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3話 駆け引き
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「穢れは毒のようなもので、土に落ちればその土地で植物は育たず、水に触れれば病気を振りまく沼になります。穢れを相手取る時は浄化の使い手とできるだけ速攻で片を付けられる魔術師が必要です。」
ラン司教は茶を一口飲むとそのお茶を吟味するようにカップを見つめる。
「そして今回の討伐依頼は天帝が関わっています。信用ができるもの、もしくは使いきりで切り捨てられるものを選ぶことになります。」
(やっぱり帰ればよかった)
「ラン司教、ギルドにケンカを売られるつもりで?」
バルドルの重い威圧が部屋全体を包む。
「いえいえ。ギルド総本部にはすでに連絡をいれていますよ。そしてバルバド殿も同席いただいたことで返答にはなりませんか?」
威圧をあっさり流すラン司教はフフフと笑っている。
「天帝が関わっていることを言わなければ冒険者の信用、使いきりは必要なかったはず。天帝のかかわりを言われたのは別の意図を感じます」
これまで黙っていたリュランは組んだ手を見ながら言った。おや?とラン司教は興味深そうにリュランを見やった。
「あなたがこういったことに口を挟まれるのは珍しいですね。なにかおありで?」
「リオは、うちのお抱えで、ここにいるものの中で最も強いということが言いたいだけですよ。その気になればここにいる人間の口封じだってできます」
ラン司教はフードを深くかぶったリオを観察した。
「なるほど、では神殿契約をしましょう。双方にこれらの情報を漏らさないこと、お互いを害さないことでいかがでしょう?」
ラン司教は人好きのする笑顔でリオに聞いてきた。
「…第三者へ情報提供により利益を得てはならないこと、互いの自由を侵害しないことこれを守った状態で依頼を受けるか検討する。依頼を受ける際はギルドの規則に倣うこと。こちらがだす条件」
ラン司教はフムと考えるしぐさをするとにやりと笑い、コクリとうなずいた。
契約後ラン司教は緊急事態について説明を始めた。
「今回依頼したワイバーンの亜種討伐について詳細を説明させていただきます。通常ワイバーンは風属性を使用し飛翔・かまいたち・ブレス・ヒールを使用します。先ほど言ったようにこの亜種は風属性の魔力ではなく穢れでこの技を放ってきます。本来であれば聖騎士団で対応するべきですが主戦力は今朝テレポートで移動し隣国フレールで亜種と対峙しており、今回の討伐には参加できません」
「…ラン司教の魔力が減っているのはそちらの加護に使用しているから?」
リオからの質問にラン司教はなにも読み取れない微笑で返した。
「今回の討伐には私、リュラン殿、リオ殿、神殿から聖騎士、調査・環境整備のため非戦闘員数名が参加します。はめるような形で申し訳ないと思いますが、どうかご助力をお願いします」
リオはコクリとうなずいた。
今から一刻後ワイバーン亜種の討伐を行うことになった。
ラン司教は茶を一口飲むとそのお茶を吟味するようにカップを見つめる。
「そして今回の討伐依頼は天帝が関わっています。信用ができるもの、もしくは使いきりで切り捨てられるものを選ぶことになります。」
(やっぱり帰ればよかった)
「ラン司教、ギルドにケンカを売られるつもりで?」
バルドルの重い威圧が部屋全体を包む。
「いえいえ。ギルド総本部にはすでに連絡をいれていますよ。そしてバルバド殿も同席いただいたことで返答にはなりませんか?」
威圧をあっさり流すラン司教はフフフと笑っている。
「天帝が関わっていることを言わなければ冒険者の信用、使いきりは必要なかったはず。天帝のかかわりを言われたのは別の意図を感じます」
これまで黙っていたリュランは組んだ手を見ながら言った。おや?とラン司教は興味深そうにリュランを見やった。
「あなたがこういったことに口を挟まれるのは珍しいですね。なにかおありで?」
「リオは、うちのお抱えで、ここにいるものの中で最も強いということが言いたいだけですよ。その気になればここにいる人間の口封じだってできます」
ラン司教はフードを深くかぶったリオを観察した。
「なるほど、では神殿契約をしましょう。双方にこれらの情報を漏らさないこと、お互いを害さないことでいかがでしょう?」
ラン司教は人好きのする笑顔でリオに聞いてきた。
「…第三者へ情報提供により利益を得てはならないこと、互いの自由を侵害しないことこれを守った状態で依頼を受けるか検討する。依頼を受ける際はギルドの規則に倣うこと。こちらがだす条件」
ラン司教はフムと考えるしぐさをするとにやりと笑い、コクリとうなずいた。
契約後ラン司教は緊急事態について説明を始めた。
「今回依頼したワイバーンの亜種討伐について詳細を説明させていただきます。通常ワイバーンは風属性を使用し飛翔・かまいたち・ブレス・ヒールを使用します。先ほど言ったようにこの亜種は風属性の魔力ではなく穢れでこの技を放ってきます。本来であれば聖騎士団で対応するべきですが主戦力は今朝テレポートで移動し隣国フレールで亜種と対峙しており、今回の討伐には参加できません」
「…ラン司教の魔力が減っているのはそちらの加護に使用しているから?」
リオからの質問にラン司教はなにも読み取れない微笑で返した。
「今回の討伐には私、リュラン殿、リオ殿、神殿から聖騎士、調査・環境整備のため非戦闘員数名が参加します。はめるような形で申し訳ないと思いますが、どうかご助力をお願いします」
リオはコクリとうなずいた。
今から一刻後ワイバーン亜種の討伐を行うことになった。
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