ねぇ…私じゃダメですか？

夏

依存と恋の違いってなんだろって話

｢これは恋じゃない｣



ユミがそう言い切った時、俺は浮かれた

なんだか安心したんだ




でも…
 



｢私ね、××くんといる時、毎日ドキドキしてた｣


｢でも、イズミくんから感じるのはドキドキなんかじゃなくて…安心感っていうか…｣


｢だから、これは恋じゃないよ｣




でも、安心したのも束の間だった



ユミは××とのこと、本物の恋だと思ってる


確かにユミの××を想う気持ちは本物だった




でも…


俺にはそれが、恋じゃなくて依存のように思えた




ユミはいじめられてからというもの、常に自分の存在意義を探していた

誰かに必要とされたがっていた


だから、好きな人と付き合えた時、ユミはすごく幸せそうだった

でも、同時にすごく辛そうだったんだ


酷いことされて、愛されなくなって…

それでも離れたくなかったのは｢好きだから｣？


…


いや、それだけじゃないはず

｢捨てられたくなかった｣んだ、きっと


だから捨てられる前に自分から別れを告げて一人になったんだろ？



だからさ


むしろ



｢一緒にいて安心する｣


って思える、それが本当の恋なんじゃないかって思った





…




あぁ…






｢…恋ってなんなんだろうな｣




俺は恋と依存の違いさえ、もう分からなくなっていた