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一章

四話 男の子の写真

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メイは泣き疲れたのか先に寝てしまった。
残されたアカリはというと、
(メイちゃん。寝顔かわいいな
スマホがあれば写真撮ってたのに)
残念そうに思っていた。

「私も眠いし寝ようかな」
アカリは寝た。

しばらくしたら、
メイが目を覚ました。
まだ外は真っ暗だ

(喉乾いたな)
メイは水を飲みに部屋を出た。
するとジョンが、椅子に座って
何か考え事をしているようだ。

「何してるんですか?」
メイは質問をした。
能力を使えばわかるけど
話をしてみたかった。

「おぉ、メイちゃんか
ちょっと昔の思い出をな…。」

(私たちと会ったから何か思うところがあるのかな)
メイは疑問に思った。

「喉でも乾いたろう
水でも飲むといい」
ジョンはそう言うと、水をくれた

「その水を飲んだら、貸した部屋から写真を持ってきてくれないか?
写真は一枚しかないから
わかりやすいだろう」

メイは頷き、部屋に戻った。
頼まれた写真を見ると
誰かに似ているような気がする
昔見たような…。
今考えても仕方ないので
ジョンに持っていった。

「ありがとう」
ジョンはそう言うと話をした
「昔、俺は走るのが苦手だった。
走る楽しさを教えてくれたのは
あいつさ」

あいつとは、ジョンの親友のことだろう

「あいつは、何でもするやつだったな
何でもできるって訳じゃなかったから色んな事をしてた
何かに取り込むあいつは、すごく楽しそうだった……。」

私は、話を聞いているうちに眠くなった。
聞きたかったことがあったが
睡魔には勝てなかった。

「メイ、こんな話に付き合わせ悪かったな
明日は楽しみにしときな
また明日な、おやすみ」
男は少し残念そうだった

部屋に戻り、再び眠りについた
夢をまた。
男の子が私の面倒をみてくれている夢
もう一度、いや、何回も見たい
優しさに溢れた夢
メイは幸せそうに眠った。
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