女装男子と私

メタボ戦士

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24話 朝の食卓

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〈ピリリ·········〉

「ん······うっさ!〈トッ〉」

 ·····朝か····。ん?スマホに通知が来てる。
 早乙女君だ、何々·······

『放課後にデートしない?待ち合わせは美月のクラスに俺が行くから、美月は教室で待っているだけでいい。』

 ······早乙女君が私と普通にデートなんてするはずがない。
 何か裏があるに決まっている。
 でも受けて立とうじゃない!何を企んでいるか知らないけど。

『ごめん、今メッセージ見た。いいよ、楽しみにしてる。何か必要なものとかある?』

『特にない。強いて言うなら体調が良ければいい。』

『了解。じゃあまた後でね。』

『あーじゃあな。』

 ······『体調が良ければいい』って一体何をするんだろう·····謎だ。
 まぁ早乙女君はナルシストの女装男子で個性的だけど、お母さんみたいな雰囲気があるから大丈夫か。
 安心して楽しもう。

 さて放課後のことは後で考えることにして、朝食を食べに行くか。


「お母さん、おはよう。」

「美月、おはよう。あら?なんか嬉しそうね。」

「今日の放課後に友達と遊びに行く約束をしたからかな?」

「ふぅ~ん、そっか····w」

「おい、美月。その友達は男子じゃないよな?」

「お父さん、急に何?お母さんとの会話に口を挟まないで欲しいんだけど!」
 
「まぁ美月····お父さんは仕事で忙しくて、朝にしか私達に会えないからそう冷たくしないであげて。」

「母さんありがとう。愛してる〈ギュッ〉」

「〈ナデナデ〉よしよし」

「朝からお熱いね。」

「まぁ父さんと母さんは学生時代からラブラブだからな~」
 
「フフ·····そうでもないわよ。お父さん、お母さん以外に目移りしてた時期もあったから。」  

「それは気の迷いで····ごめん。」

「別に怒ってないわよ。私もお父さん以外に目移りしてた時期があったから。」  

「えっ····そうなの?初耳なんだけど?」

「·········嘘よ♪私、お父さん一筋だもん。」

「なんだ~焦った····」

「フフ·····ドッキリ大成功♡」

「ハハッ··」

「夫婦漫才は聞いてらんないからご馳走様。」

「美月、もう食べたの?」

「お母さん達がいちゃついている間に食べたよ。」

「そう····」

「それより美月、まだ聞いてなかったけど放課後遊びに行く友達は男子なのか?」

「女子だよ。」

「そうか····良かった。もし男子だったら父さん心配で仕事に行けないよ。」

「お父さん、仕事にはちゃんと行ってね。大黒柱なんだから。」

「わかってるよ。冗談冗談····」

「お父さんの冗談は冗談に聞こえないから怖いよ。」

「ハハッ···そうか?」

「うん。まぁいいや、着替えるから部屋戻るね。」

「わかった。」

 ·····はぁ····お父さんウザかった。
 放課後に友達と遊びに行くなんて普通なのに心配し過ぎ。
  
 まぁお父さんの心配の通り男子の早乙女君と遊ぶけど、どうせ仕事で邪魔出来ないからほっとくか。

 お父さんの話は置いといて、身支度を終わらせて学校に行こう。
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