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6.朝のSHR前、部活時【久着side】

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 1年次7クラス。私達の通う高校は、オリエンテーション時に部活体験をする時間が与えられていた。私は硬式テニス部に所属していた。朝、私は春休みに勉強したテキストを再確認していた。すると、窓から
「うわぁ、久着ちゃん可愛いなぁ」

「ダチから聞いた通りだ」
と言う声が聞こえる。もしかして、私と同中の男子生徒から『久着という可愛い生徒がいるから見に来たら? 7クラスに居っから』と言われて、駆けつけたのだろう。
「おい、カメラ貸せよ!」
「ダメだよ! これは新聞部の備品なんだから!」
「首絞められたく無かったら撮れよ!」
男子生徒2人が黒の太縁眼鏡かけた新聞部所属の男子生徒にカメラを持って来させ、私の写真を勝手に撮影していた。
「おい! 一枚だけじゃねえよ! もっと撮れよ!」
私は連写のシャッター音が聞こえたが、気にしなかった。そのとき、私は股を開いていたかもしれない。
「おい、加面楽かめんらく……後でオレのパソコンにデータ送っとけよ!」
男子生徒2人は去って行ったが、加面楽という新聞部の男子生徒は私をまだ無許可撮影し続けた。なんで、私が股を開いて席についていたのかは、放課後に判明した。
 放課後。私が帰る準備をしていると朝に私の事を撮影した加面楽いかずちがゆっくりと私に近づいて来た。
「どうしたの……加面楽くん?」
私と加面楽は、同じクラスだった。
「あの……下羽さん……これ……」
加面楽くんは、モジモジしながら私に朝撮った写真を見せる。それは、私の股間を撮っていた写真だった。
「ちょ! ちょっとどこ撮ってんの⁉︎ 変態⁉︎」
私は席を立ち上がり、加面楽くんを睨む。
「変態は、クラス長だろ! だってノーパンじゃん!」
加面楽くんも負け気と言い返す。
「ちょっとそれには……」
私は話題を逸らす。
「そんなことより、その画像消してよ!」
私は加面楽くんから、新聞部のカメラを取ろうとする。
「そんなことしていいのか? そうしたら、この写真大見出しにして学級新聞で出してやるから!」
と。私がノーパンで登校している女子生徒だと暴露すると主張する。
「そうしたら、私学校に行けなくなる……それだけは、やめて……」
私はそれを大スクープとして出すのだけは、勘弁して欲しかった。ここ以外、滑り止めで受けてない。というより、中学校の方針で受験できなかった。1人1校だったから。
「じゃあ、僕にクラス長の生まんこ見せてよ!」
加面楽がそう言うと、教室戸が開いて
「そこまでだ!」
神服部くんが入って来た。
「神服部くん!」
私は、驚いた。なんで神服部くんが居るんだろう。
「誰だよ? 貴様は……」
加面楽は、神服部くんを見つめていた。
「同じクラスなんだから、顔ぐらい覚えろよ……それよりも、良いカメラじゃないか……どんな写真あるか見せてよ」
神服部くんは、やはり私の身体目的だったんだ。前日の事を前言撤回する。加面楽は、カメラごと神服部くんに渡した。すると、神服部くんは
「おっと!」
と。言い手を滑らしたように、新聞部の備品を後ろへ投げて壊した。これで中のカードも壊れたら、完全にデータを消去できたのも当然だ。もちろん、加面楽は怒り出し
「おい! 新聞部の備品なんだ! 弁償しろ!」
と。怒鳴る。
「お前こそ、下羽を勝手に撮るな! 良いか? テメェのやっていることは『肖像権の侵害』と言ってレッキとした犯罪なんだよ!」
と。言い返している。
「テメェの事、警察に通報するよ? 少年法適用されるのか知らんけど」
神服部くんは、加面楽くんを脅迫する。私はその内に部活の宿舎に逃げ込んだ。
 硬式テニス部準備室。私は部活動のユニフォームに着替える。けど、私の所属する部活動のユニフォームもスカートだ。
「ノーパンのままじゃ、部活できない……制服のより短いし……」
私は、準備室にある木製に近い長いベンチから立てないでいた。すると
「おい下羽! どうしてまだここにいる! みんな練習試合始めたぞ!」
硬式テニス部顧問の服原林ふくはらりんが、私が居ないことに気付き探していたみたいだ。
「すいません……今日ちょっと体調が悪くて……」
私は『ノーパンだから練習試合できない』だなんて言えなかった。
「体調が悪いのか……けど、部活まで来たんだしな……今日はここの掃除だ」
服原顧問は、私に掃除を押し付けた。
「どこを拭けばいいですか?」
私は水で雑巾を濡らし、絞る。
「じゃあ、ロッカーの上から頼む……」
服原顧問は、ロッカーの上を掃除するよう命じる。
《片手で出来るかな?》
私は絞った雑巾を広げ、ロッカーの上を片手で拭き始めた。すると
「下羽、両手でやらないとダメだろ?」
服原顧問は、その掃除方法が気に食わなかったみたいだ。私は今、右手で雑巾を持ち左手でユニフォームのスカートを力強く抑えている。
「ほら! 左手も使え!」
服原顧問は、私の左手を無理矢理スカートから離そうとして左手を掴んだ。そして、私の左手を上で動かした。そしてスカートが捲れてしまい、ノーパンだとバレてしまった。
「おい下羽……なんでお前ノーパンなんだ?」
服原顧問の口調が変わった。
「え……いや、そのぉ……」
私は言い訳しようとすると、
「もっと、よく見せてくれないか?」
服原顧問は私を長ベンチから無理矢理降ろし、床に押し付ける。そして、両手を抑えられた。
「これで逃げられねぇぞ……」
服原顧問の力が強すぎて、逃げられない。すると
ーーガチャ!
神服部くんが来た。
「服原先生……さっきの音声、全て録音しました」
と。神服部くんは、レコーダーを見せびらかす。
「神服部……それを、どうする気だ?」
服原顧問が聞く。
「あとで、これを警察と服島ふくしま先生に聞いてもらいます」
神服部くんは、服原顧問を通報しようとしていた。
「ふ……服島だけには……か、勘弁してくれ!」
服原顧問は、生徒である神服部くんに向かい土下座していた。服島先生とは、7クラスの担任服島まどか先生。かなりの美人だし、男性教諭からしたら注目の的だろう。
 十数分後。
「服原さん……あなたを『強制性交等未遂罪』で現行犯逮捕する!」
警察官数人によって服原顧問は、パトカーに乗せられて行った。
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