女装男子と私

メタボ戦士

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97話 誕生日当日⑩

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 ······夏樹帰っちゃったか。

 あれ?戻って来た。

〈タタタッ······〉

「美月~!」

「何?帰るんじゃなかったの?」

「これ忘れてた〈ホイッ〉」

「ちょっ·····〈ぽすっ〉」

「ナイスキャッチw」

「これは?」
 
「誕プレ。」   

「この前の漫画家のサインだけでも十分嬉しいのに····」

「サインだけじゃ味気ないと思って。」

「そっか、開けていい?」

「あぁ····」

〈スッ····ペリペリ···パカッ〉

「花のイヤリング?」

「似合うと思って·····」

「可愛い····はありがとう。」

「喜んでくれて良かった♪目的も済んだし帰るわ····」

「ありがとう、大切にするから。」

「あぁ·····じゃあな。」

「またね。」

 ······最後に凄いサプライズだったな······

「キザな野郎だったね。」

「··········」 

「美月?」

「ごめん聞いてなかった。」

「アイツのこと好きなの?」

「え····ぁぁ······友達として好きだよ。」

「そっか。〈ボソッ〉じゃあまだ勝ち目はあるか····」

「なんか言った?」

「別に·····僕達もそろそろ家に帰ろうか。」

「え~もう少し遊びたい。」

「わかった、もう少しだけね。」

「うん。」 

 しばらくして。

「満足~♪」

「じゃあ帰ろうか。」

「うん、歩きたくないからタクシー呼ぼう。」

「タクシー?駅まですぐだから歩こうよ。」

「ヤダ。」

「じゃあ僕が美月のこと運ぼうか?それなら歩かないで済むし。」

「え~でもスカートだから恥ずかしいよ。」

「大丈夫、見えないようにするから。」

「それならお願いしようかな。」

「わかった、乗って。」

「うん。」

〈ズシッ〉

「重くない?」

「軽い軽い······じゃあ行くよ、ラブホへ!」

「え!」

「冗談w最寄りの駅へレッツゴー」

「ゴー」
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