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47 モデルデビュー
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今までの10代の女の子の服は子供っぽいものか、そうでなければ地味なものばかり。
子供服はあまり重要視されてなかった。
だから女の子達は16歳からの大人っぽい長い丈のドレスに憧れた。
もちろんかわいい服もいいけれど、これからは丈が短くても洗練された大人っぽい服。
それがガーリッシュ・シャルタンの目指すもの。バッグや小物なんかもきちんとした物をそろえて、小さいけれど一人前のレディとして扱う。
オープン前にあたしをはじめとしたモデルの娘達の姿絵を印刷して配った。
文字印刷は行き渡っていたけれど、絵を印刷して配るのはまだまだ珍しく、女の子達は家でその絵を嬉しそうに飾るようになる。まあ、男の子や成人男性もこっそり持っているだろうがね。
これをかんたんな本にして毎月発刊する。
いわゆるファッション雑誌だ。
あたしの少女時代にはネットなんか無かった。
女の子達はファッション雑誌を見てキャッキャ言ってたもんだ。
王都でのあたしの住まいなんだけど、なぜかハルトの公爵邸。
新婚さんのお宅にお邪魔は悪いって言ったんだけど、男爵邸では警護が手薄だからと、お兄様まで公爵邸で生活する事に賛成した。みんな過保護よね。
「あたし、けっこう強いよ?ね、メィリィ。」
メィリィとはノースエルデェルで魔の森にも行った。魔物避けの加工魔石の効果を見るため。
やはり大型の魔物や興奮状態のものには効かなかった。興奮状態のボアが突進してきたので魔法で撃退してみせた事がある。
「レティ様はたいへんお強いです。」
「本当に?じゃあちょっと攻撃してみ?」
「えー、痛い目にあうよ?」
「大丈夫、俺こうみえて勇者だよ?」
「んーじゃあ外で。」
外へでてハルトを的に風魔法を使う。
あたしはやっぱり規格外ですべての属性の魔法が使えるみたいだけど、火は危ないだろう。水も後片付けがたいへんそう。土だって後で庭師さんが大変だから。
「思い切りやっていいからね。」
そんなこと言ったって怪我したら大変だから、小さく、
「跳べっ。」
「ゴッフゥッ!」
なんか鈍い音した!
けっこう跳んじゃったし。
「これ、死ぬやつだからっ!勇者じゃなかったら死んでるやつだからっっ!」
あー…だから言ったじゃないか。
血だらけのハルトに治癒魔法をかけた。
メィリィは、
「肉片にならなくて良かったですね。」
「何それ怖いっ!」
メィリィは細切れ肉のボアを見たからね。
外出のさいは必ず護衛をつけられる事になった。相手の命にかかわるからと。
まあ、死にかけても死ななきゃ治せるけど。
そんなこんなで王都での新しい生活が始まった。
ガーリッシュ・シャルタンの服は思った以上に好評。
やっぱり今までの服に不満を持ってた女の子はたくさんいたみたい。
あたしの他のモデルの女の子は黒髪のミーシャと茶髪のメルルとエリルの双子。
御抱えの画家にスケッチをしてもらいその後は四人でカフェでお茶をするのがお決まり。
お茶してる所や、公園にいるのもスケッチされてたりする。
時々、男の子に声をかけられる事もあるけれど、強面の護衛がついているのですごすごと帰っていく。あたしの他のモデルにも護衛は付けた。何かあると大変だからね。
だけど、そんな護衛をものともせずに近づく男の子達がいる。髪色は茶色だけど赤い目をした偉そうな子と赤茶の髪に金の瞳のイケメン。
変装した王様だ。
護衛はロレンス様。
みんなロレンス様に注目しちゃうほど、茶髪の王様ってばしょぼい。
「やあ、レティ。」
「こんにちは、ウィル。」
お城を抜け出してくるなんて思いもしなかった。
「レティ、紹介してよ!」
ミーシャってば、くいつきがすごい。
「公爵の知り合いの子達よ。
ウィルとロレンス。
お忍びだから家名は伏せさせてね。」
これだけ言えばこの子達は察してくれるだろう。
実はこの子達も貴族の子だ。
家名は伏せてモデルをしてもらっている。
ミーシャは伯爵家の庶子。おしゃれが大好きだ。
双子は子爵令嬢だけれど金銭的に苦しい生活をしているので働きたかったので引き受けてくれた。
平民をモデルに使うのは難しい。
