戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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    リタ視点

 しげしげとわたくしを見ていたアレクサンドリア様。
「ああ、思い出したわ。
 いつも物陰からマティとシオンちゃんを見てた娘ね。」
 ああっ、思い出さなくてもよろしい事を…。
「あっ、あの…そのぉ…。」
 なんと言えばいいのかしら。
 変な汗が…。
「あの頃はただ遠くから目にするだけで充分幸せでしたの…。」
 嘘ではないわ。
 腹黒皇子×従者とか、逆もいいわとか、とにかくもうマティアス殿下の回りには美しい令息が多かったのだもの。
 お許し下さい。あの頃はアレクシオン様もまだ少年らしさを残されていて、マティアス殿下とのあれこれを妄想せずにはおれませんでした。
「ふうん、じゃあ良かったわね。想いが叶って。」
「いえっ!そんな!違うんです。わたくしごときが本当に殿下と結婚するなどありえませんっ!」
 ああっ、しまった。おもいっきり全否定しちゃった。
「あなたまさか…。」
 お願い言わないで。
 きっとアレクシオン様を見ていたと勘違いされた。違うけど違わない。今日だって会いに来ているのおかしいもの。
「ふうん、まあいいんじゃない?
 そうだ、今度お茶会をひらこうと思うの。
 ぜひ、シャルドネア令嬢もいらして?」
 威圧的な笑顔。
「は…はい。」
「ねえ、わたくし達同級生よね?リタって呼んでいい?」
「はい。」
「リタもサンディって呼んでね。」
「はい。」
「クックック、楽しくなりそう。」
 ううっ、悪役令嬢健在ですわ。
「シオン様、そろそろお休みになられませんと。」
 テリオス卿が促す。
 やはり体調がお悪いのかしら。
「シャルドネア令嬢わざわざ来ていただきありがとう。サンディと積もる話もあるでしょう。ゆっくりしていってください。
 テリオス君は心配性なんだよ。」
 そう言って笑うけれどわたくしも心配ですわ。
「お大事にして下さい。」
 立ち上がるとテリオス卿が、
「肩におつかまり下さい。」
「大丈夫だって。」
「失礼いたします。」
 えっ?2メートル近くあるアレクシオン様をテリオス卿が軽々と抱き上げた。
「ちょっ…止めてよ、お客様の前で!」
 侍女達も見慣れた様子でクスクス笑っている。
 これは…テリオス卿×アレクシオン様?
「テリオス卿って見かけによらず力持ちよね?」
「アレクサンドリア様、公爵邸ではあれが日常ですの?」
「サンディ!」
「サ、サンディ…様。」
「まあ、いいわ。
 テリオス卿はちょっと行き過ぎな感もあるけれど、シオンちゃんにはあれくらいがいいのよ。  
 何も言う人がいないと一人で我慢しちゃうから…。
 と、こ、ろ、で!
 リタ、これからどうする?
 マティとシオンちゃん、どっちにする?」
 完全に楽しんでいらっしゃる。
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