を吊り上げた。
「違いますね!今の陛下ではラスティ様をただ害しているだけです!!」
通せません!!とマールは声を張り上げる。
トリスティは、少し考えてからマールをまっすぐに見る。
「ねぇ…それでも二人で話すことは必要ではないかな。ラスティ様だって誤解していることはあるだろうし…きちんと話をしないとならないことだろう?俺たち部外者がどうこう言って余計こじらせているように思うんだ。」
だから、ここは大人しく通してくれないかい?とトリスティはマールに言う。
マールは少し考えるふりをした。
そう、ふりだ。
そもそも、マールでは多少の時間稼ぎしかできない。
そんなことはマールにも分かっている。
けれども、今のラスティにディオスを合わせて本当に大丈夫かという事は見極めねばならない。
「…そもそも…陛下はどういうおつもりでここに来ていますか?」
ディオスが、トリスティの後ろまで歩いてくる。
「どういうつもりとは…」
マールは眉を吊り上げた。
「ラスティ様の話を聞くつもりはあるのですか?また、自分の感情のまま切り捨てようとしているのでは?」
ディオスは眉を寄せた。
「捨てるつもりは…」
マールはため息をつく。
話にならないと。
「いい大人が情けない!!!しっかりしなさい!!」
びしりとマールはディオスを指さす。
不敬などといっている場合ではない。
マールの主はラスティである。
例え、給料はディオスから出ていても、何者からもラスティを守ることがマールの仕事だ。
ラスティを守るという事にマールは誇りをっもって務めている。
だから、ディオスでもラスティを傷つけるつもりの存在には全力で歯向かう。
ディオスは目を丸くしている。
「ことは単純です。陛下はラスティ様を傍に置きたいのですか置きたくないのですか!!」
ディオスは、それは…と悲し気に微笑む。
「傍に居てほしいさ…けれど…」
マールは、片方の眉を器用に吊り上げるとトリスティとディオスの立ってい居るな所めがけて飛び道具の罠を発動させる。
トリスティが、防御魔法でそれをしのぐ。
「マール!!!」
トリスティの慌てた声などマールは無視した。
「ええ、余計なお世話だという事は分かっていますが…僕は許せません!!陛下いま一度言います。ことは単純なのです。でも、も、けど…も必要ありません。僕のラスティ様を馬鹿にしないでください!!あの方は強い。陛下を守れるくらいに!!それを弱くしたのは貴方だ。嫌いか好きかはっきりさせなさい!!でも…や、けど…をつけるな!!!いい大人が、過去に囚われて大切なものを苦しめるのはもう言い加減やめなさい!!」
ディオスは、マールに返す言葉が無いようだった。
マールは、言いたいことは言えたからあとは時間を稼がねばとふんとあたりを見る。
仕掛けた罠はまだまだある。
と言ってもディオスにとっては単調なものだし、すべて使いつくすまで彼らを足止めできるとは思わない。
今のところ、ディオスは多少ショックを受けていて鈍いが、ジークハルトとロイスが入り口からこちらをうかがっているのも分かっている。
稼げてあと数分かな。
マールは、そんなことを思いながらまっすぐにトリスティとディオスに向かう。
「…だったら余計にラスティ様を迎えに行ってもらわないと…ですよね…」
トリスティがそうつぶやくとわずかに動く。
マールは、小さく舌打ちすると大きく下がった。
瞬間トリスティの姿が先ほどまでマールのいた場所にある。
内心流石と思いながら、トリスティのいる場所の罠を発動させる。
トリスティは避けながら、ディオスに言う。
「マールは私が抑えます。行ってください。」
そう言ってトリスティは更に地下に降りる通路の入り口に向かって炎の魔法を使った。
その魔法が走った部分のマールが仕掛けた罠がはじけ飛ぶ。
ディオス達がそのトリスティが作った道を走り出す。
