ねぇ…私じゃダメですか?

アイネ

文字の大きさ
20 / 53

本当の恋ってなんだろって話

しおりを挟む

「イズミのこと好きなの?」

「…え?」



一瞬頭が真っ白になった



私が、イズミくんを…好き…?




そんなこと、考えたことなかった




だって私は…

別れた時からずっと、ずっと、ずっと



××くんだけを想っていたのだから



××くんが好きだったから、別れた時ものすごく傷ついた

生きるのが辛かった

心に穴が空いたみたいだった

涙がずっと止まらなかった



「…」



でも、今はどうだろ…?



そういえば普通に笑えるようになっている

涙も、もうしばらく出ていない



「…」



あぁ、そうだ


イズミくんと出会ってから忘れてた、××のこと




……不思議だ




イズミくんといる時、私は辛くなかった


イズミくんとは、普通に会話が出来た




でも、これは…


恋とは少し、違う気がした




だって、私は本当の恋を知っている

だから分かる



「これは恋じゃない」




「私ね、××くんといる時、毎日ドキドキしてた」


辛いことも不安もたくさんあった…

でも

そんなことどうでもよくなるくらい、優しくされる一瞬が幸せだった


「でも、イズミくんから感じるのはドキドキなんかじゃなくて…安心感っていうか…」


「だから、これは恋じゃないよ」



私がそう言い切るとリョウは小さく「…そっか」とだけ呟いた


リョウは何か言いたげだった

でも、何も言わなかった


「急に変なこと聞いてごめんな」


そう言ってリョウは力なく微笑んだ

私にもわかるくらい、下手くそな作り笑顔で




ねぇ、リョウ…


リョウはどうしてそんなに…


辛そうな顔で笑っているの?

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

25年の後悔の結末

専業プウタ
恋愛
結婚直前の婚約破棄。親の介護に友人と恋人の裏切り。過労で倒れていた私が見た夢は25年前に諦めた好きだった人の記憶。もう一度出会えたら私はきっと迷わない。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

私は貴方を許さない

白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。 前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
私の家は子爵家だった。 高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。 泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。 私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。 八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。 *文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

処理中です...