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10.【弱腰男は墓穴を掘り続ける】
私が魔王なら貴方は何でしょう?
敵対しているのですからね……考えられるとしたら序盤で消える幼なじみ? いやいや、私とソリウスは非常に残念ながら括りは幼なじみだから認めないので……物語が始まる前に星になった知人? そこまで行くと敵対関係ないですね……。
「さあ、ソリウス様。言い分をどうぞ。幸運な事にこの場には公明正大に判断が出来る貴方の上司だけでなく、第4王子殿下と聖女様、騎士を統べられる騎士団長様も女性貴族の事を誰より御存知な令嬢方も揃っております。今こそ貴方の言い分を言う時です!」
断罪は夜会のパーティーが定番なのにお茶会を断罪の場に選ぶなんて、はっきり言って様式美すら理解しないソリウスには失望しかありませんが、わたしにも欠片ほどのこだわりがあります。
最後にソリウスに舞台を提供する悪女の心意気を目に焼き付けると良いわ!
ですが、騎士団長に転がされたままのソリウスは涙目で震えるだけ。
何ですか?
「まさか……貴方、怪我をして痛いから話せないの!? 何て事……騎士団では転んで痛かったら許されるのね……」
嘘でしょう……私は王都で信じられない事実を知ってしまいました。
恐るべき裏口入隊!
私は騎士団長を振り返りました。
「泣いて許されるのは幼児だけです。大半の騎士は転んだくらいで涙は見せません」
「では、この騎士は?」
「……幻覚です」
どうやら騎士団長はお疲れのようです。
私は仁義溢れるソリウスの上司に視線を移しました。
「どう判断されますか?」
「……」
「どう判断されますか?」
「……」
私が何度問いかけても無視ですか。
なるほど、やはり部下思いの上司は部下の言い分を聞いてからではないと判断出来ないと言う事でしょう。
同じ裏口入隊とは言っても、流石に上官になる人は違いますね。
判断が出来ないから沈黙を返す、この程度の賢さはソリウスも今後辺境で行く抜く為にも身につけておくべき技術ではないでしょうか。
「アステリア伯爵令嬢」
場が膠着した所で、聖女様のおられる場所から私に近付く聖騎士の姿がありました。
確か、リンカ様に付いていた聖騎士の方です。
さっきまではいらっしゃらなかったので、後から駆け込んできた神殿関係者の中におられたのでしょうか。
「どうされました?」
「そう矢継ぎ早に喋って追い込んではいけません。きちんと言い分を聞くなら、待つ事も重要でしょう」
穏やかに微笑みながら、私やエリックに話しかけられました。
終始冷静である私はともかく、エリックはあからさまに安堵した顔をしました。
「ですが」
「アステリア伯爵令嬢。焦ってはいけません。まずは彼の言い分を聞きましょう」
その聖騎士の言葉を聞いたエリックは急に立ち上がり、
「その女が犯人です! フロスティアしか犯人たり得ません!」
元気よく言ったエリックに私は目を細めました。
ちょっと優しくされたくらいで味方が付いたと思ったのでしょうね。
ちゃんと聖騎士の方が何と言ったのか聞いていたの?
