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騎士
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ベルローズ公爵令嬢誘拐事件で、令嬢の魔法を間近に見た騎士達は、令嬢こそ「聖女の再来」だと思っていた。
ジルベルト王子が令嬢の事を『聖女の姪』と言っていたからというだけではない。
聞いた事は無いが何故か懐かしいメロディー。
どこまでも広がって行くような美しい歌声。
目を奪われるくらい眩く、優しい光の雨。
あの光景を奇跡のような、夢のように感じていた騎士達は後から、令嬢の魔法によって、地下にいた怪我をした騎士だけでなく、王都全ての人の傷や病が無くなったと聞き、さらに思いを強めた。
そんな聖女のような令嬢が、その聖なる行いの所為で、声が出なくなってしまったという。
自らを犠牲にして、他者を助ける。
正に聖女様と呼ぶに相応しい。
しかし聖女様がいらっしゃるのに、勝手に『聖女』と呼ぶのは恐れ多いので、騎士達はベルローズ公爵家の『ローズ』から取って、誰が言い始めたのか令嬢の事を『聖なる薔薇』と密かに呼んでいた。
「今日の聖なる薔薇の担当は誰だ?」
「ヴィンセントとロドニー。」
「またヴィンセント?」
「仕方ない、アイツは直接、薔薇を救い出したし、公爵閣下に直談判して専任みたいなもんだから。」
「明日は誰だ?」
「ヴィンセントと俺。」
「俺の番は?」
「さあな。順番来る前に公爵家に帰っちまうかもしれないし。」
「えー。・・・なぁ、警護2人じゃ足りなくないか?食事運んでる時、1人じゃ何かあったら連絡もままならないだろ?」
「そうだよなぁ。よし、午前、午後、夜の交代で2人づつ追加を団長に提案しようぜ!」
騎士の何人かが騎士団長に提案して4人体制に変わる前から、もう既に入れ替わり立ち代わり自主的に警護に当たっている者が多くいた。
だが、正式に増員が発せられると、何故か尚更自主的に向かう者が増えた。
「今日の薔薇はどんな感じだった?」
「一生懸命カードを探してさ、質問する時なんかコテンッて首を傾げるんだよ。可愛いよな~。」
「今日なんて、ちょっと拗ねて口尖らせちゃってさ。潤んだ目であんな事されちゃ、何でも言う事聞きそうになるよなぁ。」
「へー、いいなぁ。拗ねたところ見られるなんて。
俺はさー、お礼しようと、ちょこんと下げた頭を、つい撫でたくなって困るよ。その後の笑顔なんて、胸鷲掴みだよなぁ。」
「よし!俺も今から行って来よう!」
そうして日々、ベルローズ公爵令嬢の部屋の前には騎士が増え、警備がだんだん厳重になっていくのだった。
ジルベルト王子が令嬢の事を『聖女の姪』と言っていたからというだけではない。
聞いた事は無いが何故か懐かしいメロディー。
どこまでも広がって行くような美しい歌声。
目を奪われるくらい眩く、優しい光の雨。
あの光景を奇跡のような、夢のように感じていた騎士達は後から、令嬢の魔法によって、地下にいた怪我をした騎士だけでなく、王都全ての人の傷や病が無くなったと聞き、さらに思いを強めた。
そんな聖女のような令嬢が、その聖なる行いの所為で、声が出なくなってしまったという。
自らを犠牲にして、他者を助ける。
正に聖女様と呼ぶに相応しい。
しかし聖女様がいらっしゃるのに、勝手に『聖女』と呼ぶのは恐れ多いので、騎士達はベルローズ公爵家の『ローズ』から取って、誰が言い始めたのか令嬢の事を『聖なる薔薇』と密かに呼んでいた。
「今日の聖なる薔薇の担当は誰だ?」
「ヴィンセントとロドニー。」
「またヴィンセント?」
「仕方ない、アイツは直接、薔薇を救い出したし、公爵閣下に直談判して専任みたいなもんだから。」
「明日は誰だ?」
「ヴィンセントと俺。」
「俺の番は?」
「さあな。順番来る前に公爵家に帰っちまうかもしれないし。」
「えー。・・・なぁ、警護2人じゃ足りなくないか?食事運んでる時、1人じゃ何かあったら連絡もままならないだろ?」
「そうだよなぁ。よし、午前、午後、夜の交代で2人づつ追加を団長に提案しようぜ!」
騎士の何人かが騎士団長に提案して4人体制に変わる前から、もう既に入れ替わり立ち代わり自主的に警護に当たっている者が多くいた。
だが、正式に増員が発せられると、何故か尚更自主的に向かう者が増えた。
「今日の薔薇はどんな感じだった?」
「一生懸命カードを探してさ、質問する時なんかコテンッて首を傾げるんだよ。可愛いよな~。」
「今日なんて、ちょっと拗ねて口尖らせちゃってさ。潤んだ目であんな事されちゃ、何でも言う事聞きそうになるよなぁ。」
「へー、いいなぁ。拗ねたところ見られるなんて。
俺はさー、お礼しようと、ちょこんと下げた頭を、つい撫でたくなって困るよ。その後の笑顔なんて、胸鷲掴みだよなぁ。」
「よし!俺も今から行って来よう!」
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