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終わりの始まり 動く時
しおりを挟む屋敷を出される迄の猶予は一月。
父は宰相を解任されている。
屋敷にある私物は手に持てるだけと条件はあったが持ち出しを許可された。
私はお気に入りのぬいぐるみと絵本をカバンに詰めた。
空気は読める方だ。
8歳の子供の大切な物‥はこんなものかな?
あざとすぎた?
加減がわからない。
女の子はしっかりしてるからなぁ‥
前世の自分は3歳の女の子のおリボン結ってあげたら「やればできるじゃん」‥との評価を貰ったもんだ。(実話)
‥ワタシの評価っていったい‥
閑話休題
うん
ただし見えない様にありったけを持って行く。
物量は力だって知っている。
新聞紙一枚だって生き死にを左右する事があるのだと。
80過ぎてボケて死ぬまで生きたんだ。
恥ずかしいなんてそんなもの前世に置いて来た。
ギリギリまで粘って侍女が居なくなったら部屋のもの塵一つ無く、根こそぎストレージに収める予定だ。
無くなって困る宝飾類は既にストレージに入れてある。
国王からの沙汰から一週間も経つ頃、お父様は出て行った。
屋敷中のお金と小型で貨幣価値の高い物だけを持って。
宰相は解任されたが有能だったその頭の中には国のあらゆる事が詰まっている。
ただの平民として放逐出来ない。
機密を漏らさない様に、
貴族として『杯を賜まり』王国に命を捧げるか‥
平民の小役人として生きて行くか‥
父は小役人としてでも生きて行く事を選んだ。
母と、私を捨てて。
父は役人用の独身寮に入るのだと言う。
‥人伝に聞いた。
母は今回の件で実家からも縁を切られている。
父に頼れ無い今、修道院を頼ろうとも教会からも
拒否をされた。
なんでも聖女を陥れた家族など受け入れられないと言う事だ。
‥兄たちやらかし組は受け入れたのに‥
やっぱ殺しといてくれたらよかった。
中途半端にお優しいから皺寄せがこっちにくる。
最後まで付き添ってくれた侍女のカーサとの別れ‥これも塩辛いモノがあった
「元気でね」
「お嬢様も‥」
「手紙なんて‥出せるかしら‥」
カーサは青くして目を逸らした。
その横顔見て、続く言葉を取りやめた。
「‥でも‥そうね‥もう会う事もないだろうけど‥元気でね‥」
ホッと息を吐いた、かつての侍女の顔を見ることは‥出来なかった。
少し早いがやる事もないので
玄関のホールで
待つ
お母様は手ぶらであった
「‥お母様?お荷物は?」
「荷物?」
何も分かって無い様子をみて
総毛だった
慌てて母の室にむかう
部屋には母の侍女達が用意したと思われるカバンが用意してあった
開けると沢山の宝飾類と慎まやかな着替えが入っていた
‥侍女達はこんな状況に陥っても高価な宝飾品を持ち出さなかった。
誇り高く自らの仕事を全うして去って行った。
思い立って母の衣装部屋を開けると一面のドレス
はやる気持ちのまま母の部屋のドレスと本棚を収納した
揺れるカーテンをみて
これも収納
そうだ!
ベッドも机も全ての家具も絨毯も
繋ぎの部屋にあるものも
自室にもどってベッドも本棚も収納
自室も客間も父の部屋も
使用人のエリアにあるものも
廊下の絨毯でさえ
本っ当に全て丸ごと
収納してやった
ストレスが、溜まっていたのだと思う。
薪やモルタル
庭師の道具や花の苗、種や肥料までもっていったのはちょっとやりすぎたのかもしれない
厨房に下り鍋から食材に至るまで全て納めた
以外とワインが多かった
何しろ倉いっぱいに詰まっていた
これは成人したあと楽しみだ
8歳の私が持ち出したなんて誰も思わないだろう。
何しろ10歳のスキル開眼の儀式がまだなんだから‥
後日、乾いた薪が一番役に立った
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