女装男子と私

メタボ戦士

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38話 体験入部③

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 放課後。

 ······よし!今日こそ美術部の体験入部に行くぞ。

〈ガラガラ····〉

 ·····ん?

「美月~♪一緒に体験入部行こう。」

「えっ?」

 ····ちょっ!夏樹。いきなりどういうこと~?

「「なんで早乙女君が春野さんを体験入部に誘っているの?」」

「友達だから。ねぇ~美月☆」

「うん。」

 ······否定するのは嘘になるから嫌で肯定したけど、翌日から女子に総スカンくらいそうで怖い。

「「えー!なんで!?学年1の美男の早乙女君と顔面偏差値のレベルが中の上の春野さんじゃ釣り合わないじゃん。」」

「そうやって何でも顔で判断する女子は好きじゃないな···」

「「ぐっ···」」

「さて俺は美月と体験入部に行くから邪魔しないでね。行こう美月〈ニギッ〉」

「ちょっ!早乙女君······」


 数分後。

「到着♪じゃあ入ろうか。」

「『じゃあ入ろうか。』じゃないわよ!やってくれたわね、夏樹。」

「何が?」

「「何が?」じゃないわよ。『私と友達であること』を教室でバラすなんて私に恨みでもあるの?」

「ないよ。」

「じゃあ何でバラしたのよ!夏樹のせいで明日からクラスの女子に総スカンよ。」

「大丈夫だよ。そんなことにならないって。」

「なるわよ、男子と違って女子は蹴落とし合う生物何だから。あーもう!今日は体験入部に行く気分じゃないから帰る。」

「待って~一緒に帰ろう。」

「夏樹の顔はしばらく見たくないからついて来ないで!」

「ごめん····どうしたら赦してくれる?」

「じゃあ今から裸になって校庭を逆立ちして一周するならいいよ。」

 ·····温室育ちの美男はどうせやんないでしょ。
 
「わかった。〈パチパチ····〉〈カチャカチャ···スッ····〉」

「〈グィカチャカチャギュッ〉もういいから!このままだと夏樹が公然わいせつ罪で捕まっちゃう!?」

「じゃあ赦してくれる?」

「もういいわよ、夏樹の覚悟を見たから。」

「ありがとう美月。〈ギュッ〉」

「やめて!〈ペシ〉学校でアメリカ式の挨拶は目立つから。」

「わかった。もう学校ではやらないよ。」

「他も駄目だから!」

「なんで~?美月はそんなことで恥ずかしがるタマじゃないじゃん。

「ハグやキスは恋人とすることだから、友達同士がするのは違うでしょ。」

「そっか····わかったよ。」

「わかればよろしい。じゃあ帰ろうか。」

「えっ!体験入部は行かないの?」

「もういいや。その代わりに夏樹と遊びたくなったから、ゲーセンに付き合ってよ。」

「いいよ。でも何でゲーセン?」

「なんとなく。まぁ行こう〈ギュッ〉」

「手を繋いで行くの?」

「教室のときの仕返し☆」

「ハハッ····根に持つタイプだw」

 そのままゲーセンに向かった。
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