3 / 8
絆の章『対局と出逢い』
しおりを挟む
私のアイドル棋士として活動し始めて、数ヶ月が経過した。今回のお仕事は、高校での特別講師だった。私はまだ高校生なのに、同じ高校生相手に教えることなんて出来るだろうか。そして、私が連れて来られたのは将棋部の部室だった。どうやら、部活の特別講師らしい。私は一応、アイドルだということがバレないように変装している。分厚いコートを着て、つばのでかい帽子を被り、グラサンとマスクで顔を隠した。そして、必ず加面楽さんと同行しないといけない。アイドル棋士とのスキャンダルを狙っているパパラッチが最近多いらしい。そして、今日は将棋部にも新入部員がいたらしい。顧問が希士と呼んでいたので、希士という名前なのだろう。私は人数の都合上、その新入部員と対局することになった。希士は私の前でビクビクしている。ここの部長が、私をアイドル棋士だと見抜いたからだろうか。私は希士を見て初心者だと分かった。
「君……初心者だね」
私は思わず、そう言ってしまった。どこまで知ってるのか聞くと、駒の動かし方から知らなかった。これは、みっちり指導しないといけない。私は顧問に頼んで対局一回の時間で希士に将棋を教えることにした。
「まず、将棋のルールはねこの『玉』を先に取った方が勝ちだよ」
私は玉将を見せて、教えた。
「え? でも、俺のこの駒は『玉』じゃなくて『王』って……」
希士が指摘する。
「どちらも玉だったら自分の駒なのか、相手の駒なのか分からないでしょ?」
私は説明した。
「駒の動かし方は、これを見て」
私は将棋の入門書を渡す。私がアイドル棋士になるため、熟読した。使用済みだからかなりボロボロだけど。
「希士が、ココマから貰い物だと! くぅ! 羨ましい!」
部長が羨ましがっている。
「愛薬! 対局に集中しろ!」
顧問が部長を叱る。私は希士に将棋を教え続けた。
一局終了後。
「これで全部教えたけど、分かったかな?」
私が説明し終えると
「はい、小駒講師……駒の動かし方や反則など分かりました」
希士は、将棋を知り尽くしたらしい。
「それ、返さなくていいからね」
私は将棋の入門書を指差し言った。
「えぇ、分かりました……小駒講師」
希士が礼をする。
「おいおい希士……ココマに講師呼びしなくていいだろ?」
部長が背中を叩く。
「でも、特別講師として招かれているわけですし……」
希士は、部長にも敬語を使っている。
「みんな、休憩し終えただろう? 二局目スタートだ!」
顧問が二局目開始を合図する。
「じゃあ、始めるよ……ココマが後手で」
私はアイドル棋士になってから一人称を変えている。そして、この分厚いコートを着ていると駒を動かしにくいため、コートとグラサン、つばのでかい帽子、マスクを取った。
「これが……アイドル棋士……」
希士は瞳孔が大きくなっていた。
「ココマ様……コートと帽子はオレがお預かりします」
加面楽がコートと帽子を拾う。
「ええ、助かるわ」
私は加面楽に返事をした。
「さあ、始めましょう」
私は希士に声をかける。
「は、はい!」
希士は、我に帰ったような感じだった。
対局終了後。
「参りました……」
案の定、私が初心者に負けることなく勝利した。
「じゃあ、ミーティングするぞ!」
部長が部員に声をかける。
「マネージャー、話がある」
顧問は加面楽と話があるらしい。私は部員たちのミーティングを見ていた。
「希士……これ、書いて提出な」
部長が希士に渡していたのは、入部届だ。私はアイドル棋士をしてなかったら部活に入れたのかもしれない。
「そして、入門書は大切に保管しとけ……アイドルの握手会よりいいものだぞ!」
部長は希士にそう囁いている。聞こえているのですが。
ミーティング終了後。部長と部員全員が帰っていく。私も帰ろうとするが、加面楽が見当たらない。どこに行ったのだろうか。すると
「今日は、ご苦労様!」
顧問が来た。
「はい……ココマのプロデューサー兼マネージャーの仮面楽はどちらに?」
私は顧問に聞く。
「アイツなら、急用ができて帰ったぞ?」
顧問がそんなことを言う。加面楽は私の専属だ。急に帰るわけがない。
「加面楽は、ココマの専属なので帰ったりしません!」