「では、根拠をお願いします」
「はい?」
「ですから、貴方がアステリア伯爵令嬢が犯人だと思われる根拠です」
「いや……だって、フロスティア以外あり得ないでしょう!」
「そのあり得ないと思われる根拠を出して頂きたい」
呆然とした顔でソリウスは聖騎士の方を見てますが、最初から「言い分を聞きましょう」って仰ってましたよ。
穴が開いているだけの耳でどうやって生活していたのか謎すぎますね。
「……そんなの、私とリンカ様の仲に嫉妬したからですよ!」
私が知っているのは貴方がリンカ様に婚約を申し込んで振られた事だけです。
既にリンカ様にも振られているのに、世迷い言を言うソリウスに言い返そうとした私の目の前に、すっと聖騎士の方が立たれました。
ああ、まだソリウスの言い分を聞く番なのねと理解し、私は堪えました。
「嫉妬したからと?」
「そうです! そもそもこの女はいつまでも婚約を白紙にせず、私に縋り続けていたのです!」
「白紙となったのでしょう?」
「ええ! すっかりさっぱり縁が切れているのに、私とリンカ様に嫉妬して嫌がらせを……!」
「貴女方への嫉妬だとして、何故聖女様に毒を盛る事になるのです?」
ソリウスが言葉に詰まりました。
そこが一番重要でしょうに。
無計画な男はやることなす事驚かせてきますね。
取り敢えずただただ元婚約者を悪者にしたかった男。
この部屋に集まった者達から、徐々に怒りと哀れを含んだ目がソリウスに向けられます。
「そんな……そうです、さっきまでのこの女の行動見ていたでしょう! この女は性格が悪いのだから、聖女に毒を盛るのは当然でしょう!」
これはこれで言い分としては苦しいですね。
ソリウスの上司の方を見ると、やはり顔色が優れません。部下思いだから……不出来な部下に心を痛めるなんて、上司の鑑です。
「つまり、貴方は性格の悪い元婚約者が嫉妬して毒を盛ったと仰るのですね?」
「はい! 犯人はフロスティア以外いません!」
「では、貴方はそれを知りながら何をしました?」
聖騎士の方の問いが何を意味しているのか分からず、私も一瞬驚きました。
ソリウスの表情は聖騎士の方の背中に遮られて私には見えません。
「最初のリンカ様との仲に嫉妬したと仰っていましたが、それに対してまず貴方は何をなさいましたか?」
「え……? 何をって……何をする事も……」
「つまり貴方は放置したと言う事ですね」
「あ……いや、婚約を白紙にしないような女で……」
「婚約については家の意向に従っただけでしょう。それに、婚約の白紙化は多くは婚約自体には問題がなかった証拠にもなります。白紙、解消、破棄の差ぐらい御存知でしょう?」
あー……聖騎士の方の発言は、私とソリウスの婚約事情を知った上でのソリウスへの皮肉ですか。
ソリウスは何もしなかった。
自分から白紙を申し出ても良かったのに、私から申し出なかった事を恨み続けていた事も、今回のソリウスの言い分で分かりました。
「それで、貴方は何をしたのですか?」
敵対しているのですからね……考えられるとしたら序盤で消える幼なじみ? いやいや、私とソリウスは非常に残念ながら括りは幼なじみだから認めないので……物語が始まる前に星になった知人? そこまで行くと敵対関係ないですね……。
「さあ、ソリウス様。言い分をどうぞ。幸運な事にこの場には公明正大に判断が出来る貴方の上司だけでなく、第4王子殿下と聖女様、騎士を統べられる騎士団長様も女性貴族の事を誰より御存知な令嬢方も揃っております。今こそ貴方の言い分を言う時です!」
断罪は夜会のパーティーが定番なのにお茶会を断罪の場に選ぶなんて、はっきり言って様式美すら理解しないソリウスには失望しかありませんが、わたしにも欠片ほどのこだわりがあります。
最後にソリウスに舞台を提供する悪女の心意気を目に焼き付けると良いわ!
ですが、騎士団長に転がされたままのソリウスは涙目で震えるだけ。
何ですか?
「まさか……貴方、怪我をして痛いから話せないの!? 何て事……騎士団では転んで痛かったら許されるのね……」
嘘でしょう……私は王都で信じられない事実を知ってしまいました。
恐るべき裏口入隊!
