23 / 60
第五章 波涛の先へ
第23話 商談の行方
しおりを挟む
「ここからは筑紫です。くれぐれも油断はせぬように」
磐余彦の言葉に、一行は真剣な表情でうなずいた。
ここは九州きっての大国・筑紫の領内である。
筑紫は地理的に大陸や半島と近いこともあり、稲作や金属加工を筆頭にさまざまな先進技術を取り入れてきた。
その影響力は九州内にとどまらず、西日本に広く及んでいる。
倭国の中でもヤマトや出雲と肩を並べる有力な「クニ」の一つで、南九州の日向にとっては目の上のたんこぶのような存在だった。
一行は湊から半里(約二キロメートル)ほど離れた場所にある岡水門の市に向かった。
市に一歩足を踏み入れると、女たちが道行く人々に威勢のいい声をかけ、子供たちが歓声を上げながら走り回っている。
市を貫く幅二間ほどの道の両脇には、生肉や干し肉、鮮魚や干魚、米、野菜、麻布や履、薬草や塩などを扱う店が並び、蔓で編んだ籠や箕、鎌や鋤などの農具を売る店の横では、鍛冶屋が壊れた包丁を研いでいた。
そこを過ぎると、女たちが群がる一角が見えてきた。見るからに高価な水晶や翡翠、金や銀などの宝飾品を売る店である。
そこだけは俄かごしらえの店とは異なり、店構えも立派である。
いずれも庶民には手の届かない高価なものばかりだが、女たちが物欲しげに覗き込んでいる姿は微笑ましくもある。
「うわーっ、すげえ。肉も魚も山のようにある!」
市の熱気に当てられたのか、来目がはしゃいだ声を上げた。
「ああ、薬になりそうな植物や木の実も種類が多いな」
「ほう、米や麦、粟やヒエの種もあるぞ」
三毛入野命も稲飯命も、自分と関わりのありそうなものを目ざとく見つけて目を輝かせている。
「ほら、あそこにあるのは唐土の剣だ」
五瀬命が関心を持つのはやはり武器である。
彼らが興奮しているのも無理からぬことだった。
のどかな日向に比べ、筑紫は最先端の外国との玄関口であり、人も物もここを通らねば倭国内には入れない。
筑紫の有力豪族が湊の設備を整え、安全な航海ができるよう手配しているのも、すべては交易のためである。
彼らは大陸から鉄や金属を仕入れ、何倍もの価値で地方の豪族に売る。
倭国からは絹や翡翠、貝輪など貴重な品を仕入れ、大陸の商人に法外な値段で売りさばく。これによって莫大な利益を得ている。
ただし商人たちが磐余彦たちを見る目は存外厳しい。
それも当然で、山賊と間違われそうなみすぼらしい身なりの、目をぎらぎらさせた若者ばかりだ。
そうでなくとも、日向の田舎者はまともに扱ってもらえないのは当然である。
だが彼らは貧しい身なりの割に、金目のものを持っていた。
立派な飾りのついた剣を腰に帯び、金や銀、勾玉や璧玉などの見るからに装飾品を身に着けていた。
これらはウガヤフキアエズ王が磐余彦や五瀬命、稲飯命、三毛入野命ら四人の息子たちに餞別として与えたものである。
だが市の商人たちは、薄汚れた若者たちが金目のものを持っていることで却って怪しんだ。
どこかで盗んできたものに違いない。
下手に関わると面倒なことになる。
村人たちも娘が拐かされないかと心配で、家にこもったきり出てこなかった。
むろんヤマト遠征に協力を申し出る奇特な者もいない。
「先が思いやられるな」
「まだ始まったばかりです。何とかなるでしょう」
磐余彦が嘆くと椎根津が慰めた。
経験豊富な年長者の言葉だけに、挫けそうになる心を支えてくれるのは有難かった。
それに比べ、来目は嬉々として人ごみの中に分け入っていく。
「ねえさん、この肉はイノシシだね」
来目はとある露店の前で、女主人――どこから見ても老婆に見えるが――に話しかけた。
