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一章

六話 デート

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ジョンが仕事に向かった
私たちは二人になった
「どうしよっか!」
アカリはいつも以上に嬉しそう。
ジョンのことは嫌っては無いだろうが
この状況が嬉しいらしい。

「とりあえずどこかで着替えて
街周ろ」

「デート!!」
アカリは嬉しそうに言った。
私は少し、恥ずかしかった。

着替えた後、二人は街を歩いた。
いろんなものがあった
アクセサリー屋、本屋、飲食店、
元いた世界とあんまり変わらない。

「なんか、私たちがいた世界と
変わらないね」

「違うところも……。ちゃんとあるよ」
その違うところは、
皆んな能力を使って働いてるところだ

「確か、この世界って好きなものが能力になるんだよね?
ってことは、皆んな好きな事を活かして仕事にしてるってこと!?」

皆んな楽しそうに働いていた。
メイは考えていた
(私は、嫌いなことが能力になったのに…。どうして?)

「何ぼーっとしてるの…?
大丈夫?体調でも悪くなった?」

「……。大丈夫だよ。
歩こ」

「うーん、なんか疲れてるっぽいから
あそこのお店はいろ!
お腹減ったでしょー
私が奢ってあげる!!」

(ジョンから貰ったお金でしょ)
心の中でツッコミながら
二人は飲食店の中へ入った。

席についた私たちは
テーブルの上にある
メニューを見て注文した
どれも、見たことないものばかりだ。

「メイちゃん決まった?」

「うーん、後もう少し……。」
メイは悩んでいると
「私決めていいー?
美味しそうなの見つけた!」

悩んでいても仕方ないと思い
「いいよ」
って言うと

「すみませーん!」
と、アカリは手をあげ店員さんを呼んだ。

「これと、これくださいー。」
(何を頼んだのだろう…。)

しばらく待っていると料理がきた
とても食欲が湧くような見た目な料理ではなかった。

「これ本当に食べるの……。」
「こう言う見た目の方が、異世界の料理みたいだなって!
勇気出して食べてみよ!」

「いただきます……。」
「いただきます!!!」

二人は勇気を出して
料理を口に入れてみた。

(お、美味しい……。)

「美味しいね!
挑戦あるのみだね!」
アカリはニカーって笑顔で言った後

「元気出た?
そろそろ違うところ見に行こうよ!」

「そうだね。
ありがとう」

「どーも!感謝しなさい!!
お会計してくるから
外で待ってて!」

アカリに、そう言われ外で待った。
風が吹いていた。
とても心地の良い風だった。
次はどこ回りたいかな?って思っていると

「そこの可愛いお嬢ちゃん何してるのー?」
女の人の声だったから
すぐアカリだとわかった。

「男の人だったら怖かったかも」

「だよねー
なんかまたボーッとしてたから
驚かそうかなって」

「悩み事なら聞くよ」
アカリはそう言った。

「大丈夫だよ。次行きたいところ考えてただけだし」
メイは能力のことを考えながら
答えた。

「そっか、じゃあ次はアクセサリーでも見ようよ
お揃いの買いたいな」

アクセサリーの店を探した。
すると、老けた女の人が
「そこの可愛いお二人さん。
うちの店見ていかないかい?」
と声をかけてきた。

「なんのお店ですか?」
あかりは尋ねると

「綺麗な髪飾りのお店だよ」
と、老けた女の人が答えた。

「アクセサリー!!
この店見ていこうよ!」

「そうする。」
二人は、老けた女の人について行き店の中に入ると
綺麗な髪飾りがいっぱい並べられていた。

「どれがいい?今なら安くしておくよ」

「なんで?」
あかりは聞いた。

「そろそろこのお店畳もうと思ってね。
そろそろゆっくり暮らすつもりさ」

二人は納得した。
きっとこの店は一人で切り盛りしていた
一人で暮らすのには、
贅沢しなければ充分収入はあるのだろう。

「まあワシの話はともかく
気に入ったものはあったかい?」

「……。私これがいい」

メイは、青い花がモチーフとなった
髪飾りを選んだ。

「娘さん、いい趣味してるね」
老けた女の人に褒められた。

「綺麗ー……。私もこれがいい!!」
そう言いアカリは料金を支払った。

「ありがとね。最後にいいものを見れたよ
ワシは店を畳ますかね」

「せっかくなんで私も手伝います!」
「わ、私も……。」

「ありがとねぇ…。助かるよ。」

手伝いをし、老婆は店を畳んだ。
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