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子供時代
他視点 アウクシリアの聖女②
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南端にある小国クェダット王国は現在、魔物が発生する元となる『瘴気』と呼ばれる邪悪な力を含んだ黒い霧がいたるところで発生し、一部は既に魔物が生まれ被害も出ているらしい。
国がそんな状態となっている相手側は、やはり焦っているのか苛立っているのか……恐らくその両方だろう。
そもそもお願いする側の立場だというのも忘れて何故かこの国ーートライア・ドラグーン王国に対して横柄な態度を取っている目の前の男は、己の生殺与奪の権を元よりこちらが握っているという事を全くと言っていいほど理解していないに違いない。
「ですから!このような竜人だけで事足りるであろう国に『聖女』など必要無いでしょう!?」
確かにこの国は世界最強の種族である竜人族が多数を占める為、ちょっとやそっとの事で国が傾く事はまず無い。
無いのだが、だからと言って他国の関係ない人間に不要だと判断される言われは無い。
「そ、それでもダメだと仰られるのなら……そう、半年!半年だけでも良いのです!そちらの聖女様をこちらにお貸しして頂きたい!!」
「……あのですね、私はこの国から正式に依頼を受けてここに居るんですよ。なのでこの国の聖女様の代わりに今はここに居ますが、そもそも私はアウクシリアの『聖女』なのでアウクシリアでも勤めを果たさなくてはいけません。つまりアウクシリアとこの国を行ったり来たりしているんです。これでも忙しいんですよ、私。だから他所まで手が回りません。どうしてもと言われるなら他の国をあたっては?」
ノンブレスで言い切って疲れた。
しかも物の貸し借りのように言われてムカつくし。
おいテメェ、私はレンタル商品じゃねーんだよ。
するといまだ口を挟まず隣で黙って座っている男が、正面を向いたままさりげなく私の手を握ってきた。
さすが竜人族、番の感情に聡い。
「聖女様がお忙しいのは私共も充分承知しております!で、ですが!我が国が大変な今こそ!友好国であるアウクシリアとトライア・ドラグーン両国の力をお貸しして頂きたいと、そう申しておるのです!現在、我が国はほとんどの国から国交を断絶されておりますし……」
(あれ?アウクシリアってクェダットと断絶してなかったっけ?ってか、この国もクェダットの内情を知る為だとかで余計な事せずさっさと断絶すりゃ良かったのに)
唾が飛びそうなくらい勢いよく喋る目の前の男は、クェダット王国の2番目の王子だった……はず。
それなりに国が栄えていた頃は褐色の肌に金髪が映える美青年としてその美貌を持て囃され、お気に入りの美男美女に囲まれて優雅な生活をしていたようだが、今ではその美貌は見る影もなくなり老人とはいかないまでも実年齢より老けて見えるほどにはやつれて老け込んでいた。
頻繁に会うわけではなかったが、以前からたまにこういった会談や国同士の話し合いの場で顔を合わせると何かと絡んできては自分のハーレムに入らないかと遠回しに誘ってきたり、舐めるような目つきで人の体をジロジロ見てきたり、時には体に触れようとしたりして密かに抹殺したい人間リスト上位に入れていた。
その男の後ろで申し訳なさそうに立っているのはクェダットの前王の側近であり、国の唯一の良心であった前宰相だが、どうやら今のクェダットでは発言権もあまり無いようで、国内では目立たない存在となっているようだ。
それにあの枯れ木のような痩せ衰えた姿では近いうちに体を壊してしまうだろう。
はたして目の前の男はそれに気付いているのか……いや、己の事しか考えていないこの男に気付けと言う方が無理か。
そもそもこの男、10年前に『勇者召喚の儀』を行った王族の一人ではないかと裏で言われているのだ。
表立って処分された関係者以外にも関わった人間はいると言われていて、目の前の男も限りなく黒に近いグレーだという認識をされている。
「『聖女』は基本、1つの国に1人だけ。それが神が設けた決まり事です。我が国は数年前に高齢であった聖女様がお亡くなりになり、現在はアウクシリアの聖女である我が妻が、両国の友好の証としてこの国の聖女も代行してくれています。なので現在はアウクシリアとこの国を行ったり来たりして勤めを果たしてくれている状態です。そもそも先程も言いましたが、妻は本来アウクシリアの『聖女』。なので何度も言うようで申し訳ありませんがそちらの要望にはお応え出来かねます。そもそもの話、そちらの国にはあなた方が召喚した『勇者』の他に『聖女』も居たでしょう?」
私の横に座っている赤い髪の男ーーこの国の宰相である夫のガラハットが私の代わりに口を開き、男に向かって淡々と言い返した。
あの国には既に『勇者』も『聖女』も居ないのを知っていて、素知らぬ顔でそれを言うのはさすがである。
「そ、それは……」
「まさか『聖女』まで居なくなったと?」
「い、いえ、我が国の聖女様は力の使いすぎで倒れてしまい寝込んでおられるのです。ですから聖女様の体調が良くなる間だけでもそちらの聖女様に力をお貸しして頂けないかと……」
落窪んだ目で縋るようにこちらを見てくるのが心底気持ち悪い。
こっち見んなと叫びたいのを抑えながら、私はにこりと男に向けて笑みを浮かべた。
男は色良い返事をもらえると思ったのか早くも笑みを浮かべている。
ーーほんと、馬鹿じゃないの?