女主の前には大きな肉の塊が置かれている。
「ああ、うちの男どもが命懸けで獲った獲物だ。食ったら精がつくよ」
聞けば年老いた亭主と息子が、二人がかりで仕留めたという。脂が乗って旨そうだ。
「惜しいなあ。おいらたちはこの半分でいいんだけどな」
来目は一緒に来た隼手に話しかけた。例によって隼手が無言でうなずく。
「ふん、それじゃあ半分分けてやろう。その腕飾り二つと交換じゃ」
女主人が目敏く指さしたのは、来目が腕に何重にもはめたイモガイの貝輪である。
この時代、一部では中国製の貨幣貨泉も流通していたが、基本は物々交換である。
イモガイやゴホウラなどの大型の巻貝は沖縄など南海でしか採れない貴重な貝で、王族や身分の高い者しか身に着けられない。
いわば貴金属の類で、交易の際にも高値で取り引きされる。
「それじゃあ高すぎるぜ。貝輪一つで十分だろう」
「とんでもない、嫌なら帰んな。あんたら土蜘蛛に安く売ったと聞いたら亭主が嘆く」
女主人は邪険に手を振った。
しかし日はすでに傾きかけている。今日中に肉が売れるという保証はない。
ここから先は互いに腹の探り合いである。
「ならこうしねえか。おいらは本当は半分でいい。でも全部買ってやる。貝輪一つにこいつの勾玉一つ付けてやるよ」
来目は隼手が首に掛けた深緑色の首飾りを指さした。
「俺の……」
隼手はとっさのことに目を白黒させたが、来目に睨まれて慌ててうなずいた。
隼手が首に掛けているのは翡翠の勾玉である。翡翠は今ならさしずめダイヤモンドに匹敵する貴重な宝石だった。
「どうだ、姫川で採れたほんものの翡翠だぜ」
姫川とは越(新潟県)の糸魚川のことである。
女主人は目をきらりとさせた。
「まあ、勾玉ならたしかに悪くはないが……」
と言いつつ、まだ渋ったふりをしている。
「よく見てみろ。こいつは本物の隼人の王子だ。そいつがしてるんだから、上物に決まってる。こりゃあ高く売れるぜ」
横にいた〈隼人の王子〉が目をしばたたかせた。
「翡翠……だけど安……」
言いかけた隼手の口を来目が慌てて塞いだ。幸い女主人の耳には届かなかったようだ。
怪訝な目で見る女主人に、来目は精一杯の愛想を振りまいた。
「婆さん、いやおねえさん。あんたにこれ似合うぜ。女っぷりが一段と上がるよ」
「そうかねえ」
年老いた女主人は満更でもない様子でうなずいた。若いころには案外気立てのいい娘だったのかもしれない。
商談成立。
来目はゴホウラの腕輪一つと翡翠の勾玉一つでイノシシ一頭と交換した。
イノシシの肉は燻って干し肉にすれば当分は食いつなげる。双方にとって悪い取引ではない筈である。
こうやって来目は値頃な品を見つけては、如才なく取引して装飾品などと交換した。
軍隊に於ける兵站部門の責任者としては、来目は実に有能である。
磐余彦の言葉に、一行は真剣な表情でうなずいた。
ここは九州きっての大国・筑紫の領内である。
筑紫は地理的に大陸や半島と近いこともあり、稲作や金属加工を筆頭にさまざまな先進技術を取り入れてきた。
その影響力は九州内にとどまらず、西日本に広く及んでいる。
倭国の中でもヤマトや出雲と肩を並べる有力な「クニ」の一つで、南九州の日向にとっては目の上のたんこぶのような存在だった。
一行は湊から半里(約二キロメートル)ほど離れた場所にある岡水門の市に向かった。
市に一歩足を踏み入れると、女たちが道行く人々に威勢のいい声をかけ、子供たちが歓声を上げながら走り回っている。
市を貫く幅二間ほどの道の両脇には、生肉や干し肉、鮮魚や干魚、米、野菜、麻布や履、薬草や塩などを扱う店が並び、蔓で編んだ籠や箕、鎌や鋤などの農具を売る店の横では、鍛冶屋が壊れた包丁を研いでいた。
