海辺で拾った宇宙人

あさいゆめ

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「あら、こんにちは。」
 見知らぬおばあさんだが?
「こんにちは。」
 オウ?
「知り合い?」
「うん。」
「どこで?」
「公園。」
 オウの指差すほうには少し大きめの公園がある。
「いつ?」
「トーマが仕事してる時。」
「鍵は?」
「ドアの隙間から。」
 まあ、出れるだろうが。
「あっ、こんにちは。」
 また見知らぬ女性だ。人妻ふうだが。
「知的生命体とは接触しちゃいけないんじゃなかったか?」
「トーマ、嫉妬する?」
「しない。」
「むこうから話しかけてくる。」
 イケメンだから?
 そうか、一人で外に出ることもあるんだな。
「公園行くか?」
「うん。」
 あるのは知っていたが、近くにあってもなかなか一人では来ることもなかった公園だ。
 湧水が出るらしく、小さいが澄んだきれいな池がある。
 木々が繁り木陰も多い。
 俺に何かあっても、ここなら生きていけるな。
「トーマいなくなったらイヤだ。」
 だから頭の中を読むなと。
「人はすぐに死ぬ。」
 家族に縁の薄い俺だから、死はわりと近いと感じる。
 オウは核が壊れるまでずっと生きるらしいから、俺が突然いなくなった後の事も考えておかないと。
「あら、今日は一人じゃないのね。」
 また知らない人だ。
「お前、知らない人について行ったら駄目だぞ?」
「うん。」
「公園でいつも何してるんだ?」
「見てる。」
「何を?」
「生きているもの。」
「なんの為に?」
「全部情報だから。」
 またよくわからない事を。
 そう言いながら足元の蟻の行列を見ていた。
 だけど俺も何もせず、ぼーっと見ている時間は好きだ。
 水の涌き出る音や木々が風に揺れる音、雲の流れや日の暮れていく様、そして隣の綺麗な男の横顔。
 見ているとすっと近くなり、キスをしてきた。
「外では駄目だ。」
「して欲しいと思った。」
「思ってない。」
「帰ろう。」
「ああ。」
「家でしよう。」
「しない。」
 結局するのだが。
 本当に俺がキスして欲しいと思ったのか?
 
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