居酒屋店主の恋

メタボ戦士

文字の大きさ
3 / 13

第3話 早朝忙し

しおりを挟む
 お店が開店したらいつもの常連さん達がこぞって来た。

「お菊ちゃん来たよ~あれ、そこにいる無愛想な男は旦那かい?」

「違いますよ松之助さん。今日からこの店の用心棒として雇った菊太郎です。」

「用心棒?強そうに見えないな。なぁみんなもそう思うだろ。」

「まぁ確かに。」「弱そう。」「それに小汚い。」

 そう言われてから菊太郎のこめかみに青筋が·····

 これは不味いと思い「でも昔は凄かったそうですよ菊太郎。」とフォローした。  

「こいつが、ワッハハ」と松之助さんが笑ったら他の常連さんもつられて笑っていた。

 ····やばい青筋が大きくなっている。
 菊太郎が爆発する前にこの話は終わらせねば。


「菊太郎を茶化すのもそれぐらいにして何か頼んでくださいよ。」

「まずはいつもの酒を」

「同じく」×3

「にごり酒ね。さかなはどうします。」

「今日のおすすめは?」

「今日は菊太郎さんが荷物持ちしてくれたから野菜も魚も良いものが手に入ったよ。おすすめは鯵の干物、芋の煮ころばし、きらず汁、田楽、どじょう汁だね。」

「じゃあ芋の煮ころばし」

「田楽」「鯵の干物」「きらず汁」

「少々お待ちください。」

 大忙し。

 1人で大変なので菊太郎にお願いして酒だけ運んでもらった。

 頼んだメニューは鯵の干物以外は温めるだけなのですぐに提供した。

 鯵も開店前から七輪で焼いていたので少しの時間差で提供できた。

「お待たせしました。芋の煮ころばし、田楽、鯵の干物、きらず汁です。」

「お菊ちゃんお手製の芋の煮ころばし酒がすすむ。」

「田楽も美味しい、味噌がいい。」「鯵の干物も最高。」

「きらず汁も二日酔いにちょうどいい。」

「それは良かったです。じゃんじゃん食べて金を落としてくださいね。」

「よっ!商売上手。」

「もう松之助さんにそんなこと言われると照れますよ。」

「へっへっ」

 常連さんといつものノリをしていたらいつの間にか客が増えてきた。

 匂いにつられて増えたのかもしれない。

 これだとさばききれないので接客は菊太郎にまかして料理をどんどん作った。

 
 常連さん達は気を使ってお金を払って帰っていった。


 しばらくてんてこ舞いで大忙し。

 菊太郎の手伝いもあり無事に営業を最後までやり遂げた。
 作ったものが少ししか残らないほど売れた。

 残りは私と菊太郎の夕餉ゆうげとして食べることにした。


 今回菊太郎には用心棒以外も大活躍だったので多めに給金を払った。

 金をもらったらウキウキと賭博場がある方に走って行った。

 私は居酒屋の後片付けをして長屋に帰った。

  帰ったときには夕方だった。

 夕餉の準備をして菊太郎を待った。

 しかし帰って来ないので1人で食べて寝た。

 そして時間が経過して朝になった。
 
 寝て起きたらいつの間にか菊太郎が帰っていて何故か私が寝ている布団で私に抱きついて一緒に眠っていた。
 菊太郎の方の布団もあったのに。

 ····まぁ間違えのだろうと思うことにして冷静に手を引っ剥がして脱出した。
 
 ····さて朝餉を作るか。

 今日もいつもと同じ雑炊だが味を変えて塩味ではなく味噌味にした。

 朝餉の匂いで菊太郎は目覚めた。

「ん·····いい匂いがする。」

「目覚めましたか、おはようございます。」

「おはよう。」

「今日も雑炊です。でもいつもの塩味ではなく今日は味噌味です。」

「へーそうか、いただこう。」 

「召し上がれ。」

 食べ終わった。 

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末

松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰 第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。 本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。 2025年11月28書籍刊行。 なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。 酒と肴と剣と闇 江戸情緒を添えて 江戸は本所にある居酒屋『草間』。 美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。 自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。 多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。 その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。 店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

江戸の夕映え

大麦 ふみ
歴史・時代
江戸時代にはたくさんの随筆が書かれました。 「のどやかな気分が漲っていて、読んでいると、己れもその時代に生きているような気持ちになる」(森 銑三) そういったものを選んで、小説としてお届けしたく思います。 同じ江戸時代を生きていても、その暮らしぶり、境遇、ライフコース、そして考え方には、たいへんな幅、違いがあったことでしょう。 しかし、夕焼けがみなにひとしく差し込んでくるような、そんな目線であの時代の人々を描ければと存じます。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

偽夫婦お家騒動始末記

紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】 故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。 紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。 隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。 江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。 そして、拾った陰間、紫音の正体は。 活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜

上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■ おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。 母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。 今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。 そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。 母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。 とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください! ※フィクションです。 ※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。 皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです! 今後も精進してまいります!

処理中です...