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2.高校入学

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 4月上旬。今日は高校入学式の日。俺は桜の舞い散る通学路を歩いていた。周りには、数人ほどの新入生が見える。ふと鞄に目をやると、持ち手に桜の花びらが落ちてきた。俺はその花びらを見て中学校最後の日を思い出す。パッと頭によぎるのは、杏のパンティ。
「杏の柄……」
俺はそんなことを呟いていた。すると、また聖剣エクスカリバーが勃ってしまいそうだった。
「いかんいかん! こんなことをしている場合じゃなかった!」
俺は走って今日から3年間通う高校へ向かう。
 服陽高等学校裏口。新入生みんなが高校の正門だと思しき場所に集まっていた。どうやら、まだ開いていない。
「仕方ねぇ! 裏行くぞ!」
1人の新入生が声を上げる。みんなは、その新入生を先頭に高校を1周するみたいだ。
《俺も行くか……》
俺が歩き出すと
ーーゲシッ!
俺は誰かに顔面を蹴られた。しかも、両足で。新入生全員が、俺の方を向く。
「助かった……」
女子の新入生だ。俺はその女子新入生のスカートで視界が見えない。詳しく説明すると、女子新入生が俺の顔に馬乗りしている状態だ。
「退けよ……」
俺は女子新入生の股部分に口を塞がれ、上手く口を動かせられない。
「え? 誰?」
女子新入生は辺りを見渡す。もちろん、今声を発したのは下にいる俺のため分かんない。
「退け!」
俺は体を起こすと共に、女子新入生を吹き飛ばす。俺を蹴っ飛ばしたのは、高校のオリエンテーション時に隣だった服取冬はっとりふゆだ。多分、学年で1番背が低いロリ生徒。小学5年生ぐらいの身長だ。俺が吹き飛ばした時、冬はうつ伏せで倒れた。そして、スカートが捲れる形で倒れたため白いパンティが丸見えだった。冬はすぐに立ち上がって
「すいません……」
と。謝る。俺は蹴られた衝撃で鼻血が出ていた。
「謝って済むと思ってんのか?」
俺は激怒していた。俺の鼻血を拭くとかしろよ。
「怪我させた変わりに……私のパンツ、好きなだけ見ていいから……」
冬は顔を少し赤らめて、スカートを捲る。
《見た目だけじゃなくて、知能まで幼くなっていやがる……》
俺が鼻を抑えて辺りを見渡すと、男子の新入生たちに囲まれていた。冬が俺に白いパンティを見せつけているからだ。俺は、入学式の会場に向かう前に保健室に行き鼻にティッシュを詰めることになった。
 1学年教室後半クラス廊下。俺は、高校入試の自己採点では成績は後ろから数えた方が早いくらいの点数だった。それでいわゆる落第クラスだった7組に割り振られた。俺が、6組を通り過ぎると
「一八!」
と。女子生徒の声がした。大体声でわかった。中学での女子友達の内の1人、服鳥汀はっとりみぎわだ。この娘は、半あざと女子だ。
「汀か……」
俺は汀に顔だけ向けて話す。汀は、今自分の席であろう机に足を乗せて窓際に座っている。
「何その反応……」
汀は俺の反応が気に食わないようだ。すると、入学初日から騒いでいる男子生徒がいた。同中で親友がいたのだろうか。
「オラァ!」
「ウワッ!」
ーーガシャン!
騒いでいた男子生徒2人の内、1人が吹き飛ばされ汀の机に当たり汀が教室の外へ追いやられた。そこで、俺は見えてしまった。薄いピンク色のパンティを。汀が履いていたパンティだ。
「イテテテ……」
汀は後頭部を頭で抑える。そして、何度も自分の態勢と俺の目線を何度か見てすぐさま立ち上がった汀は
ーーパシン!
俺の頬を叩いた。
《俺悪くねぇじゃん……》
俺は、中学卒業と高校入学で3度もラッキーエロを見られた。これで今年の運使い切った気がする。だが、まだだった。この後、4度目のラッキーエロが待ち受けていた。
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