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二章 

十話

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書物屋に着いた。
「早速入ろ」
「そうだな。
何か知りたいのか?」
「うん、ちょっと気になることあって」

アカリは扉を開けて
2人は中へ入った。

「また来てくれたんじゃの
ゆっくりしてって」
老人は嬉々とし迎え入れてくれた。

「今日は、もう1人の娘さんはいないのかの?」
老人は疑問に思った。
「うん、ちょっと訳ありでいないの」
アカリは悲しげの顔をして言った。

「そうか。聞かせてくれてもいいかの?」
「実は……。」
アカリはその訳を話した。

「そうか……。大変じゃったの
無事に帰ってくると祈ってるよ。」
老人の顔は寂しそうだった。

「お爺さん何か知ってる?」

「そうじゃの。
最近この街は優しい子が減ってるってことじゃの。」

「どうして?」

「優しい子は、人間関係に耐えられずに
この街から居なくなってしまうのじゃ……。
ワシは悲しい」

「メイちゃん……。」
アカリは口を開く事ができなかった。

「それと同時に、最近森に魔物が増えたんじゃよ。
何か関係あるのかのぅ
あの娘さんも……。」

「それ以上は止めて」

「悪かったのぅ。
お詫びにいい知らせがわからないけど
情報を一つ教えよう」

「何?」

「最近この街のギルドで
その森に調査に行く人を募集しておるのじゃよ。
お嬢ちゃんも参加してみたらいいぞ」

「私、メイちゃん見つけられるかな」
アカリは不安げに聞いた。

「きっと見つけられる。
お前さんならできる」
老人は、アカリを励ました。

「早速ギルドに行ってみるね!
色々教えてくれたり、励ましてくれてありがと!」

「後一ついいか?」

「ごめん、また今度聞くね!
善は急げだから!!
ジョン早速行こ!」
と元気よく言うとお店を出て行った。

「お爺さん、忙しい娘でごめんな。」
「いいんじゃよ。
そなたもしっかり見守ってあげるんじゃよ」
「おう!」

「ジョン何してるのー?
早く行くよー!」
と手を振りながらジョンを呼んだ。
「はいよー!」
と言いジョンもお店を出た。

2人がいなくなったあと、
老人は1人呟いた。
「これも伝えたかったのぅ。
能力は変わる事もあるんじゃよ
まあ、あまり関係のないことかの
フォッフォッフォッ」


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