マールは、壁に仕掛けた飛び道具の罠を発動させ、ディオス達を狙うがトリスティの防御魔法に防がれる。
トリスティにも同じように罠を発動させるがおそらく、トリスティが持っている魔石の防御魔法が発動して防がれてしまう。
ディオス達の背中が地下へと続く闇の中に消えていくのを見届けてからマールは深いため息をついた。
「…もう…良いだろう?」
トリスティの言葉にマールは、彼に振りかえる。
「いいえ?これからですよ!!トリスティ!!」
マールは、両手に魔石をもってにやりと笑う。
「さぁ…どちらが強いかやりあいましょうか…僕が勝ったら…貴方が僕の子を産んでくださいね?」
トリスティは、ひぇ…と小さく呟いた。
体力温存せねばと、難しい顔をつくって内心はどうしようかなと考えている。
まぁ、広間にいろいろ罠は仕掛けているけれど、たぶんディオス達には効かない。
魔法も剣も太刀打ちできないだろう。
だが、マールはここから動くつもりはなかった。
ラスティの従者として、もしかしたら新たな主になるであろうアスのために。
「ここは死んでも通さないから!!」
こぶしを握って宣言したところで間が悪くジークハルトが広間の入り口に立っていた。
「…気合を入れているところ…悪いが…通るぞ。」
ジークハルトは、困ったようにマールに言う。
彼の後ろから、トリスティが顔を出す。
「マール…その…私が悪かった。話し合おう?」
少し首をかしげて、なだめるようにトリスティはマールに声をかける。
まぁ…それでマールの我慢の限界突破をさせるのだが。
「あなたはいつもそうだ!!何が話し合いですか!!」
入り口付近に仕掛けていた地雷系の罠を発動させる。
ジークハルトとトリスティが、飛びのいて一旦広間から出た。
瞬間マールは背後に気配を感じ、自分の後ろに仕掛けていた罠を更に発動させる。
わわっという軽い声に背に右に飛びのく。
自分がいた場所のすぐ後ろにディオスが立っていた。
転移してマールを拘束しようとしたのだろう。
ちっと軽くしたうち舌打ちするとマールは壁に仕掛けて置いた飛び道具の罠を発動させる。
ディオスめがけて岩に近い石が無数に飛ぶ。
流石に避けるのは厳しいとディオスは広間の外に転移したようだ。
先の通路には、アスが強力な転移よけをかけている。
ここを突破はまだされていない。
マールは、そっとノルンに敵襲を告げる合図を送り再び広間の真ん中に立った。
「通しません!!!」
ロイスが通路から顔を出したが、おそらくジークハルトの手であろうそれがロイスをひっこめた。
再び、トリスティが顔を出す。
慎重にトリスティは再び広間に入って来た。
「マール…陛下に攻撃するのは流石にやりすぎだろう。」
マールは、へっと馬鹿にしたようにトリスティを笑った。
「僕は、ラスティの従者…例え陛下でもラスティを害するつもりならば僕は命を懸けて戦います!」
トリスティは、うーんと首をかしげる。
「でも…陛下はラスティ様を害するためではなく話し合いをしたいだけだ。それを邪魔するのは違うのでは?」
トリスティは、マールを穏便に説得したいようだ。
だが、マールは眉を吊り上げた。
「違いますね!今の陛下ではラスティ様をただ害しているだけです!!」
通せません!!とマールは声を張り上げる。
トリスティは、少し考えてからマールをまっすぐに見る。
「ねぇ…それでも二人で話すことは必要ではないかな。ラスティ様だって誤解していることはあるだろうし…きちんと話をしないとならないことだろう?俺たち部外者がどうこう言って余計こじらせているように思うんだ。」
だから、ここは大人しく通してくれないかい?とトリスティはマールに言う。
マールは少し考えるふりをした。
そう、ふりだ。
そもそも、マールでは多少の時間稼ぎしかできない。
そんなことはマールにも分かっている。
けれども、今のラスティにディオスを合わせて本当に大丈夫かという事は見極めねばならない。
