魔法学校生活なめてました。退学させてください。

すべてはアマゾンの為にッ

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銀髪少女!幼女界のクイーン、ヘイミア

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次の日、いつのまにか眠っていたようだ。いつもの様に顔に被る木漏れ日で目を覚ました。

外に出て、深呼吸を何度かするとトイレに行った。


「このトイレを使うのも次はいつになるのやら。しばらくこの家ともお別れだな。」


しばらくトイレで感傷に浸って帰ると黒いマントを羽織った長い銀髪の少女が俺の家をノックしているのが見えた。


「エルディスさ~ん。いませんか?ネブライカ魔法学校の者ですが。」


ちょっぴり高く可愛い声で何度も訪ねるその姿は正に幼女界クイーンといってもいいだろう。

俺はすぐには返事をせずに唾で眉毛や髪形などを整え、小走りに銀髪少女の元へ行った。

そしていつもとは違う渋めの自分が持てる最大のイケボで呼びかけた。


「すいません。ちょっと外に出かけていました。いかにも私がエルディスですが。」


ドアを向いていた銀髪少女は俺の方へ振り返った。

揺れ動く長い銀髪とともに優しい匂いが漂った。


「あら!そこにいたんですか。初めましてこれからあなたの担任になるヘイミアと申します。よろしくです!」


「おぉぅ………」


一瞬、俺は息が詰まった。


振り返った銀髪少女の顔は「トロールとゴブリンのハーフです」といえば誰もが信じるだろうものだったのだ。


「あら。緊張しちゃっているのですか?可愛いお方ですね。クスッ」


ヘイミアは手で笑った口を隠すように笑った。


「え、ええ。農民していると人と話す機会があまり無くてですね。。。」


俺は頭を掻き、下を向いていた。

(くそおおおおおお!なんで俺がコミュ障みたいな感じになってんの??お前のせいだよお前の。)


「そうなのですかぁ~。でも今日からは学校のみんなと生活するので慣れるようにファイトです☆」

か、声、可愛い…。たぶん見間違いだな。そうに違いない、こんなかわいい声の持ち主だ。俺の目がおかしかったんだな。


視線を下から上に戻し、もう一度ヘイミアの顔を確認した。


「ふぁあああああああああ!」


おれは両手で目を塞ぎ、身をよじった。

「だ、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。ちょっと目にゴミが。」


「そうですか。すごい痛そうですね…。」

そういってヘイミアは苦しそうにする俺の頭を背伸びをしながら、ポンポンと軽くたたいた。

「痛いの痛いの飛んでいけぇ~☆☆」


「ありがとうございます。なんか照れますね。」

俺は塞いでいた両手を戻そうとすると、背伸びしたヘイミアの顔が至近距離だったため、また叫んでしまった。




そんなこんなで色々あり、やっと落ち着いた俺は外で立ち話もアレだと中にヘイミアを入れた。




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