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29『憧れの"ざまぁ!"』の書
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バリケードがめっちゃ硬ぇぇぇ!
新居に押し掛けて同居したいのに、空き部屋を占拠する育成グッズ(使用前&使用済み)が山積み!!
加護が困り顔をしながら「あぁ…それは木蓮様からのプレゼントだからな。無下に捨てられ無い物もあって、有り難く保管している」サラッと吐露したのは昨日の話だった。
どう考えても…
オレの引っ越し荷物が入らね~っす!!
部屋にドンッと幅をとる乳児用ベッドは仕方ない。
しかし、未だ全く使う気配のない歩行器や手押し車、トイレトレーニング用の便器、サイズの大きい今後の服と小物、サイズダウンしても捨て辛くなっている衣類が、部屋の大半を占め、所狭しと支配している。
嫌がらせじゃないのぉ!?
嫌がらせでしょ~う?
オレを排除しようとする木蓮様の!!
新居を思い浮かべ、深い溜息を吐いたところでバシッと頭を叩かれた。
「コラァ千手ーッ!捜査会議中にサボってんじゃないわよ!!」
衝撃でこっそり読書中の本『ざまぁで蹴散らせ鬼姑!断捨離に負けるな!!』がバサッと床に落ちる。
「くぅぅ。オレはぁ、世の中の戦うお嫁さん達を尊敬してる。すげぇしてる~!」
「あんたのその花畑な頭の中に軽蔑するわ!」
調査院07支部、会議室。穏やかな午後ではあるが、手元に置かれた資料の数々は不穏な事態がつらつらと記されていた。
『勇者候補を狙った神隠し』
掻い摘んだ話、誘拐事件が多発していることの報告と調査院に向けられた夥しい依頼書であった。
千手は資料をちらり眺める。内容はほぼ頭の中に転写済みだ。
物騒だから一緒に居てあげたいって心境なんすけどねぇ…。
そうは思いつつ、社内食堂で判断士の弥勒と会ったときの話を思い出す。
「この間加護クンのおうちに行った時ね、彼のローブが(ちょっと大袈裟かな~?)淫らにはだけていたのを見たの。わたしが行く前に戦闘院の不知火院長が寄っていたから、もしかしたら…もしかするのかも?犯されちゃったのかなぁ~て。加護クン可愛いもんねぇ♡」
その瞬間、
脳裏では、肌も露わな加護がセクシーによがり喘ぎ声を出しながらイクところまでイッてしまう…。
まさしく青天の霹靂が。
全身を貫く私的恐怖を味わったのだった。
世の中のお嫁さん達みたいに「ざまぁ!」の一撃で姑を陥落できるくらいのスキルを磨き、木蓮に認められ、加護を独り占めにしてギュッと抱きしめたいっ!寧ろ、嫁として抱きしめなきゃダメでしょ!?
ふらぁ~
欲望全開。鼻血を出して気絶した千手に「なにこれ嫌だわー。妄想で白目剥くなんて引くわ…」07支部支部長は幻滅した。
それでも依頼書の担当者の名には千手と記す。総指揮を任せるには足る男だと認めてはいるのだった。
新居に押し掛けて同居したいのに、空き部屋を占拠する育成グッズ(使用前&使用済み)が山積み!!
加護が困り顔をしながら「あぁ…それは木蓮様からのプレゼントだからな。無下に捨てられ無い物もあって、有り難く保管している」サラッと吐露したのは昨日の話だった。
どう考えても…
オレの引っ越し荷物が入らね~っす!!
部屋にドンッと幅をとる乳児用ベッドは仕方ない。
しかし、未だ全く使う気配のない歩行器や手押し車、トイレトレーニング用の便器、サイズの大きい今後の服と小物、サイズダウンしても捨て辛くなっている衣類が、部屋の大半を占め、所狭しと支配している。
嫌がらせじゃないのぉ!?
嫌がらせでしょ~う?
オレを排除しようとする木蓮様の!!
新居を思い浮かべ、深い溜息を吐いたところでバシッと頭を叩かれた。
「コラァ千手ーッ!捜査会議中にサボってんじゃないわよ!!」
衝撃でこっそり読書中の本『ざまぁで蹴散らせ鬼姑!断捨離に負けるな!!』がバサッと床に落ちる。
「くぅぅ。オレはぁ、世の中の戦うお嫁さん達を尊敬してる。すげぇしてる~!」
「あんたのその花畑な頭の中に軽蔑するわ!」
調査院07支部、会議室。穏やかな午後ではあるが、手元に置かれた資料の数々は不穏な事態がつらつらと記されていた。
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千手は資料をちらり眺める。内容はほぼ頭の中に転写済みだ。
物騒だから一緒に居てあげたいって心境なんすけどねぇ…。
そうは思いつつ、社内食堂で判断士の弥勒と会ったときの話を思い出す。
「この間加護クンのおうちに行った時ね、彼のローブが(ちょっと大袈裟かな~?)淫らにはだけていたのを見たの。わたしが行く前に戦闘院の不知火院長が寄っていたから、もしかしたら…もしかするのかも?犯されちゃったのかなぁ~て。加護クン可愛いもんねぇ♡」
その瞬間、
脳裏では、肌も露わな加護がセクシーによがり喘ぎ声を出しながらイクところまでイッてしまう…。
まさしく青天の霹靂が。
全身を貫く私的恐怖を味わったのだった。
世の中のお嫁さん達みたいに「ざまぁ!」の一撃で姑を陥落できるくらいのスキルを磨き、木蓮に認められ、加護を独り占めにしてギュッと抱きしめたいっ!寧ろ、嫁として抱きしめなきゃダメでしょ!?
ふらぁ~
欲望全開。鼻血を出して気絶した千手に「なにこれ嫌だわー。妄想で白目剥くなんて引くわ…」07支部支部長は幻滅した。
それでも依頼書の担当者の名には千手と記す。総指揮を任せるには足る男だと認めてはいるのだった。
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