「倒れるほど自国の聖女様を酷使しておいて、今度は他国の聖女まで酷使するおつもりですか?」
「なっ……!」
私の言葉に顔を赤くして怒鳴ろうとした男はしかし今度は顔を青くして開けた口を震わせながら閉じた。
恐らく隣の男が目の前の男に向けて威圧を放ったからだと思われる。
(さっすが竜人族。普段はいけ好かない旦那だけど頼りになるぅ~)
さてと、目の前の男を追い込みますか。
国がそんな状態となっている相手側は、やはり焦っているのか苛立っているのか……恐らくその両方だろう。
そもそもお願いする側の立場だというのも忘れて何故かこの国ーートライア・ドラグーン王国に対して横柄な態度を取っている目の前の男は、己の生殺与奪の権を元よりこちらが握っているという事を全くと言っていいほど理解していないに違いない。
「ですから!このような竜人だけで事足りるであろう国に『聖女』など必要無いでしょう!?」
確かにこの国は世界最強の種族である竜人族が多数を占める為、ちょっとやそっとの事で国が傾く事はまず無い。
無いのだが、だからと言って他国の関係ない人間に不要だと判断される言われは無い。
「そ、それでもダメだと仰られるのなら……そう、半年!半年だけでも良いのです!そちらの聖女様をこちらにお貸しして頂きたい!!」
「……あのですね、私はこの国から正式に依頼を受けてここに居るんですよ。なのでこの国の聖女様の代わりに今はここに居ますが、そもそも私はアウクシリアの『聖女』なのでアウクシリアでも勤めを果たさなくてはいけません。つまりアウクシリアとこの国を行ったり来たりしているんです。これでも忙しいんですよ、私。だから他所まで手が回りません。どうしてもと言われるなら他の国をあたっては?」
ノンブレスで言い切って疲れた。
しかも物の貸し借りのように言われてムカつくし。
おいテメェ、私はレンタル商品じゃねーんだよ。
するといまだ口を挟まず隣で黙って座っている男が、正面を向いたままさりげなく私の手を握ってきた。
さすが竜人族、番の感情に聡い。
「聖女様がお忙しいのは私共も充分承知しております!で、ですが!我が国が大変な今こそ!友好国であるアウクシリアとトライア・ドラグーン両国の力をお貸しして頂きたいと、そう申しておるのです!現在、我が国はほとんどの国から国交を断絶されておりますし……」
(あれ?アウクシリアってクェダットと断絶してなかったっけ?ってか、この国もクェダットの内情を知る為だとかで余計な事せずさっさと断絶すりゃ良かったのに)
唾が飛びそうなくらい勢いよく喋る目の前の男は、クェダット王国の2番目の王子だった……はず。
それなりに国が栄えていた頃は褐色の肌に金髪が映える美青年としてその美貌を持て囃され、お気に入りの美男美女に囲まれて優雅な生活をしていたようだが、今ではその美貌は見る影もなくなり老人とはいかないまでも実年齢より老けて見えるほどにはやつれて老け込んでいた。
頻繁に会うわけではなかったが、以前からたまにこういった会談や国同士の話し合いの場で顔を合わせると何かと絡んできては自分のハーレムに入らないかと遠回しに誘ってきたり、舐めるような目つきで人の体をジロジロ見てきたり、時には体に触れようとしたりして密かに抹殺したい人間リスト上位に入れていた。
その男の後ろで申し訳なさそうに立っているのはクェダットの前王の側近であり、国の唯一の良心であった前宰相だが、どうやら今のクェダットでは発言権もあまり無いようで、国内では目立たない存在となっているようだ。
それにあの枯れ木のような痩せ衰えた姿では近いうちに体を壊してしまうだろう。
はたして目の前の男はそれに気付いているのか……いや、己の事しか考えていないこの男に気付けと言う方が無理か。
そもそもこの男、10年前に『勇者召喚の儀』を行った王族の一人ではないかと裏で言われているのだ。
表立って処分された関係者以外にも関わった人間はいると言われていて、目の前の男も限りなく黒に近いグレーだという認識をされている。
「『聖女』は基本、1つの国に1人だけ。それが神が設けた決まり事です。我が国は数年前に高齢であった聖女様がお亡くなりになり、現在はアウクシリアの聖女である我が妻が、両国の友好の証としてこの国の聖女も代行してくれています。なので現在はアウクシリアとこの国を行ったり来たりして勤めを果たしてくれている状態です。そもそも先程も言いましたが、妻は本来アウクシリアの『聖女』。なので何度も言うようで申し訳ありませんがそちらの要望にはお応え出来かねます。そもそもの話、そちらの国にはあなた方が召喚した『勇者』の他に『聖女』も居たでしょう?」
私の横に座っている赤い髪の男ーーこの国の宰相である夫のガラハットが私の代わりに口を開き、男に向かって淡々と言い返した。
あの国には既に『勇者』も『聖女』も居ないのを知っていて、素知らぬ顔でそれを言うのはさすがである。
「そ、それは……」
「まさか『聖女』まで居なくなったと?」
「い、いえ、我が国の聖女様は力の使いすぎで倒れてしまい寝込んでおられるのです。ですから聖女様の体調が良くなる間だけでもそちらの聖女様に力をお貸しして頂けないかと……」
落窪んだ目で縋るようにこちらを見てくるのが心底気持ち悪い。
こっち見んなと叫びたいのを抑えながら、私はにこりと男に向けて笑みを浮かべた。
男は色良い返事をもらえると思ったのか早くも笑みを浮かべている。
ーーほんと、馬鹿じゃないの?
「倒れるほど自国の聖女様を酷使しておいて、今度は他国の聖女まで酷使するおつもりですか?」
「なっ……!」
私の言葉に顔を赤くして怒鳴ろうとした男はしかし今度は顔を青くして開けた口を震わせながら閉じた。
恐らく隣の男が目の前の男に向けて威圧を放ったからだと思われる。
(さっすが竜人族。普段はいけ好かない旦那だけど頼りになるぅ~)
さてと、目の前の男を追い込みますか。
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