姫の血縁

姫宮瑠璃

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特異①

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結局、公務があるという事で王妃様はお帰りになり、王太后様が残られた。
現在、3年生の教室の後ろに、お父様と一緒にいらっしゃる。
おかげで、教室の空気が張り詰めている。
気にしてないのは、お父様と王太后様だけだ。
今年入学した同じクラスの3年生は7人で、あとは昨年までにもう入学している生徒だ。
私のクラスは、全員で20名。
全員、貴族だ。
平民のクラスもあるのだが、属性持ちの商家の子供や、平民の学校で魔力が高いと推薦された子供が、希望して入学しているそうだ。
色々な分野でも、将来就ける仕事でも、学園に入っていた方が、より勉強、より良い職に就けるそうで、年々、平民の入学率が高くなっているらしい。
アンナも魔力が高いので、お父様が平民クラスに入学させた。
入学式が終わり、教室に案内され、担任の先生を待っているのだが、なかなかいらっしゃらない。
廊下で学園長と何人かの先生方が話している声が聞こえてくるが、それが更に教室の空気を凍らせていた。

「ボルト先生、いい加減、教室に入って下さい。」
「・・・い、嫌です。」
「あなたのクラスなんですから。」
「わ、私は、た、た、担任など、向いてないので、辞退させて下さい。」
「お願いだから、今日だけでも!」
「お断り、し、し、します!」

お父様、笑顔で絶対零度の空気を出すのを、止めて下さい。
始めに決まっていた担任は、王太后様が教室に来られると聞いて倒れてしまい、急遽呼ばれた先生が、担任を押し付けられて、逃げて行ったところだ。
しかも、2人目。
入学早々、王族と貴族が家族と共にいる教室に、担任が来ないという状況を避けようと思ったのだろうが、話が丸聞こえの時点で、すでに失敗だ。
バタバタと廊下を走って来る足音が聞こえた。
可哀想に、また、違う先生が呼ばれて来たのだろう。

「学園長、倒れた生徒がいると聞きましたが、何処に?」

おやおや、今度は騙されて連れて来られたらしい。

「ああ、先生、お願いがあるんです。」
「はあ。・・・それより、患者は?」
「ええ、患者は・・・先生が首を縦に振ってくれたら、皆助かります!」

学園長も、正攻法ではダメだったので、裏をかく方に切り替えるようだ。

「私のお願いを聞いてください!」
「はぁ、内容によりますが・・・。」
「いえ、先に返事してくれないと困るんです!
皆を助けて下さい!」
「いったい何があったんですか?」
「助けてくれるんですか?助けてくれないんですか?」
「まぁ、私に出来る事でしたら。」
「良かった!じゃあ、お願いします。」

教室の前方のドアが開けられて、学園長と医師のジョナサンさんが入って来た。
ジョナサンさんは、困惑顔だ。

「皆様、大変お待たせしまして、申し訳ありません。」

学園長が、顔の汗を拭きながら頭を下げる。

「皆様の担任を紹介いたします。こちらのジョナサン=ライト先生です。」

学園長が、ジョナサンさんに向けて拍手をする。
生徒や保護者達が、釣られる様に拍手をした。

「は?・・・え?」

ジョナサンさんは、状況が掴めずに、ポカンとしている。
その間に、学園長がどんどん話を進めていく。

「ライト先生は、今年から養護教諭に入られた先生で、光属性の授業も担当して下さいます。
皆様、何か困った事や聞きたい事があれば、担任のライト先生を頼って下さい。
では、私は失礼しますので、ライト先生、よろしくお願いします。」

学園長は言うだけ言うと、さっさと逃げる様に教室から出て行った。
ドアが閉まると、教室がシーンとなる。
ポカンと、学園長が出て行ったドアを見つめていたジョナサンさんは、ハッとしたように私達を見て、おもむろに1つ咳をした。
深呼吸をする。

「・・・えー。何でこうなったのか分かりませんが、このクラスの担任になったようです。
ジョナサン=ライトです。よろしくお願いします。」

ジョナサン=ライト先生は、私達を見回した。
そして、私を、お父様を、王太后様を見つけて、目を丸くした。
見つける順に、目がどんどん見開かれる。
状況を把握したらしい。
ライト先生は、大きく深呼吸をすると、開き直ったように私達に笑顔を向けた。

「では、自己紹介をしてから、校舎内の見学に向かいましょうか。」
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