死神代理人

古波蔵くう

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Episode.1

〈3〉代理人就任

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 高層ビル前。俺は今、天乃に見つめられている。
「毒島……なんか未練あるでしょ?」
天乃が口を開いた。
「ねぇよ……」
俺は顔を下に向け、言った。
「我は何も言わない……未練を話せ」
天乃は鎌を床に置き、正座する。
《この死神は、俺に何をして欲しんだ?》
俺は、口を開く。
「俺は、いじめてたヤツらを殺したいほど憎いんだ!特に……上智永久と大岩達海、大山川盛流が!あの主犯格三人を地獄へ送ってやりたい!けど……殺したら、俺は刑務所に入って三人の命を奪ったら死刑囚になる……だから、いじめに耐えるぐらいなら死んだ方がマシだった。」
俺の未練は主犯格三人を殺すことだ。
「生きていたら、捕まるかもしれない……けど、貴方は死んでる……殺しても罪にはならない……」
天乃は俺の未練を聞いてそう答えた。
「俺まだ死んでないだろ?」
俺は肉体があることを再確認する。
「じゃあ……今から肉体と魂を分離させる」
天乃が俺の胸から魂を抜き出した。まるで心臓を抉り出される痛みだった。すると、肉体は頭から血を流し亡くなった。しかし、まだ意識があった。
「貴方の未練を我がなくしてやろう」
天乃は俺を引っ張り向かいの歩道へ歩いた。俺と天乃は車をすり抜けていく。
《神の力か?いや、幽霊だからかも》
向かいの歩道へ着くと、天乃はゲートを出した。
「このゲートの先は死神界になっている……今回だけ、貴方に見せるから」
俺と天乃は、ゲートに入る。
 死神界。
「着いた……」
天乃が第一声をあげる。
「真っ暗で何も無い……」
俺は辺りを見渡すが何も無かった。
「これから貴方の未練を無くす計画を練る……」
天乃が着々と準備するみたいだ。
「まず、我が貴方を死に追い込んだ主犯格三人を見つける……次に、貴方はその三人にどんな残酷なことでもいいから死に追いやって……そして我はその三人の命を奪う」
天乃は未練消滅法の順序を俺に教えた。
「分かった……けど、俺は今どういう状態な
の?」
俺は順序は理解したが、俺は現実世界ではどういう状態なのか分からなかった。
「貴方はまだ完全に死んでない……仮死状態」
天乃はゲートを開く。
「最初は誰から命を奪う?」
天乃が俺に聞く。
「まずは、俺が死ぬのが分かってから!」
俺は現実世界に天乃と共に現実世界へ行った。
「毒島……貴方は、今日から『死神代理人』
ね」
天乃は俺を勝手に死神代理人に就任させた。
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