異世界大家族〜お母さんは大変です

第93話 子供視点8⑦

ナーダ「アンタ達ー朝食出来たわよぉー早く降りて来なさーい」

6つ子　「は～い。」

　·····お母さんの声うるさっ！　
　昨日はケイさんと会っていたから聞かないですんだのに～
　まぁいつもの日常に戻ったと思えばいいか

　あれ？アーニムがいない。
　あいつどうしたんだろう？
　まぁどうせトイレか····
　昨日お母さんの血みどろの顔を見た後であいつだけトマトシチューをたくさんおかわりしていたし、きっと食いすぎて腹を下したんだな。
　本当に馬鹿だな、後で回復魔法をかけてやろう。

　まぁその前に朝食····朝食····

　
　他のきょうだいとダイニングに向かった。

6つ子　「おはようお母さん。」

ナーダ　「おはよう。」

アーニム　「おはよう。」

6つ子　「何でアーニムがもうダイニングにいるんだよ。」
　
アーニム　「成り行きでね···お母さんと未明から木刀で素振りをしてたんだよね。」

アインス　「アーニムばかりズルい。僕も一緒にやりたかった。」

ナーダ　「別に木刀を振るだけだから大したことないわよ。」
　
アインス　「A級冒険者の素振りは大したことあるでしょ。それに今は男の体だからきっとより凄い素振りだったんだろうな···」
　
アーニム　「お母さんの素振りは一切の無駄のない動きだったから息ひとつきれてなかったよ。それに真剣な顔が格好良かった。」

アインス　「〈ドンッ〉クソｯ見たかった。」

ナーダ　「そんなに見たいなら夕方にやろうか？」

アインス　「いいの？約束だよ。」

ナーダ　「はいはい〈ナデナデ〉」

ドゥーエ　「アインスのマザコン、前より加速してんな。」

トロワ　「まぁ嫌いよりはいいでしょ。」

フィーア　「でもマザコンすぎて結婚出来なそうだよね。」

ペンタ　「だな。ていうかその前に恋人も無理だろ。」

アーニム　「確かに。お母さんより強くて美人で料理が出来る人じゃないと無理とか思ってそう。」

ヘプタ　「それ詰んでるだろ。美人で料理が出来る人は世の中にたくさんいるけど、お母さんより強いなんてどんな魔王だよ。」

アインス　「お前らさっきからこそこそ何話しているんだよ。」

ドゥーエ　「アインスが恋人選びに苦労しそうって話をしてたよ。」

アインス　「別にまだいないけど、お母さんとお父さんに似てイケメンで能力が高いから彼女なんてすぐ見つかるよ。」

ナーダ　「そうそう····アインスはお父さんに似て顔も格好良いし、お母さんに似て能力も高いからきっと好きになってくれる子はよりどりみどりよ。」

アインス　「ヘヘ···そうかな。」

ナーダ　「そうよ····お母さんが同級生だったら、こんな格好良い子がいたら好きになってるわね。〈ナデナデ〉」

アインス　「お母さんにそう言われると自信がつくよ。」

6つ子　「オェー」

アインス　「お前ら何だよその反応。」

ドゥーエ　「だってマザコンすぎるから。」　

トロワ　「アインス、お母さんの社交辞令に真に受けすぎ。」　

フィーア　「お母さんは悪ノリしすぎ。」

ペンタ　「朝から不快なものみせるな。」

アーニム　「キモすぎ」

ヘプタ　「食欲失せるわ。」　　

アインス　「滅多刺しだな。」

ナーダ　「まぁアンタ達、アインスと私をいじるのはこれくらいにして朝食のパングラタンを食べましょう。」

6つ子　「は～い。」

ナーダ　「アインスも食べましょう。」

アインス　「はい。これは昨日のトマトシチューのアレンジ？」

ナーダ　「そうよ、昨日みんな食べにくそうにしてたから食べやすいようにアレンジしたの。」

7つ子　「へぇー美味しそう。」　　

ナーダ　「パン料理にはコーヒーが合うから、一杯いかが？」

アインス　「角砂糖１個足して」

ドゥーエ　「角砂糖たくさん。」

トロワ　「苦いからホットミルクで。」

フィーア　「ほぼミルクで。」

ペンタ　「ミルクと半々で。」

アーニム　「生クリームとミルクをいれて」
　
ヘプタ　「ブラックで」

ナーダ　「わかったわ。持ってくるからセルフでよろしく。」
　
7つ子　「はーい。

　その後楽しく食卓を囲んだ。

　食べ終わったら、身支度を済まして学校に向かった。