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はじまりの男と女
しおりを挟む夕暮れ時 仕事終わり
「えーとルイさんですか?」
「ナミさんです?」
男と女
「わかりやすい目印だと思ったんですが、難しかったですか?」
「いえ、非常にわかりやすかったんですが、緑の服があまりにもその、、見回りの人っぽかったので驚きました」
「目立つ服がこれだったんですよね」
「あまりに目立ちすぎて今後その服じゃないとルイさんのこと認識できそうにないです」
「顔の造形が目立たないんですよね」
「こうやってネットで人と会うことってあります?」
「人見知りのたちなのであまりないですね」
「私もです。。ただ特にやり取りもないのにさらっときてくれたので」
「人見知りでも寂しがりもいるもんです。ここが予約してたお店です。個室なので感染対策もされてるかと」
「人見知りでも個室なんですね」
「人見知りだからこそ個室です。逃げ道は無くします!田中です。2名です」
「初対面で会社の時第一声って緊張しますよね」
「あ、寧ろ会社ならオンモードなので話しますよ。あ、接客じゃないんですっけ」
「そうなんですよ。あ、私も話の最初に"あ"ってつけるタチです」
「あ、これバレると恥ずかしいけどやっちゃいますよね。こういうところに人は出る」
「何か頼みます?取り敢えず飲み物」
「烏龍茶で」
「烏龍茶2つください」
「酒提供はやっぱりないんですよね」
「緊急事態宣言で、接客減りましたか?」
「んーあんまり変わらないですね。時短にしたことでお客さんがより密になり、人数減らしたことにより給料減って仕事が増えました」
「私は接客業じゃないので、ある程度リモートで、、ルイさんのとこは取引先とかありますか?」
「ありますが、そこまで深く話さないですね。基本お客様です」
「ぶっちゃけ何の仕事で?」
「何でも屋です」
「え!」
「何でも屋か!みたいな色んなことを頼まれて断れない仕事です」
「はぐらかしですね」
「まだ心開いてません」
「あ、ありがとうございます、、なら乾杯しますか?」
「「かんぱーい」」
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