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溢れバレル魔力?!
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朝、窓からの木漏れ日で目を覚ますと外に出て太陽を仰ぎ見ながら眼を瞑って何度か深呼吸をする。
外に出たついでに自作の地面を深くまで掘って穴の上に椅子を取り付けただけのトイレでゆっくり用をたし
ついでに井戸からバケツ一杯の水を持って帰り、顔を洗う。朝食は昨日畑から取っておいた野菜らを生で食べるだけ。
そうして腹が満たされた後は畑に行きゴブリン達に荒らされていないか見回る。
これが俺の朝の日課。このサイクルを俺は物心付いた時から狂わせたことはない。
今思えばこの日からだろうか。俺の人生が変わり始めたのは。
この日もいつもの様に晴れていて外に深呼吸をしに出るとポストの中に一通の手紙が入っていた。
初めて見るようなかしこまった封筒で封蝋されてあった。誰からか見てみるとネブライカ魔法学校と書かれていた。
「魔法学校様が俺のところに手紙だなんて。寄付でもしろってか?」
特に中の手紙に期待をせずに封を開け手紙を取り出した。
{この度、エルディス様は我が校に入校するに相応しい魔力を有していると我が校は判断しました。よってあなたはネブライカ魔法学校に入学する権利が与えられました。}
予想にもしていなかったような内容で思わず顔から笑みがこぼれてしまった。
「なんと…?!魔法なんて使ったことない俺にそんな溢れバレル程の魔力があったなんて。」
ワクワクしながら続きを読んでいると俺の顔は次第に絶望の顔になっていった。
「なんじゃこりゃああ!!入学金だけで40000イールだなんてふざけすぎやろ!しかも授業料が毎月5000イールとか。どんな坊ちゃん学校やねん。誰が行くかよそんな学校…」
あまりにも高額で親がいない俺には到底払える訳なかった。
瞼から零れしまいそうな涙を拭きながら、ふと目次欄に目をやると特別手当という項目があった。
{特別手当:ネブライカ魔法学校はネブライカ王国防衛省所管の学校である。よって在学中に軍の訓練を含む特別カリキュラムを熟す他、卒業後の入軍を確約する者には、ネブライカ魔法学校でかかる一切の費用を国が負担する。}
「おぉぉ、、、おおおおおおおお!!?」
あまりの嬉しさに声を震わし、紙を片手に万歳をしていた。
「これは行くしかないな!ずっと農民してた俺にこんな転機が来るなんて誰が予想しただろう?!」
ンフゥ~ンンン~~~!
俺は鼻歌を歌いながら特別手当&入学希望用紙にサインをした。
「ありゃ?」
描き終えると用紙は一瞬で真っ白にになり新しい文字が浮き出してきた。
{明日使者が迎いに参りますので、それまでに支度を澄ましてください}
「おどろいたぁ~、、明日迎えに来るとは随分と急だな。まぁ友達とかいないから別れの挨拶とかいらない俺にはちょうどいいけど。」
外に出たついでに自作の地面を深くまで掘って穴の上に椅子を取り付けただけのトイレでゆっくり用をたし
ついでに井戸からバケツ一杯の水を持って帰り、顔を洗う。朝食は昨日畑から取っておいた野菜らを生で食べるだけ。
そうして腹が満たされた後は畑に行きゴブリン達に荒らされていないか見回る。
これが俺の朝の日課。このサイクルを俺は物心付いた時から狂わせたことはない。
今思えばこの日からだろうか。俺の人生が変わり始めたのは。
この日もいつもの様に晴れていて外に深呼吸をしに出るとポストの中に一通の手紙が入っていた。
初めて見るようなかしこまった封筒で封蝋されてあった。誰からか見てみるとネブライカ魔法学校と書かれていた。
「魔法学校様が俺のところに手紙だなんて。寄付でもしろってか?」
特に中の手紙に期待をせずに封を開け手紙を取り出した。
{この度、エルディス様は我が校に入校するに相応しい魔力を有していると我が校は判断しました。よってあなたはネブライカ魔法学校に入学する権利が与えられました。}
予想にもしていなかったような内容で思わず顔から笑みがこぼれてしまった。
「なんと…?!魔法なんて使ったことない俺にそんな溢れバレル程の魔力があったなんて。」
ワクワクしながら続きを読んでいると俺の顔は次第に絶望の顔になっていった。
「なんじゃこりゃああ!!入学金だけで40000イールだなんてふざけすぎやろ!しかも授業料が毎月5000イールとか。どんな坊ちゃん学校やねん。誰が行くかよそんな学校…」
あまりにも高額で親がいない俺には到底払える訳なかった。
瞼から零れしまいそうな涙を拭きながら、ふと目次欄に目をやると特別手当という項目があった。
{特別手当:ネブライカ魔法学校はネブライカ王国防衛省所管の学校である。よって在学中に軍の訓練を含む特別カリキュラムを熟す他、卒業後の入軍を確約する者には、ネブライカ魔法学校でかかる一切の費用を国が負担する。}
「おぉぉ、、、おおおおおおおお!!?」
あまりの嬉しさに声を震わし、紙を片手に万歳をしていた。
「これは行くしかないな!ずっと農民してた俺にこんな転機が来るなんて誰が予想しただろう?!」
ンフゥ~ンンン~~~!
俺は鼻歌を歌いながら特別手当&入学希望用紙にサインをした。
「ありゃ?」
描き終えると用紙は一瞬で真っ白にになり新しい文字が浮き出してきた。
{明日使者が迎いに参りますので、それまでに支度を澄ましてください}
「おどろいたぁ~、、明日迎えに来るとは随分と急だな。まぁ友達とかいないから別れの挨拶とかいらない俺にはちょうどいいけど。」
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