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46 告白
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曲が変わるとテリーに挨拶してハルトの所へ、ハルトもあたしを待っててくれた。
「ハルト、メィリィ、おめでとう!」
「ありがとう!」
「ありがとうございます。」
二曲目はハルトと踊った。
身長差が30㎝ほどあるけど、4年前よりはずいぶんと成長したはずだ。
「ばーちゃん、俺にもやっと家族ができたよ。」
「うん、よかったね。幸せになるんだよ。」
二人とも、ちょっとうるうるしてしまった。
「王様がさっきからちらちら見てるよ。」
「うん、さっきテリーと踊ってた時も。」
「次は踊ってあげなよ。」
「どうかなー、あたしってばもてるからね。あんなはじっこにいたら他の子に先こされるよ。」
「意地悪くない?」
「いいんだよ、婚約者と仲良くしてたら。」
「ジェラシー?」
「なんであたしが?」
「王様のことかわいいんだろ?」
「ああ、お前と同じくらいな。」
「孫かぁ、ははは。」
「ふふふ。」
案の定、王様は出遅れた。
「私の事を覚えていらっしゃいますか?」
「はい、ロレンス様。」
彼も王様の従者候補の一人だった。
4歳年上の彼はもとから大人びた人だったけど、更に大人っぽくなられた。
ダンスのリードもスマート。
次もすぐに声をかけられたけれど、さすがに疲れたので断った。
ロレンス様が椅子のある所までエスコートしてくれて、飲み物をとりに行ってくれた。何から何までスマート。あれはもてるわ。
「レティシア。」
「王様。
ご挨拶申し上げます。」
立ち上がり挨拶する。
ロレンス様が戻ってきた。
「すまないが、レティシアと話がしたい。」
「はい、飲み物をどうぞ。」
手渡して下がった。
「久しぶりだな。」
「はい。お元気そうで安心いたしました。」
身体は細いけれど、身長がずいぶん伸びた。
顔色もいい。
「…。」
「どうしました?」
「ちょっと…庭にでもいかないか?」
「いいですよ。」
なんだろ?
人目の無い所まで連れてこられた。
「…会いたかった。」
え?
いきなり抱きつかれた。
「ずっと会いたかったのに!」
あんたもう14歳でしょうが!
「なんで他の人とばっかり踊ってんの?」
何泣いてんの?
「王様だって婚約者の…。」
「王様じゃないだろ!」
「あー…ウィル?」
「…うん。
会いたかったんだよ?
王都に来てたのに、なんでお城に来てくれなかったの?」
「お城はそう簡単にいける場所じゃないでしょ?」
「叔父上に頼めばいいじゃないか。」
「ハルトは結婚式の準備で忙しかったでしょ?」
「それでもっ!
レティは僕の事なんか忘れてたんじゃないの?」
「…ウィル?ずいぶんわがままになっちゃったね。」
「レティのせいだ。」
背中をトントンと優しく叩く。
「うっ…会いたかったんだよ。」
「あたしも会いたかったですよ。」
「本当に?」
「うん。ほら、曲が聞こえる。
踊ろう?」
「うん。」
抱きしめられたままなだめるように身体を揺らした。
「レティ、婚約者を優先した事気に入らなかった?」
「仕方ないでしょ?」
「嫉妬してよ。」
「したって仕方ないでしょ。」
「…うん。」
なんなの?
まるであたしの事好きみたいな?
単なる子供の独占欲よね?
