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隠れ家③
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その言葉は、お世話になった邸を卒業する時、言われる言葉だ。
答えに当る人物が、お世話になった邸の主人でなくてはならない訳では無い。
この言葉は、合言葉であり、呪文なのだ。
もし、自分と同種の人間だと思う人物とコンタクトを取りたいと思った時の。
自分が主人と思う人物の敵か味方か。
敵であれば、何も起こらない。
味方であれば、痣が熱くなる。
同じ人物を主人と思っていれば、その熱さは火傷したかと思う程だ。
ブリギッテはグッと奥歯を噛み、調理補助見習いはサッと耳に手を当てた。
2人の思い浮かべる主人が同じ人物だった為、熱さによる痛みに襲われたからだ。
ちなみにブリギッテは、リリアにも同じ事をやっていたが、熱くなるだけで、焼けつく痛みにはならなかった。
つまり、リリアが思い浮かべる主人と、2人が思い浮かべる主人は違うが、敵では無いという事になる。
「・・・本当に同種の者なのですね。」
ブリギッテがそう言うと、リリアは満面の笑顔になり、調理補助見習いは恥ずかしそうに笑った。
「リリアに声をかけられた時には、すごく驚きました。」
リリアは今と同じように、お茶の準備をしに来て、調理補助見習いを見つけたそうだ。
「人違いではないか」と惚ける調理補助見習いに、「あなたも『紅の蕾』でしょ」と言ったという。
ブリギッテは、額に手を当て、溜め息を吐いた。
「本当にあの時は、生きた心地がしなかったですよ。」
調理補助見習いは、「ハハハ」と乾いた笑い声をあげた。
「・・・リリア、決まりを覚えてないの?あの言葉は、禁句よ?」
「覚えてますよ?
同種の味方になら、言っても大丈夫です。
もう、何人かに言って、試し済みです。」
リリアは、平然としている。
「・・・何人かって・・・、どこで?」
開いた口が塞がらない程呆れていたが、それよりも他の同種とリリアが接触しているのが驚きだ。
「学園で侍女を2人と騎士3人、国境の砦で兵士を2人。教会内で神官1人と、枢機卿の従僕2人に門兵1人。」
リリアは、指を折りながらニコッと笑った。
「そして、調理補助1人と、『聖女候補』の侍女と、私。」
「・・・まさか、その全員に、声をかけてるんじゃないでしょうね⁈」
「かけましたよ。
学園ではすれ違いざまに『紅の蕾』って言って確認したくらいですけど、テルニアに来てからは声をかけて確認してます。」
ブリギッテは、フラフラと倒れそうになり、近くのカートに手を着いた。
「・・・リリア。あなた、それがどんなに危ない事なのか、分かってないの?」
調理補助見習いは、側で苦笑している。
「だから、分かってますよ?
