死神代理人

古波蔵くう

文字の大きさ
上 下
2 / 8
Episode.1

〈2〉死神になった【天乃side】

しおりを挟む
 我の名は、龍神天乃。我はとあるアニメの影響を受けて、死神オタクになった。どれぐらい死神オタクかというと、死神に会って命を奪われたいぐらい好きだ。しかし、現実世界もそう甘くは無く死神に合うことすら無かった。
 だが、ある日。我は会った。本物の死神に。我が下校時に、高層ビルが立ち並ぶ街を歩いていると、黒いケープコートに鎌を持った人がいた。
《あの持ってるモノ……そして服装……完全に死神だ!》
我は初めて本物の死神に会えたことが嬉しくて、後を追ってしまった。
 交通網の多い道路。死神はなんの躊躇も無く、飛び交う車をすり抜けていく。当然歩いている人には見えていない。我だけに見えている。死神は向かいの道路に経つと、ゲートみたいなものを開き出した。
《あれが……死神界と繋ぐ扉》
我は死神界を繋ぐゲートしか見ていなくて、つい見落としていた。ここは飛び交う車の車道。我は車道に飛び出していた。そして我は大型トラックに轢かれ亡くなった。しばらく我は意識が無かった。我が目を覚ましたのは、暗い空間だった。
「ここは……どこだ?」
我が呟くと
「ここは死神界だ!」
偉そうな口調の声が聞こえる。
「どこにいる?……姿を現せ!」
我は声だけする奴に姿を現せと、命令する。
「大魔王に向かって……この度胸、貴様は人間か?」
声だけの奴は我を人間だと、見破った。
「人間だと答えたら、我に何をする?」
我は声だけする大魔王と名乗る人物に問いかける。
「貴様の命を奪って、大魔王である俺様の寿命になる!」
大魔王と名乗る人物は我の命を奪い、寿命にしようとしている。
《ここは、我が生きるためにも嘘をつかないと!》
我は嘘をつくことにした。
「我は人間ではなく、最近新しく入った死神です」
我は新入り死神と嘘を言った。
「そうか、それは滅相も無い……今日はどれだけの人間の命を奪った?」
大魔王と名乗る人物が問いかける。
「我は今日が初日なので奪っておりません……」
我は嘘は膨れてしまった。
「なら、貴様に死神の鎌と黒いケープコートを与えよう!それで頑張りたまえ!」
大魔王は子分の死神に頼み、鎌と黒いケープコートを貰った。
 数週間後。我は一人の男性の命を奪いに来た。
大魔王からは
「病気などで亡くなった人の命は奪ってはならない!自殺や殺人事件、死刑囚の命を奪って来ることだ!」
と。指示された。我はこの男性が自殺する姿を見た。しかし、時を止めるのが早すぎた。男性は死の十五秒前で止まってしまった。そしてその男性は我が死ぬ前に付けていたヘッドドレスを持っていた。死神界に行くためのアクセサリーだ。両端に鎌がデザインされている。その男性は毒島待雪
という名前だった。
しおりを挟む

処理中です...