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1.迷惑
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「和! 和臣! カズッ! いるでしょ!? いるよね?? ねぇ!!! カズッーーーー!! 開けろこら! 起きろ! 」
大きな声が響いた。
近くに山やたんぼがあるため、日中以上に夜は鈴虫や、かえる、夏の虫がこぞって鳴き、音が途絶えることはない。
その後には慣れてしまっているため、特にうるさいともなんともかんじないが、人間の大声は日常的ではない。
とてもうるさい。
時刻は真夜中と言ってもいいほどの早朝、日の登る時間まではまだあと少し猶予がある。農家ならばもう起き出している頃だろうが今の和臣はあいにく学徒という大義名分がある。
人が働いている時間に貪る睡眠の心地よさは格別だ。
昨晩はゲームをしていたら寝るのが遅くなってしまった。
睡眠時間は六時間以上取りたい。そうじゃないと頭が回らない。
二時ごろになって慌てて眠った。
目覚ましは遅めの10時に設定してふとんにもぐり込んだ。
そうして眠りについた数時間後、けたたましくドアを叩く音と、叫ぶように名前を呼ぶ声で目が覚めた。
非常識にも程がある!
無視を決め込もうにも自分の名前を連呼されているし、明らかに知り合いの仕業だ。
布団を頭から被り、まるまって無視を決め込もうとしたが、一向に帰る気配がない。
あまりにしつこい。
ちくしょう、どこのどいつだ!!! と怒りにまかせて体温でしっかりと温まった布団を跳ね除けた。
ドスドス足音を立てて廊下を歩き、玄関ドアを開けた。
街頭の少ない田舎特有の薄暗さは玄関の前に設置されているライトで打ち消されている。
「うるっせぇな! 誰だよ!! 今何時間わかってねぇのか!? ぁあ!? 近所迷惑だろうが! 怒られるのこっちなんだ……」
「……ぞッ……どうした」
怒りに任せて張り上げた声は目の前に立っていた人物の顔を確認して、尻すぼみに消えた。
「……なんか用?」
なおもドアを叩くつもりだったのか、握り拳を中途半端にかかげた女が顔をぐじゃぐしゃにして泣いていた。目元を中心にして周りがパンダみたいに赤くなっている。無頓着に一つにまとめられた髪もなんだかぐちゃぐちゃだ。
鼻は赤くなっているし、涙に髪がへばりついてみっともない。
大きな声が響いた。
近くに山やたんぼがあるため、日中以上に夜は鈴虫や、かえる、夏の虫がこぞって鳴き、音が途絶えることはない。
その後には慣れてしまっているため、特にうるさいともなんともかんじないが、人間の大声は日常的ではない。
とてもうるさい。
時刻は真夜中と言ってもいいほどの早朝、日の登る時間まではまだあと少し猶予がある。農家ならばもう起き出している頃だろうが今の和臣はあいにく学徒という大義名分がある。
人が働いている時間に貪る睡眠の心地よさは格別だ。
昨晩はゲームをしていたら寝るのが遅くなってしまった。
睡眠時間は六時間以上取りたい。そうじゃないと頭が回らない。
二時ごろになって慌てて眠った。
目覚ましは遅めの10時に設定してふとんにもぐり込んだ。
そうして眠りについた数時間後、けたたましくドアを叩く音と、叫ぶように名前を呼ぶ声で目が覚めた。
非常識にも程がある!
無視を決め込もうにも自分の名前を連呼されているし、明らかに知り合いの仕業だ。
布団を頭から被り、まるまって無視を決め込もうとしたが、一向に帰る気配がない。
あまりにしつこい。
ちくしょう、どこのどいつだ!!! と怒りにまかせて体温でしっかりと温まった布団を跳ね除けた。
ドスドス足音を立てて廊下を歩き、玄関ドアを開けた。
街頭の少ない田舎特有の薄暗さは玄関の前に設置されているライトで打ち消されている。
「うるっせぇな! 誰だよ!! 今何時間わかってねぇのか!? ぁあ!? 近所迷惑だろうが! 怒られるのこっちなんだ……」
「……ぞッ……どうした」
怒りに任せて張り上げた声は目の前に立っていた人物の顔を確認して、尻すぼみに消えた。
「……なんか用?」
なおもドアを叩くつもりだったのか、握り拳を中途半端にかかげた女が顔をぐじゃぐしゃにして泣いていた。目元を中心にして周りがパンダみたいに赤くなっている。無頓着に一つにまとめられた髪もなんだかぐちゃぐちゃだ。
鼻は赤くなっているし、涙に髪がへばりついてみっともない。
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