なので、同種でも、敵かもしれない人には声かけしてません。」
その言葉に、2人は目を丸くして、リリアの顔を見つめた。
「まだ、同種がいるのか⁈しかも、敵かもしれないって?」
「どうやって分かるのです?例の言葉を使ったのですか?」
2人は、リリアに詰め寄った。
「え?同種かどうかも、敵か味方かも、色で分かりますよ?」
リリアには、人や一部の物の周りに色が見えるらしい。
ヴァイロン子爵邸でタリアテリーヌから虐められているうちに、見えるようになったそうだ。
あまり接点のない大抵の人はクリーム色や黄色、自分に好意的な人は緑や黄緑、自分に恋愛感情を向けてくる人はピンクやオレンジ。
そして、敵対する感情を持っていたり、自分にとって不利になるような人は、赤や黒。
同種はグレーでその周りに先程の色がついて見えるらしい。
ちなみに、召喚者は青や水色の周りに先程の色がついているそうだ。
「いつ、何処で、同種の敵に会ったのです?」
「最近ですよ。ブリギッテ様も一緒に会ってます。」
ブリギッテは、ゴクリと音がしそうなくらい、緊張した顔で唾を飲み込んだ。
リリアの口元を凝視する。
「シオン様ですよ。」
答えに当る人物が、お世話になった邸の主人でなくてはならない訳では無い。
この言葉は、合言葉であり、呪文なのだ。
もし、自分と同種の人間だと思う人物とコンタクトを取りたいと思った時の。
自分が主人と思う人物の敵か味方か。
敵であれば、何も起こらない。
味方であれば、痣が熱くなる。
同じ人物を主人と思っていれば、その熱さは火傷したかと思う程だ。
ブリギッテはグッと奥歯を噛み、調理補助見習いはサッと耳に手を当てた。
2人の思い浮かべる主人が同じ人物だった為、熱さによる痛みに襲われたからだ。
ちなみにブリギッテは、リリアにも同じ事をやっていたが、熱くなるだけで、焼けつく痛みにはならなかった。
つまり、リリアが思い浮かべる主人と、2人が思い浮かべる主人は違うが、敵では無いという事になる。
「・・・本当に同種の者なのですね。」
ブリギッテがそう言うと、リリアは満面の笑顔になり、調理補助見習いは恥ずかしそうに笑った。
「リリアに声をかけられた時には、すごく驚きました。」
リリアは今と同じように、お茶の準備をしに来て、調理補助見習いを見つけたそうだ。
「人違いではないか」と惚ける調理補助見習いに、「あなたも『紅の蕾』でしょ」と言ったという。
ブリギッテは、額に手を当て、溜め息を吐いた。
「本当にあの時は、生きた心地がしなかったですよ。」
調理補助見習いは、「ハハハ」と乾いた笑い声をあげた。
「・・・リリア、決まりを覚えてないの?あの言葉は、禁句よ?」
「覚えてますよ?
同種の味方になら、言っても大丈夫です。
もう、何人かに言って、試し済みです。」
リリアは、平然としている。
「・・・何人かって・・・、どこで?」
開いた口が塞がらない程呆れていたが、それよりも他の同種とリリアが接触しているのが驚きだ。
「学園で侍女を2人と騎士3人、国境の砦で兵士を2人。教会内で神官1人と、枢機卿の従僕2人に門兵1人。」
リリアは、指を折りながらニコッと笑った。
「そして、調理補助1人と、『聖女候補』の侍女と、私。」
「・・・まさか、その全員に、声をかけてるんじゃないでしょうね⁈」
「かけましたよ。
学園ではすれ違いざまに『紅の蕾』って言って確認したくらいですけど、テルニアに来てからは声をかけて確認してます。」
ブリギッテは、フラフラと倒れそうになり、近くのカートに手を着いた。
「・・・リリア。あなた、それがどんなに危ない事なのか、分かってないの?」
調理補助見習いは、側で苦笑している。
「だから、分かってますよ?
なので、同種でも、敵かもしれない人には声かけしてません。」
その言葉に、2人は目を丸くして、リリアの顔を見つめた。
「まだ、同種がいるのか⁈しかも、敵かもしれないって?」
「どうやって分かるのです?例の言葉を使ったのですか?」
2人は、リリアに詰め寄った。
「え?同種かどうかも、敵か味方かも、色で分かりますよ?」
リリアには、人や一部の物の周りに色が見えるらしい。
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あまり接点のない大抵の人はクリーム色や黄色、自分に好意的な人は緑や黄緑、自分に恋愛感情を向けてくる人はピンクやオレンジ。
そして、敵対する感情を持っていたり、自分にとって不利になるような人は、赤や黒。
同種はグレーでその周りに先程の色がついて見えるらしい。
ちなみに、召喚者は青や水色の周りに先程の色がついているそうだ。
「いつ、何処で、同種の敵に会ったのです?」
「最近ですよ。ブリギッテ様も一緒に会ってます。」
ブリギッテは、ゴクリと音がしそうなくらい、緊張した顔で唾を飲み込んだ。
リリアの口元を凝視する。
「シオン様ですよ。」
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