「…そもそも…陛下はどういうおつもりでここに来ていますか?」
ディオスが、トリスティの後ろまで歩いてくる。
「どういうつもりとは…」
マールは眉を吊り上げた。
「ラスティ様の話を聞くつもりはあるのですか?また、自分の感情のまま切り捨てようとしているのでは?」
ディオスは眉を寄せた。
「捨てるつもりは…」
マールはため息をつく。
話にならないと。
「いい大人が情けない!!!しっかりしなさい!!」
びしりとマールはディオスを指さす。
不敬などといっている場合ではない。
マールの主はラスティである。
例え、給料はディオスから出ていても、何者からもラスティを守ることがマールの仕事だ。
ラスティを守るという事にマールは誇りをっもって務めている。
だから、ディオスでもラスティを傷つけるつもりの存在には全力で歯向かう。
ディオスは目を丸くしている。
「ことは単純です。陛下はラスティ様を傍に置きたいのですか置きたくないのですか!!」
ディオスは、それは…と悲し気に微笑む。
「傍に居てほしいさ…けれど…」
マールは、片方の眉を器用に吊り上げるとトリスティとディオスの立ってい居るな所めがけて飛び道具の罠を発動させる。
トリスティが、防御魔法でそれをしのぐ。
「マール!!!」
トリスティの慌てた声などマールは無視した。
「ええ、余計なお世話だという事は分かっていますが…僕は許せません!!陛下いま一度言います。ことは単純なのです。でも、も、けど…も必要ありません。僕のラスティ様を馬鹿にしないでください!!あの方は強い。陛下を守れるくらいに!!それを弱くしたのは貴方だ。嫌いか好きかはっきりさせなさい!!でも…や、けど…をつけるな!!!いい大人が、過去に囚われて大切なものを苦しめるのはもう言い加減やめなさい!!」
ディオスは、マールに返す言葉が無いようだった。
マールは、言いたいことは言えたからあとは時間を稼がねばとふんとあたりを見る。
仕掛けた罠はまだまだある。
と言ってもディオスにとっては単調なものだし、すべて使いつくすまで彼らを足止めできるとは思わない。
今のところ、ディオスは多少ショックを受けていて鈍いが、ジークハルトとロイスが入り口からこちらをうかがっているのも分かっている。
稼げてあと数分かな。
マールは、そんなことを思いながらまっすぐにトリスティとディオスに向かう。
「…だったら余計にラスティ様を迎えに行ってもらわないと…ですよね…」
トリスティがそうつぶやくとわずかに動く。
マールは、小さく舌打ちすると大きく下がった。
瞬間トリスティの姿が先ほどまでマールのいた場所にある。
内心流石と思いながら、トリスティのいる場所の罠を発動させる。
トリスティは避けながら、ディオスに言う。
「マールは私が抑えます。行ってください。」
そう言ってトリスティは更に地下に降りる通路の入り口に向かって炎の魔法を使った。
その魔法が走った部分のマールが仕掛けた罠がはじけ飛ぶ。
ディオス達がそのトリスティが作った道を走り出す。
マールは、壁に仕掛けた飛び道具の罠を発動させ、ディオス達を狙うがトリスティの防御魔法に防がれる。
トリスティにも同じように罠を発動させるがおそらく、トリスティが持っている魔石の防御魔法が発動して防がれてしまう。
ディオス達の背中が地下へと続く闇の中に消えていくのを見届けてからマールは深いため息をついた。
「…もう…良いだろう?」
トリスティの言葉にマールは、彼に振りかえる。
「いいえ?これからですよ!!トリスティ!!」
マールは、両手に魔石をもってにやりと笑う。
「さぁ…どちらが強いかやりあいましょうか…僕が勝ったら…貴方が僕の子を産んでくださいね?」
トリスティは、ひぇ…と小さく呟いた。
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