実姉弟の恋⁉︎

〈１〉誕生から通告

　親戚の占いの家。俺の名は、勝占行一かつらゆきひと。今父、亜弥あやと母、弥生やよいに連れられ親戚の家に来た。なぜなら、俺の結婚運を確かめるみたいだ。俺は父に抱っこされている。母は、俺の姉にあたるゆまを抱っこしている。俺の記憶にはない。しかも、俺は二卵性双生児だったが、そのことさえ分からなかった。
　占い後。
「亜弥様、弥生様……お子様の占い結果を報告します」
親戚の占い師が、結果報告しに来た。なぜ、俺らの家に占い師がいるのかと言うと、勝占一家は先祖代々から占いの力を受け継いでいる。祖父母も占い師の結果で出会い、父母も占い師の結果で出会った。
「まずは、息子さんの結果からです……結婚運は有りません……」
占い師が、俺の結果を報告する。
「「はぁ？」」
父母、半ギレ状態。
「怒りを抑えてください……娘さんには、結婚運があります……ですが、恋愛には無関心です」
父母の怒り顔に怯えた親戚の占い師は、ゆまの占い結果も報告した。
「息子の結婚運がなきゃ、勝占家は断絶だ！」
父は親戚の家で叫んでしまう。
「お待ち下さい……１つだけ方法があります」
親戚の占い師が提案する。
「息子さんと娘さんを結婚させるのです」
親戚の占い師は、とんでもない提案だった。
「『近親相姦きんしんそうかん』って事ですか？」
母は正式名称を答える。ちなみに、日本の法律では禁じられている。なぜなら、親族の血が濃くなると産まれた子供はマトモじゃないからだ。ハプスブルク家などが、その成れの果てだ。
「そうですね……」
親戚の占い師は、躊躇っていた。ダメだとわかっていた。
ーーガタン！
父が、親戚の占い師の胸ぐらを掴む。
「お前は、正気で言っているのか？」
父は、激怒している状態だ。
「息子の結婚運が無い以上、その方法しかありません……もし、却下するのであれば断絶をお選択ください」
親戚の占い師は冷静に言い返す。父母は、父方の祖父母の家に向かう。
　父方の祖父母家。
「ただいま戻りました……」
父が家に上がって第一声を放つ。
「息子の結婚運はどうだった？　ありなんだよな？」
俺は父方の祖父母を実祖父母、母方の祖父母を義祖父母と呼ぶ。実祖父、麻郎まろうが俺の結婚運を聞く。
「お義父さん……驚かないで下さい、行一の結婚運は有りません」
母が俺の占い報告を言った。実祖父はすぐに顔が真っ赤になり、
「どうする気だ！　養子は許さん！」
と。怒鳴り出す。母と実祖母、アヤ子あやこが俺とゆまを避難させる。
「親戚の占い師は、結婚運ありと結果のあった娘と結婚させる他……選択肢はないらしいです」
父は、その事を実祖父に言う。
「よし！　その方法にしよう！　曾孫が心配だが……」
実祖父は険しい顔をしながらも、近親相姦を了承した。そして、俺は父母の元で育てられゆまは、父方の祖父母の元で育てられた。そして、俺は３才からの記憶しかないためゆまがいたと言う記憶がない。そして、父母がいつも合わせていたのは、義祖父母だけだった。