そこを過ぎると、女たちが群がる一角が見えてきた。見るからに高価な水晶や翡翠、金や銀などの宝飾品を売る店である。
そこだけは俄かごしらえの店とは異なり、店構えも立派である。
いずれも庶民には手の届かない高価なものばかりだが、女たちが物欲しげに覗き込んでいる姿は微笑ましくもある。
「うわーっ、すげえ。肉も魚も山のようにある!」
市の熱気に当てられたのか、来目がはしゃいだ声を上げた。
「ああ、薬になりそうな植物や木の実も種類が多いな」
「ほう、米や麦、粟やヒエの種もあるぞ」
三毛入野命も稲飯命も、自分と関わりのありそうなものを目ざとく見つけて目を輝かせている。
「ほら、あそこにあるのは唐土の剣だ」
五瀬命が関心を持つのはやはり武器である。
彼らが興奮しているのも無理からぬことだった。
のどかな日向に比べ、筑紫は最先端の外国との玄関口であり、人も物もここを通らねば倭国内には入れない。
筑紫の有力豪族が湊の設備を整え、安全な航海ができるよう手配しているのも、すべては交易のためである。
彼らは大陸から鉄や金属を仕入れ、何倍もの価値で地方の豪族に売る。
倭国からは絹や翡翠、貝輪など貴重な品を仕入れ、大陸の商人に法外な値段で売りさばく。これによって莫大な利益を得ている。
ただし商人たちが磐余彦たちを見る目は存外厳しい。
それも当然で、山賊と間違われそうなみすぼらしい身なりの、目をぎらぎらさせた若者ばかりだ。
そうでなくとも、日向の田舎者はまともに扱ってもらえないのは当然である。
だが彼らは貧しい身なりの割に、金目のものを持っていた。
立派な飾りのついた剣を腰に帯び、金や銀、勾玉や璧玉などの見るからに装飾品を身に着けていた。
これらはウガヤフキアエズ王が磐余彦や五瀬命、稲飯命、三毛入野命ら四人の息子たちに餞別として与えたものである。
だが市の商人たちは、薄汚れた若者たちが金目のものを持っていることで却って怪しんだ。
どこかで盗んできたものに違いない。
下手に関わると面倒なことになる。
村人たちも娘が拐かされないかと心配で、家にこもったきり出てこなかった。
むろんヤマト遠征に協力を申し出る奇特な者もいない。
「先が思いやられるな」
「まだ始まったばかりです。何とかなるでしょう」
磐余彦が嘆くと椎根津が慰めた。
経験豊富な年長者の言葉だけに、挫けそうになる心を支えてくれるのは有難かった。
それに比べ、来目は嬉々として人ごみの中に分け入っていく。
「ねえさん、この肉はイノシシだね」
来目はとある露店の前で、女主人――どこから見ても老婆に見えるが――に話しかけた。
女主の前には大きな肉の塊が置かれている。
「ああ、うちの男どもが命懸けで獲った獲物だ。食ったら精がつくよ」
聞けば年老いた亭主と息子が、二人がかりで仕留めたという。脂が乗って旨そうだ。
「惜しいなあ。おいらたちはこの半分でいいんだけどな」
来目は一緒に来た隼手に話しかけた。例によって隼手が無言でうなずく。
「ふん、それじゃあ半分分けてやろう。その腕飾り二つと交換じゃ」
女主人が目敏く指さしたのは、来目が腕に何重にもはめたイモガイの貝輪である。
この時代、一部では中国製の貨幣貨泉も流通していたが、基本は物々交換である。
イモガイやゴホウラなどの大型の巻貝は沖縄など南海でしか採れない貴重な貝で、王族や身分の高い者しか身に着けられない。
いわば貴金属の類で、交易の際にも高値で取り引きされる。
「それじゃあ高すぎるぜ。貝輪一つで十分だろう」
「とんでもない、嫌なら帰んな。あんたら土蜘蛛に安く売ったと聞いたら亭主が嘆く」
女主人は邪険に手を振った。
