姫の血縁

姫宮瑠璃

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異世界②

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4人をよくよく見てみると、年齢にばらつきがある。
最年長は50代前後、その次に30代後半くらいのさっきの怪しい男、そして、まだ声を発していない10代後半から20代前半の2人。
4人とも、結婚式の新郎かと言わんばかりの格好だ。
顔つきは元より、髪の毛や目の色も純日本人とは違う。

「それで、どうですか?私が話している言葉、分かります?」

また、最年長の男が同じ事を言った。
藤川真也が声を無くしたように何も言わないので、安堂康人が答えた。

「・・・はい。分かりますけど。」
「良かった。ちゃんと魔法の効果が出てますね。」

さっきから、何度か『魔法』という言葉が出てくるが、理解出来ない。
先程の血が消えた事も、『魔法』の所為なのだろうが、頭が理解してくれない。
そんな情報は現代日本には無いからだ。

「・・・あの。ところでは何処ですか?あなた達は、どういった方達なのです?」

姫小路裕美が意識不明、藤川真也が今使い物にならない以上、自分達が今どういった状況にいるのか、安堂康人は少しでも知りたかった。

「ここは、ヒメンダール。エンダール国の首都。そこのエンダール城です。
あなた方から言えば、異世界になります。」
「・・・異世界?」

先程の怪しい男が、ニコニコと愛想よく話し始めた。
年長の男はこの国の国王で、『ギルバート=フォン=エンダール』。
金髪にブラウンの瞳の美丈夫で、50代だと思ったが実際は42歳だった。
若い男のうちの明るいブラウンの髪にブルーの瞳の方は、第1王子の『ジルベルト=フォン=エンダール』で16歳。
赤髪にエメラルドグリーンの瞳の怪しい男が、宰相の『ニコラス=ライ=ベルローズ』で35歳。
赤髪にアクアマリンブルーの瞳のもう1人の若い男が、宰相の息子の『アラン=ライ=ベルローズ』で王子と同じ16歳。
目鼻立ちがはっきりしているせいか、4人共、年齢より年上に見える。

「・・・それで、元の場所にどうやったら戻れるか知りませんか?」

ーーー『魔法』だとか、『異世界』だとか、『王様』や『王子様』だとか。
ーーーもう、頭の中が『?』でいっぱいで、早く家に帰って休みたい。

「戻れません。」

安堂康人は返事に期待を持って、質問した。
だって『魔法』があると言うのだから。
なのにあっさりと裏切られた。
ショックで固まってしまった安堂康人は、不意に肩に手を置かれて、振り返った。
先程まで一言も発さなかった藤川真也が、硬い表情で立っていた。

「・・・なぁ、俺達夢を見てるのか?それとも、やっぱり死んでいるのか?」
「分からない。俺だって、そう思ってる。」

急によく分からない事に巻き込まれて、自分は痛い思いをし、友人は死んでしまうのではないかと思うほどのケガをしていた。
知らない人達に、知らない話。
ギリギリ、パニックになってないのは、『もしかしたら、夢なのかも』とほんの僅かでも思っているからだ。

「やだなぁ、そんな風に思ってたんですかぁ?夢でも死んでもいませんよー。
私があなた達を召喚したから、にいるんです。」
「「は?」」
「私があなた達を呼び寄せたんです。」
「じゃあ、アンタの所為でこんな目にあっているのか⁈」
「えぇ、そういう事ですが・・・こんな目とは?」

宰相のニコラスには、全く悪気が無いようだ。
藤川真也は、ニコラスの惚けた表情に苛立ちを覚えて、安堂康人の腕の中でまだ意識を取り戻さない姫小路裕美を指差し、叫んだ。

「こんな目だよ!」

すると、アランが父親のニコラスにそっと近づき、話しかけた。

「父上。お2人共、急な事で混乱されているのです。彼女も休ませてあげた方がよろしいかと。医師の手配もしないとでしょうし。」
「うむ。そうだな。一先ず、部屋を変えましょうか。」
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