顔が知られるとそのぶん危険も伴う。
しかし平民では護衛をつける事が出来ないから。
子供服はあまり重要視されてなかった。
だから女の子達は16歳からの大人っぽい長い丈のドレスに憧れた。
もちろんかわいい服もいいけれど、これからは丈が短くても洗練された大人っぽい服。
それがガーリッシュ・シャルタンの目指すもの。バッグや小物なんかもきちんとした物をそろえて、小さいけれど一人前のレディとして扱う。
オープン前にあたしをはじめとしたモデルの娘達の姿絵を印刷して配った。
文字印刷は行き渡っていたけれど、絵を印刷して配るのはまだまだ珍しく、女の子達は家でその絵を嬉しそうに飾るようになる。まあ、男の子や成人男性もこっそり持っているだろうがね。
これをかんたんな本にして毎月発刊する。
いわゆるファッション雑誌だ。
あたしの少女時代にはネットなんか無かった。
女の子達はファッション雑誌を見てキャッキャ言ってたもんだ。
王都でのあたしの住まいなんだけど、なぜかハルトの公爵邸。
新婚さんのお宅にお邪魔は悪いって言ったんだけど、男爵邸では警護が手薄だからと、お兄様まで公爵邸で生活する事に賛成した。みんな過保護よね。
「あたし、けっこう強いよ?ね、メィリィ。」
メィリィとはノースエルデェルで魔の森にも行った。魔物避けの加工魔石の効果を見るため。
やはり大型の魔物や興奮状態のものには効かなかった。興奮状態のボアが突進してきたので魔法で撃退してみせた事がある。
「レティ様はたいへんお強いです。」
「本当に?じゃあちょっと攻撃してみ?」
「えー、痛い目にあうよ?」
「大丈夫、俺こうみえて勇者だよ?」
「んーじゃあ外で。」
外へでてハルトを的に風魔法を使う。
あたしはやっぱり規格外ですべての属性の魔法が使えるみたいだけど、火は危ないだろう。水も後片付けがたいへんそう。土だって後で庭師さんが大変だから。
「思い切りやっていいからね。」
そんなこと言ったって怪我したら大変だから、小さく、
「跳べっ。」
「ゴッフゥッ!」
なんか鈍い音した!
けっこう跳んじゃったし。
「これ、死ぬやつだからっ!勇者じゃなかったら死んでるやつだからっっ!」
あー…だから言ったじゃないか。
血だらけのハルトに治癒魔法をかけた。
メィリィは、
「肉片にならなくて良かったですね。」
「何それ怖いっ!」
メィリィは細切れ肉のボアを見たからね。
外出のさいは必ず護衛をつけられる事になった。相手の命にかかわるからと。
まあ、死にかけても死ななきゃ治せるけど。
そんなこんなで王都での新しい生活が始まった。
ガーリッシュ・シャルタンの服は思った以上に好評。
やっぱり今までの服に不満を持ってた女の子はたくさんいたみたい。
あたしの他のモデルの女の子は黒髪のミーシャと茶髪のメルルとエリルの双子。
御抱えの画家にスケッチをしてもらいその後は四人でカフェでお茶をするのがお決まり。
お茶してる所や、公園にいるのもスケッチされてたりする。
時々、男の子に声をかけられる事もあるけれど、強面の護衛がついているのですごすごと帰っていく。あたしの他のモデルにも護衛は付けた。何かあると大変だからね。
だけど、そんな護衛をものともせずに近づく男の子達がいる。髪色は茶色だけど赤い目をした偉そうな子と赤茶の髪に金の瞳のイケメン。
変装した王様だ。
護衛はロレンス様。
みんなロレンス様に注目しちゃうほど、茶髪の王様ってばしょぼい。
「やあ、レティ。」
「こんにちは、ウィル。」
お城を抜け出してくるなんて思いもしなかった。
「レティ、紹介してよ!」
ミーシャってば、くいつきがすごい。
「公爵の知り合いの子達よ。
ウィルとロレンス。
お忍びだから家名は伏せさせてね。」
これだけ言えばこの子達は察してくれるだろう。
実はこの子達も貴族の子だ。
家名は伏せてモデルをしてもらっている。
ミーシャは伯爵家の庶子。おしゃれが大好きだ。
双子は子爵令嬢だけれど金銭的に苦しい生活をしているので働きたかったので引き受けてくれた。
平民をモデルに使うのは難しい。
顔が知られるとそのぶん危険も伴う。
しかし平民では護衛をつける事が出来ないから。
応援ありがとうございます!
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