将棋恋詠 〜しょうぎれんえい〜

古波蔵くう

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出会いの章『輝夢の扉』

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 輝夢きむエンタテイメント第一次審査控え室。私の名は、愛小駒あいここま。今、私はすごく緊張している。なぜなら、今からアイドル棋士の第一次審査を受けるからだ。アイドル棋士とは、アイドルという肩書きがありながら、女流棋士という二つの職業を両立した新しい仕事。正直、とても厳しいと思う。今から第一次審査が始まる。第一次審査は、アイドルの資質があるか試される。審査項目はダンス力と歌唱力、苦しい顔を見せずに常に笑顔でいることの三つ。突破できるだろうか?
「315番! オーディション室へ」
誘導する係が私の番号を呼ぶ。私は控え室を後にした。
 オーディション室。オーディション室は、私から見て右側に一面が鏡の壁があり、左には数人の審査員が鋭い眼差しで私を見ていた。私は緊張して硬直してしまった。
「番号と名前を!」
私から見て、左端の審査員が言った。
「さ……315番! 愛小駒です!」
私が番号と名前を名乗ると、曲が始まった。これは、私のデビュー曲になるであろう『キラメキの一手』という曲だ。私は早速踊り出す。煌めいている汗が、クリスタルみたく光出しているのが分かるはず。
 オーディション終了後、第一次審査控え室。
《落ちた……》
私は絶望した。たぶん、落ちた。まだ、全員が終わりきっていないけど、落ちたに決まっている。一次審査は応募者から十人が選出される。そして、その十人が第二次審査を受けられる。誰が選出されたかは、控え室のモニターに出される。
 第一次審査終了後。一番最後の人のオーディションが終わった。モニターにスイッチが入った。落ちていると思うが実際は見ないと分からない。とりあえず、見てみる。
《066……125……143……232……301……315……402……え? 私の数字がある! やったぁ! 一次審査通過だ!》
私は第一次審査で見事合格できた。私はアイドル棋士の一つ目、アイドルの肩書きをゲットできた。
 第二次審査控え室。第二次審査は、女流棋士の資質はあるか審査する。歴代の女流棋士と一局して勝ったら女流棋士の座を取れる。
「勝ったら、応募書に書いた決め台詞を言うように!」
と。指示された。アイドル棋士も、一応アイドルだからキャッチフレーズとか、決め台詞が必要なのだ。すると、ゴングが鳴った。輝夢エンタテイメントでは、ゴングで対局を開始の合図みたいだ。先手は歴代の女流棋士だった。私は後手だ。
《後手で、飛車を使った技法で……》
私も駒を動かした。
 1時間後。
「王手!」
私は女流棋士の玉を追い詰めた。
「参りました……」
女流棋士は悔しそうな表情をしながら負けを認めた。私は決め台詞を言う。
「勝敗は将棋盤上だけじゃない! 人生は一局じゃない! 私の勝負はまだ始まったばかりだから!」
私は決め台詞を言った。すると
「315番……控え室へお戻りください」
審査員が指示した。私は対局部屋を後にした。
 対局終了後。十人全員の対局が終了した。
「合否は通達にて行う……帰宅して良い」
輝夢エンタテイメントの審査員長から帰宅命令が出た。私と他の第二次審査を受けた人は帰った。
 1週間後。受け取り口に
『愛 小駒様
 輝夢エンタテイメントより』
と。レターパックが届いていた。開くと
『合格通知
愛小駒姫 あなたはアイドル棋士オーディションに見事合格しました。通達書に専属のプロデューサー兼マネージャーのプロフィールを同封しております』
と。記載されていた。私は見事、アイドル棋士になれた。私のプロデューサー兼マネージャーは、加面楽将仁かめんらくまさひとという人物だった。
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