しかし日はすでに傾きかけている。今日中に肉が売れるという保証はない。
ここから先は互いに腹の探り合いである。
「ならこうしねえか。おいらは本当は半分でいい。でも全部買ってやる。貝輪一つにこいつの勾玉一つ付けてやるよ」
来目は隼手が首に掛けた深緑色の首飾りを指さした。
「俺の……」
隼手はとっさのことに目を白黒させたが、来目に睨まれて慌ててうなずいた。
隼手が首に掛けているのは翡翠の勾玉である。翡翠は今ならさしずめダイヤモンドに匹敵する貴重な宝石だった。
「どうだ、姫川で採れたほんものの翡翠だぜ」
姫川とは越(新潟県)の糸魚川のことである。
女主人は目をきらりとさせた。
「まあ、勾玉ならたしかに悪くはないが……」
と言いつつ、まだ渋ったふりをしている。
「よく見てみろ。こいつは本物の隼人の王子だ。そいつがしてるんだから、上物に決まってる。こりゃあ高く売れるぜ」
横にいた〈隼人の王子〉が目をしばたたかせた。
「翡翠……だけど安……」
言いかけた隼手の口を来目が慌てて塞いだ。幸い女主人の耳には届かなかったようだ。
怪訝な目で見る女主人に、来目は精一杯の愛想を振りまいた。
「婆さん、いやおねえさん。あんたにこれ似合うぜ。女っぷりが一段と上がるよ」
「そうかねえ」
年老いた女主人は満更でもない様子でうなずいた。若いころには案外気立てのいい娘だったのかもしれない。
商談成立。
来目はゴホウラの腕輪一つと翡翠の勾玉一つでイノシシ一頭と交換した。
イノシシの肉は燻って干し肉にすれば当分は食いつなげる。双方にとって悪い取引ではない筈である。
こうやって来目は値頃な品を見つけては、如才なく取引して装飾品などと交換した。
軍隊に於ける兵站部門の責任者としては、来目は実に有能である。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
輿乗(よじょう)の敵 ~ 新史 桶狭間 ~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
美濃の戦国大名、斎藤道三の娘・帰蝶(きちょう)は、隣国尾張の織田信長に嫁ぐことになった。信長の父・信秀、信長の傅役(もりやく)・平手政秀など、さまざまな人々と出会い、別れ……やがて信長と帰蝶は尾張の国盗りに成功する。しかし、道三は嫡男の義龍に殺され、義龍は「一色」と称して、織田の敵に回る。一方、三河の方からは、駿河の国主・今川義元が、大軍を率いて尾張へと向かって来ていた……。
【登場人物】
帰蝶(きちょう):美濃の戦国大名、斎藤道三の娘。通称、濃姫(のうひめ)。
織田信長:尾張の戦国大名。父・信秀の跡を継いで、尾張を制した。通称、三郎(さぶろう)。
斎藤道三:下剋上(げこくじょう)により美濃の国主にのし上がった男。俗名、利政。
一色義龍:道三の息子。帰蝶の兄。道三を倒して、美濃の国主になる。幕府から、名門「一色家」を名乗る許しを得る。
今川義元:駿河の戦国大名。名門「今川家」の当主であるが、国盗りによって駿河の国主となり、「海道一の弓取り」の異名を持つ。
斯波義銀(しばよしかね):尾張の国主の家系、名門「斯波家」の当主。ただし、実力はなく、形だけの国主として、信長が「臣従」している。
【参考資料】
「国盗り物語」 司馬遼太郎 新潮社
「地図と読む 現代語訳 信長公記」 太田 牛一 (著) 中川太古 (翻訳) KADOKAWA
東浦町観光協会ホームページ
Wikipedia
【表紙画像】
歌川豊宣, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる