キーンっておとがするの

三文小唄

文字の大きさ
1 / 1

キーンっておとがするの

しおりを挟む
りゅうじくんはおかあさんといっしょのふとんでねむっていました。

でもりゅうじくんは、なかなかねつけません。
とおくからキーンっておとがして、りゅうじくんはきになってねむれないのです。

「ねえおかあさん、このおとってなあに?」

りゅうじくんはおかあさんにきいてみることにしました。

おかあさんはうーんとかんがえると、

「どのおとがきになるの?」

とたずねました。

りゅうじくんは、

「キーンってするこのおと!」

そういって、みみをおさえるフリをします。

かあさんは、そのかっこうがおかしくて、ふふっと笑いました。

「そのおとはね、はたらきもののおとなんだよ」
「はたらきもののおと?」

りゅうじくんはききかえしました。

はたらきもの?
いったいそれはなんだろう。

「はたらきものは、はたらいてるもののことだよ」

りゅうじくんはおどろきました。
いつもならみんなねむってるこんなじかんに、はたらいてるものがいるなんてびっくりだったからです。

「はたらきものはだれなのー?」

りゅうじくんは、になっておかあさんにききます。

「それはね、テレビくんのおとだよ」
「テレビくん?」

テレビくんってテレビのこと?
でもたしかに、テレビからキーンっておとがします。

「テレビくんは、いつでもえいぞうをながせるようにまってるの。だからはたらきもの」
「そうなんだ」

テレビはリモコンでかんたんにつきます。それはテレビくんが、いつでもつけるようにはたらいてるからだったのです。

「じゃあ、このおとはー?」

りゅうじくんは、べつのおともきこえていました。
ブーンっていうおと。
かあさんは、りゅうじくんにやさしくおしえてくれました。

「それはね、れいぞうこちゃんのおとだよ」
「れいぞうこちゃん?」

れいぞうこちゃんってれいぞうこのこと?

「れいぞうこちゃんは、たべものをひやすためにがんばってるの。だからはたらきもの」
「そうなんだ」

れいぞうこをあけると、いつもつめたいジュースがはいってます。りゅうじくんはジュースがとってもだいすき。

「じゃあじゃあ、このおとはー?」

りゅうじくんはそとからきこえるおとも気になっていました。
じりじりじりっていうおと。
これもおかあさんがおしえてくれました。

「それはね、むしさんのおとだよ」
「むしさん?」

むしさんってむしのこと?

「むしさんは、コンサートのためにおんがくをれんしゅうしてるの。だからはたらきもの」
「そうなんだ」

むしさんは、いつかおおきなところでコンサートをひらくのがゆめなのです。そうしてじまんのおとでみんなをよろこばせたいのです。

「みんなはたらきものなんだね」
「そうなんだよ、みんなはたらきものなんだよ」

りゅうじくんも、なんだかはたらきたくなっちゃいました。

「おかあさん、ぼくもはたらきたくなっちゃったよ」

かあさんは、ふふっと笑いました。

「りゅうじくんは、おひるにいっぱいあそぶのがおしごとだよ」
「そうなの?」

りゅうじくんは、おひるにそとであそぶのがとってもだいすき。

「だからいまはたくさんねむっておこうね」
「わかった」

りゅうじくんは、もういっかいをつむりました。
たくさんのおとがきこえます。

テレビくんのおと。
れいぞうこちゃんのおと。
むしさんのおと。
おかあさんのいきをするおと。

りゅうじくんは、そのおとをきいてるうちにねむくなっちゃいました。

みんなはたらきもの。
りゅうじくんもあしたになったら、おそとでいっぱいあそぼうね。

だからきょうは、おやすみなさい。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です* 最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

ゆずことまほうのてがみ

結崎悠菜@w@
絵本
ゆずこはおかあさんもおとうさんもだいすきです。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。

桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。 それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。 でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。 そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。

ママのごはんはたべたくない

もちっぱち
絵本
おとこのこが ママのごはん たべたくないきもちを ほんに してみました。 ちょっと、おもしろエピソード よんでみてください。  これをよんだら おやこで   ハッピーに なれるかも? 約3600文字あります。 ゆっくり読んで大体20分以内で 読み終えると思います。 寝かしつけの読み聞かせにぜひどうぞ。 表紙作画:ぽん太郎 様  2023.3.7更新

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

処理中です...