私が少し強めな口調で言うと、顧問は何かの用紙を丸めて私の口に押し込めた。
「こう言えば、ああ言い返しやがって……」
顧問はなぜかガムテープを用意して、私の手足を縛った。そして、担いで部室を後にした。のちに、加面楽は学校の男子トイレに閉じ込められていたことを知った。私はこの人に、一体どこに連れて行かれんふのだろうか。
「君……初心者だね」
私は思わず、そう言ってしまった。どこまで知ってるのか聞くと、駒の動かし方から知らなかった。これは、みっちり指導しないといけない。私は顧問に頼んで対局一回の時間で希士に将棋を教えることにした。
「まず、将棋のルールはねこの『玉』を先に取った方が勝ちだよ」
私は玉将を見せて、教えた。
「え? でも、俺のこの駒は『玉』じゃなくて『王』って……」
希士が指摘する。
「どちらも玉だったら自分の駒なのか、相手の駒なのか分からないでしょ?」
私は説明した。
「駒の動かし方は、これを見て」
私は将棋の入門書を渡す。私がアイドル棋士になるため、熟読した。使用済みだからかなりボロボロだけど。
「希士が、ココマから貰い物だと! くぅ! 羨ましい!」
部長が羨ましがっている。
「愛薬! 対局に集中しろ!」
顧問が部長を叱る。私は希士に将棋を教え続けた。
一局終了後。
「これで全部教えたけど、分かったかな?」
私が説明し終えると
「はい、小駒講師……駒の動かし方や反則など分かりました」
希士は、将棋を知り尽くしたらしい。
「それ、返さなくていいからね」
私は将棋の入門書を指差し言った。
「えぇ、分かりました……小駒講師」
希士が礼をする。
「おいおい希士……ココマに講師呼びしなくていいだろ?」
部長が背中を叩く。
「でも、特別講師として招かれているわけですし……」
希士は、部長にも敬語を使っている。
「みんな、休憩し終えただろう? 二局目スタートだ!」
顧問が二局目開始を合図する。
「じゃあ、始めるよ……ココマが後手で」
私はアイドル棋士になってから一人称を変えている。そして、この分厚いコートを着ていると駒を動かしにくいため、コートとグラサン、つばのでかい帽子、マスクを取った。
「これが……アイドル棋士……」
希士は瞳孔が大きくなっていた。
「ココマ様……コートと帽子はオレがお預かりします」
加面楽がコートと帽子を拾う。
「ええ、助かるわ」
私は加面楽に返事をした。
「さあ、始めましょう」
私は希士に声をかける。
「は、はい!」
希士は、我に帰ったような感じだった。
対局終了後。
「参りました……」
案の定、私が初心者に負けることなく勝利した。
「じゃあ、ミーティングするぞ!」
部長が部員に声をかける。
「マネージャー、話がある」
顧問は加面楽と話があるらしい。私は部員たちのミーティングを見ていた。
「希士……これ、書いて提出な」
部長が希士に渡していたのは、入部届だ。私はアイドル棋士をしてなかったら部活に入れたのかもしれない。
「そして、入門書は大切に保管しとけ……アイドルの握手会よりいいものだぞ!」
部長は希士にそう囁いている。聞こえているのですが。
ミーティング終了後。部長と部員全員が帰っていく。私も帰ろうとするが、加面楽が見当たらない。どこに行ったのだろうか。すると
「今日は、ご苦労様!」
顧問が来た。
「はい……ココマのプロデューサー兼マネージャーの仮面楽はどちらに?」
私は顧問に聞く。
「アイツなら、急用ができて帰ったぞ?」
顧問がそんなことを言う。加面楽は私の専属だ。急に帰るわけがない。
「加面楽は、ココマの専属なので帰ったりしません!」
私が少し強めな口調で言うと、顧問は何かの用紙を丸めて私の口に押し込めた。
「こう言えば、ああ言い返しやがって……」
顧問はなぜかガムテープを用意して、私の手足を縛った。そして、担いで部室を後にした。のちに、加面楽は学校の男子トイレに閉じ込められていたことを知った。私はこの人に、一体どこに連れて行かれんふのだろうか。
1
あなたにおすすめの小説
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる