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夏
本当の恋ってなんだろって話
しおりを挟む「イズミのこと好きなの?」
「…え?」
一瞬頭が真っ白になった
私が、イズミくんを…好き…?
そんなこと、考えたことなかった
だって私は…
別れた時からずっと、ずっと、ずっと
××くんだけを想っていたのだから
××くんが好きだったから、別れた時ものすごく傷ついた
生きるのが辛かった
心に穴が空いたみたいだった
涙がずっと止まらなかった
「…」
でも、今はどうだろ…?
そういえば普通に笑えるようになっている
涙も、もうしばらく出ていない
「…」
あぁ、そうだ
イズミくんと出会ってから忘れてた、××のこと
……不思議だ
イズミくんといる時、私は辛くなかった
イズミくんとは、普通に会話が出来た
でも、これは…
恋とは少し、違う気がした
だって、私は本当の恋を知っている
だから分かる
「これは恋じゃない」
「私ね、××くんといる時、毎日ドキドキしてた」
辛いことも不安もたくさんあった…
でも
そんなことどうでもよくなるくらい、優しくされる一瞬が幸せだった
「でも、イズミくんから感じるのはドキドキなんかじゃなくて…安心感っていうか…」
「だから、これは恋じゃないよ」
私がそう言い切るとリョウは小さく「…そっか」とだけ呟いた
リョウは何か言いたげだった
でも、何も言わなかった
「急に変なこと聞いてごめんな」
そう言ってリョウは力なく微笑んだ
私にもわかるくらい、下手くそな作り笑顔で
ねぇ、リョウ…
リョウはどうしてそんなに…
辛そうな顔で笑っているの?
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