恋愛ショートストーリー

メタボ戦士

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忘れる女

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〈ピンポーン〉

A 「は……い」

〈ガチャ(ドアを開ける)〉

B 「マオ、夏休みで暇やったから朝から遊びに来たで♪まぁ早く涼ませてやw」

A 「……いらっしゃい、タカト。どうぞ入って。」

B 「ん?どうしたんマオ。朝からそんなしけた面して…なんかあったんか?いつもより元気ないやんか……」

 幼馴染のマオの印象はいつもニコニコ笑ってるような陽気な奴やから正直この様子は戸惑ってしもうた。

A 「そんなことないよ。元気元気……ハハッ……」

B 「嘘つけ……全然元気ないやんか。なぁ…悩みあるなら聞くから何でも言ってや。俺ら幼馴染なんやから。」

A 「ホント大したことじゃないよ。」

B 「それでもええから。ほら……リビングでちゃんと腰下ろして話を聞くから行こうや。」

A 「うん……」


◇◇◇

(リビングの床に腰を下ろす。)

B 「で、何があったん?」

A 「実はね……今日、朝食にホットサンドを作ろうとしたんだよ。前日にコンビニで材料も買ってさ……」

B 「めっちゃおしゃれやん。で、何があったん?ホットサンド焦がしたとかか?」

A 「違う。もっと情けないこと。」

B 「情けないこと?」

A 「ホットサンド用のとろけるチーズとか諸々買ったんだけど、自分でエコバッグに詰めてたからとろけるチーズだけレジ前に置き忘れてきたみたいで。エコバッグの中とか、何度も確認したけどなくて……。たった250円のチーズだけどさ……地味にショックで。」

B 「あちゃ……それは災難やったな。でもたった250円やろ?そんな大したことないやん。」

A 「……大したことだよ。たかが250円、されど250円だよ。昨日の夜、明日の朝はホットサンド作ろうってワクワクしてたのに忘れ物一つで全部台無しになって。それだけじゃなくて、たったそれだけのことを覚えていられない自分の記憶力のなさにものすごく腹が立って……。このままじゃもっと大事なことも忘れちゃうんじゃないかって、不安になって。だからもう朝から何もやる気が起きなくて。」

B 「そうか……そういうことか。うん、俺もな昔、漫画の続きが気になって単行本買って来たのに、家の机に置きっぱなしにしてまた買っちゃったことあったわ。まあ、俺の場合は単純にアホなだけやけどなw」

A 「フフッ、タカトらしいね。」

B 「なwだから大丈夫やって。そんなんで落ち込むなや。」

A 「うん……そうだね。」

B 「なんかまだ立ち直れなさそうやな。」

A 「う…ん……」

B 「……よし!わかった。一肌脱いだる。今から俺がオモロい一発芸するからそれみて元気だせや。マオにはいつも笑顔でおって欲しいからパワーおくるで。じゃあ行くで!」

A 「え……うん……」

(タカトは突然、おもむろに立ち上がると、妙なボックスステップを踏みながら歌い出した。)

B 「俺はいつも関西人のフリしとるけど、ホンマは~ホンマは~出身四国~~♪ って、なんでや…ねん!ねん!ネクロマンサー!」

 (歌い終わると、タカトは謎のかっこいいポーズをキメた。)

A 「プッ……なんそれ!『ネクロマンサー』ってどこから出てきたの!?意味わかんなすぎ……!ぎゃはは……!」

B 「笑いすぎやろw 。でもマオが元気になって良かったわw 。お前は笑顔が1番かわええんやから俺の前では笑ってて欲しい。」

〈ナデナデ(頭を撫でる)〉

A 「何?告白w」

B 「ちゃうわ。でも遠からずや。」

A 「え?どういう……」

B 「やっぱ今のナシ。あとコンビニに用思い出したから帰るわ。じゃあな。」

〈ガチャ(ドアを開ける)〉

A 「え……ちょ……なんでやねん……♥」

終わり
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