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二章 

三話

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アカリとジョンは家に帰ってきた。
「お疲れ様」とジョンは言った。
「うん」とアカリは一言だけ言った。
「寝てないのもあるし、疲れてるだろ、今日はもう休もう」
ジョンはアカリを気にかけた。

「ごめん。ありがとう。今日は休むね」
アカリは自室に入って行った。

「俺も家に帰るからな。明日また来るからな」と言いジョンは帰宅した。

アカリはベッドの上で
「メイちゃん、ごめんね。
もっとしっかり気にかけていたら……。」
と呟き眠りについた。

 アカリは夢を見た。
そこにはメイがいた。
夢の中のメイは
「お前も悪いんだよ」と言った。

アカリは飛び起きた。
心臓が激しく動いているのがわかる。
汗もびっしょり。
「スゥ……。ハァ……。」
アカリは深呼吸をした。
少し時間が経った。
落ち着いた。そしたら涙がでてきた。
アカリは自身を責めた。
力になれなかったこと。
悔しかった。

「ごめんなさい……。
私にできること、あったよね」

泣いた。
「待っていたのに……。
もっと私を頼って欲しかった。」
そう呟いたあと、
怒りも込み上げてきた。

「待ってるって言ったじゃない!!
頼って欲しかったのに!
自殺は誘えたのに、これくらい出来ないの!?」
近くにある物を投げた。
ガシャンと虚しく響いた。

(落ち着こう。深呼吸……。深呼吸……。)
「スゥ……。ハァ……。」

「メイちゃん大丈夫かな。
お腹空いてないかな
まさか、死んでないよね……。」
心配事が頭に過ぎる。

アカリは二人で写った写真を見て
昔のことを思い出していた。
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