「ウィル?あたしの事好きなの?」
「…うん。」
うーん…あたしも好きだけどさ。
好きの種類が違うっていうかさ。
「ダメだってわかってるよ。
だけどレティがいなくなってわかったんだ。
僕はレティが好きだ。」
駄目だとはわかっているんだね。
きっと本当の気持ちなんだろうけど。
「ねえウィル。
あたしはその気持ちには答えられないよ。」
「僕だってどうしていいかわかんない。」
だろうね。
「じゃあ、ひとまず保留で。」
「うん。ごめん。なんかこんな再会にするつもりじゃなかったのに。
感情がうわーってなっちゃって…。」
「ふふふっ。」
「笑うなよ。」
きっと初告白だね。
かわいいな。
何をしていてもかわいい。
申し訳ないけど、そう感じてしまう。
「ハルト、メィリィ、おめでとう!」
「ありがとう!」
「ありがとうございます。」
二曲目はハルトと踊った。
身長差が30㎝ほどあるけど、4年前よりはずいぶんと成長したはずだ。
「ばーちゃん、俺にもやっと家族ができたよ。」
「うん、よかったね。幸せになるんだよ。」
二人とも、ちょっとうるうるしてしまった。
「王様がさっきからちらちら見てるよ。」
「うん、さっきテリーと踊ってた時も。」
「次は踊ってあげなよ。」
「どうかなー、あたしってばもてるからね。あんなはじっこにいたら他の子に先こされるよ。」
「意地悪くない?」
「いいんだよ、婚約者と仲良くしてたら。」
「ジェラシー?」
「なんであたしが?」
「王様のことかわいいんだろ?」
「ああ、お前と同じくらいな。」
「孫かぁ、ははは。」
「ふふふ。」
案の定、王様は出遅れた。
「私の事を覚えていらっしゃいますか?」
「はい、ロレンス様。」
彼も王様の従者候補の一人だった。
4歳年上の彼はもとから大人びた人だったけど、更に大人っぽくなられた。
ダンスのリードもスマート。
次もすぐに声をかけられたけれど、さすがに疲れたので断った。
ロレンス様が椅子のある所までエスコートしてくれて、飲み物をとりに行ってくれた。何から何までスマート。あれはもてるわ。
「レティシア。」
「王様。
ご挨拶申し上げます。」
立ち上がり挨拶する。
ロレンス様が戻ってきた。
「すまないが、レティシアと話がしたい。」
「はい、飲み物をどうぞ。」
手渡して下がった。
「久しぶりだな。」
「はい。お元気そうで安心いたしました。」
身体は細いけれど、身長がずいぶん伸びた。
顔色もいい。
「…。」
「どうしました?」
「ちょっと…庭にでもいかないか?」
「いいですよ。」
なんだろ?
人目の無い所まで連れてこられた。
「…会いたかった。」
え?
いきなり抱きつかれた。
「ずっと会いたかったのに!」
あんたもう14歳でしょうが!
「なんで他の人とばっかり踊ってんの?」
何泣いてんの?
「王様だって婚約者の…。」
「王様じゃないだろ!」
「あー…ウィル?」
「…うん。
会いたかったんだよ?
王都に来てたのに、なんでお城に来てくれなかったの?」
「お城はそう簡単にいける場所じゃないでしょ?」
「叔父上に頼めばいいじゃないか。」
「ハルトは結婚式の準備で忙しかったでしょ?」
「それでもっ!
レティは僕の事なんか忘れてたんじゃないの?」
「…ウィル?ずいぶんわがままになっちゃったね。」
「レティのせいだ。」
背中をトントンと優しく叩く。
「うっ…会いたかったんだよ。」
「あたしも会いたかったですよ。」
「本当に?」
「うん。ほら、曲が聞こえる。
踊ろう?」
「うん。」
抱きしめられたままなだめるように身体を揺らした。
「レティ、婚約者を優先した事気に入らなかった?」
「仕方ないでしょ?」
「嫉妬してよ。」
「したって仕方ないでしょ。」
「…うん。」
なんなの?
まるであたしの事好きみたいな?
単なる子供の独占欲よね?
「ウィル?あたしの事好きなの?」
「…うん。」
うーん…あたしも好きだけどさ。
好きの種類が違うっていうかさ。
「ダメだってわかってるよ。
だけどレティがいなくなってわかったんだ。
僕はレティが好きだ。」
駄目だとはわかっているんだね。
きっと本当の気持ちなんだろうけど。
「ねえウィル。
あたしはその気持ちには答えられないよ。」
「僕だってどうしていいかわかんない。」
だろうね。
「じゃあ、ひとまず保留で。」
「うん。ごめん。なんかこんな再会にするつもりじゃなかったのに。
感情がうわーってなっちゃって…。」
「ふふふっ。」
「笑うなよ。」
きっと初告白だね。
かわいいな。
何をしていてもかわいい。
申し訳ないけど、そう感じてしまう。
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