私は騎士団長を振り返りました。
「泣いて許されるのは幼児だけです。大半の騎士は転んだくらいで涙は見せません」
「では、この騎士は?」
「……幻覚です」
どうやら騎士団長はお疲れのようです。
私は仁義溢れるソリウスの上司に視線を移しました。
「どう判断されますか?」
「……」
「どう判断されますか?」
「……」
私が何度問いかけても無視ですか。
なるほど、やはり部下思いの上司は部下の言い分を聞いてからではないと判断出来ないと言う事でしょう。
同じ裏口入隊とは言っても、流石に上官になる人は違いますね。
判断が出来ないから沈黙を返す、この程度の賢さはソリウスも今後辺境で行く抜く為にも身につけておくべき技術ではないでしょうか。
「アステリア伯爵令嬢」
場が膠着した所で、聖女様のおられる場所から私に近付く聖騎士の姿がありました。
確か、リンカ様に付いていた聖騎士の方です。
さっきまではいらっしゃらなかったので、後から駆け込んできた神殿関係者の中におられたのでしょうか。
「どうされました?」
「そう矢継ぎ早に喋って追い込んではいけません。きちんと言い分を聞くなら、待つ事も重要でしょう」
穏やかに微笑みながら、私やエリックに話しかけられました。
終始冷静である私はともかく、エリックはあからさまに安堵した顔をしました。
「ですが」
「アステリア伯爵令嬢。焦ってはいけません。まずは彼の言い分を聞きましょう」
その聖騎士の言葉を聞いたエリックは急に立ち上がり、
「その女が犯人です! フロスティアしか犯人たり得ません!」
元気よく言ったエリックに私は目を細めました。
ちょっと優しくされたくらいで味方が付いたと思ったのでしょうね。
ちゃんと聖騎士の方が何と言ったのか聞いていたの?
「では、根拠をお願いします」
「はい?」
「ですから、貴方がアステリア伯爵令嬢が犯人だと思われる根拠です」
「いや……だって、フロスティア以外あり得ないでしょう!」
「そのあり得ないと思われる根拠を出して頂きたい」
呆然とした顔でソリウスは聖騎士の方を見てますが、最初から「言い分を聞きましょう」って仰ってましたよ。
穴が開いているだけの耳でどうやって生活していたのか謎すぎますね。
「……そんなの、私とリンカ様の仲に嫉妬したからですよ!」
私が知っているのは貴方がリンカ様に婚約を申し込んで振られた事だけです。
既にリンカ様にも振られているのに、世迷い言を言うソリウスに言い返そうとした私の目の前に、すっと聖騎士の方が立たれました。
ああ、まだソリウスの言い分を聞く番なのねと理解し、私は堪えました。
「嫉妬したからと?」
「そうです! そもそもこの女はいつまでも婚約を白紙にせず、私に縋り続けていたのです!」
「白紙となったのでしょう?」
「ええ! すっかりさっぱり縁が切れているのに、私とリンカ様に嫉妬して嫌がらせを……!」
「貴女方への嫉妬だとして、何故聖女様に毒を盛る事になるのです?」
ソリウスが言葉に詰まりました。
そこが一番重要でしょうに。
無計画な男はやることなす事驚かせてきますね。
取り敢えずただただ元婚約者を悪者にしたかった男。
この部屋に集まった者達から、徐々に怒りと哀れを含んだ目がソリウスに向けられます。
「そんな……そうです、さっきまでのこの女の行動見ていたでしょう! この女は性格が悪いのだから、聖女に毒を盛るのは当然でしょう!」
これはこれで言い分としては苦しいですね。
ソリウスの上司の方を見ると、やはり顔色が優れません。部下思いだから……不出来な部下に心を痛めるなんて、上司の鑑です。
「つまり、貴方は性格の悪い元婚約者が嫉妬して毒を盛ったと仰るのですね?」
「はい! 犯人はフロスティア以外いません!」
「では、貴方はそれを知りながら何をしました?」
聖騎士の方の問いが何を意味しているのか分からず、私も一瞬驚きました。
ソリウスの表情は聖騎士の方の背中に遮られて私には見えません。
「最初のリンカ様との仲に嫉妬したと仰っていましたが、それに対してまず貴方は何をなさいましたか?」
「え……? 何をって……何をする事も……」
「つまり貴方は放置したと言う事ですね」
「あ……いや、婚約を白紙にしないような女で……」
「婚約については家の意向に従っただけでしょう。それに、婚約の白紙化は多くは婚約自体には問題がなかった証拠にもなります。白紙、解消、破棄の差ぐらい御存知でしょう?」
あー……聖騎士の方の発言は、私とソリウスの婚約事情を知った上でのソリウスへの皮肉ですか。
ソリウスは何もしなかった。
自分から白紙を申し出ても良かったのに、私から申し出なかった事を恨み続けていた事も、今回のソリウスの言い分で分かりました。
「それで、貴方は何をしたのですか?」
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