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二章 

九話

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時は戻り

「玲は前から自分の気持ち言わなかった。
私、信用されてないのかな……。」
アカリは悲しかった。

考え事をしていたのは夜中だったので眠った。

次の日の朝、
ジョンが「アカリちゃん来たぞ、体調は大丈夫か?しっかり寝たか?」
と心配した様子で家に来た。

「ありがとう。しっかり寝たよ」
とアカリは返答した。

「今日はどうする?」
ジョンは質問した。
「うん、街で張り紙でもしてみようと思う。」

「張り紙か!いい案だな!善は急げだ!
早速街へ行くぞ!」
ジョンはそういうと、アカリを連れて
2人で街へ出た。

街へ向かう途中
「そういえば、この写真複製できるの?」
アカリは疑問だった。

「できるさ!増やすのが好きなやつも
この世にはいるぞ!」

「そういえば好きな事が能力になるんだよね」

「そうだぞ、みんな好きな能力を生かして
楽しく暮らしている。」

(メイちゃんがいない私は……。)
アカリはメイが居なくなって、
生きている理由が分からなくなっていた。

「どうかしたか?」
顔を顰めていたアカリを見て
ジョンは言葉をかけた。

「メイがいない私は……。」
と悩みを話した。
「大丈夫!すぐ見つかるさ」
不安にさせないよう笑顔を見せた。
「うん、そうだね。がんばろ」

街へ着き。複製できる能力の人の所へ向かった。

「要件はなんだい?」
20代くらいの若い男の人がいた。

「この写真を複製して欲しいんだ」
と言い写真を見せた。

「ふーん、別にいいけど
目的はなに?」
「実は……。この子を探す為に張り紙をしようと思って。」
と写真を見せた。
「優しそうな子だね。
ちゃんと見つかるといいね。
わかった強力する」
と言い男の人は能力を使った。

(これで探すの楽になるといいんだけど……。)

「これで探すの少しは楽になるな!」
「うん」
と不安げに、返事をした。
「大丈夫!前向きに考えようぜ!」
「そうだね。見つかる!」

会話してたら複製が終わったようだ。

「その優しそうな子探すの頑張ってね。
応援しているよ」
「はい!ありがとうございます!」
と深々とお辞儀をし、お礼を言った。

張り紙を貼っているとジョンは
「アカリちゃん」と呼んだ。
「何?」と返事をすると
ジョン話を続けた。
「どうしてそんなに、メイちゃんの事が好きなんだ?」

「うん、とても優しいんだあの子。
理由はそれだけ」と満面な笑顔で応えた

「そうか、大事だよなその理由」
深くは聞かなかった。

「でもな、少し過保護じゃないか」
「過保護?私が?」
アカリはキョトンとした。
「見てて思うんだ。
何でもアカリちゃんがやっている様な気がして」
「だって、前の世界で虐め受けてたんだよ。あんなに優しい子なのに可哀想じゃない。
だから私が守ってあげなきゃ」
「それじゃ、本人の為にならないだろ」
ジョンは少しきつめに言った。
「じゃあ、どうすればいいの……」
アカリ落ち込んで聞いた。
「簡単な話さ、本人が成長する様、手助けするんだ。
成長してくれた方がアカリちゃんも嬉しいだろ」
アカリは考え、出た答えは
「そうだね。また一緒になれたら
そうしてみる」
「素直な子だな。偉いぞ。」
「だってメイちゃんのためだもん」
アカリは力強く答えた。

張り紙を貼り終えた。
アカリは
「少し寄りたいところあるの
着いてきてもらっていい?」と言った。

ジョンは
「いいぞ」とだけ答えて
その場所へ向かった。








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