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二章 

十一話

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2人は早速ギルドへ行くと
閉店という看板がぶら下がっていた。
気づけば夕暮れ時だ。

「結構時間経ってたんだね」

「張り紙して、書物屋行ったからな
今日は帰って休もう」
と言い2人は帰宅した。

アカリを家に送ったあと
「また明日捜索しよう」
といい自宅へ帰って行った。

夜、アカリは家で休んでいると
扉の方から
「誰かいませんか?」
という声が聞こえた。

「はーい」といいでていくと
そこには少年が立っていた。

「あ、いたいたー!
張り紙を見て来ました!」
少年は言った。

アカリは驚き食いつくように
「メイちゃんのこと何か知ってるの?」
と尋ねた。

少年は
「見かけたんだー。
その子が森に向かっていくところー」
と言った。

「森って危ないところだよね?
その人は1人だった?」

「1人だったよ」

「そんな……。」
アカリは呆然とした。

「諦めたらだめだよ。
まだ、死んだって訳じゃないと思う」

「そ、そうだよね。
私、男の子にも励まされて情けないね
……。」

「そんなことないよ。
大丈夫。きっと見つかる
応援してるよ」
少年の声はアカリを元気付けた。

「情報教えてくれてありがとう
また何かあったら教えてね」

「わかったよ。
出来るだけ協力するから安心して
今日はもう、暗いからまた明日にするんだよ」
少年はそういうと、どこかへ行ってしまった。

「ありがとう。必ず見つけるね
明日はギルドにでも行ってみるか!」

元気付けられたアカリは
腰に手を当て声に出して独り言を言った。

しばらく離れた後
少年は
「さてそろそろいいかな」
といい変身をといた。
その姿は異世界の案内人だった。

「少年の姿も悪くないけど
元の姿が落ち着くな。
さて、力になれたかな?
後は自分の力でやらないと
お互いの為にならないからね
あの子を救ってあげてくれ」
と呟き。死の世界へ帰って行った。

次の日アカリは
「今日は1人で反省をして街へいきます!
今の私じゃ、メイちゃんに会ってもまた同じ事繰り返すだけ!
これもメイちゃんのため!」
と自分には言い聞かせた。

「私今までメイちゃんのこと考えて
行動したことあったかな」

「全部私がやりたいようにやってたような
メイちゃんの意見聞いてなかったかな」

「でもあの時、ちゃんと言ってね
とか待ってるって言ったよね」

そう独り言言っていると苛立ったアカリがいた。

「そうよ!ちゃんと待ってるって言ったじゃない!頼らなかったのは向こうだよ!
次会ったら言ってやるんだ。
何でちゃんと頼らなかったって、
言ってやるんだ。怒ってやるんだ」

ーー逃げてばかりいないで
   ちゃんと物事と向き合えってーー


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