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後日談2
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旭の旧居から運び込まれた、数箱の段ボール。
蓮は「君の過去を整理するのも、私の効率的な管理の一環だ」と言い放ち、旭の静止を振り切って書斎のクローゼットを開いた。
ガサッ、という乾いた音。
次の瞬間、蓮の身体が石像のように硬直した。
「旭。これは、何だ」
旭は、キッチンで淹れていたコーヒーのカップを、トレイごとひっくり返しそうになった。
慌てて駆け寄った視線の先。
そこには、一条家の洗練されたインテリアとは対極にある、色彩の暴力が並んでいた。
壁一面を埋め尽くす、モデル『REN』のポスター。
そして、棚に整然と並べられた、限定版のアクリルスタンド三体。
保存用、観賞用、そして布教用。
旭の顔面は、今や熟れたトマトよりも深い赤色に染まっていた。
喉の奥が引き攣れ、酸素がうまく吸い込めない。
「一条さん、それは、その」
蓮は無言のまま、棚から一冊の雑誌を手に取った。
それは、RENが初めて表紙を飾った、今やプレミア価格で取引されているバックナンバーだ。
ページには、旭が何度も読み返したせいでついた、小さな折り目や、指先の跡が刻まれている。
「この、付箋の数。そして、この写真に添えられた、『脊柱起立筋が神』という手書きのメモは、君の字か」
「見ないでください! それは、その、研究材料でございます!」
蓮はゆっくりと旭へと振り返った。
眼鏡の奥の瞳には、驚愕を通り越した、得体の知れない熱が灯っている。
蓮は旭との距離を詰め、彼をポスターが貼られた壁へと押し込めた。
背中に当たるポスターの、冷たく滑らかな感触。
目の前には、そのポスターよりも数百倍眩しい「本物」が迫っている。
「君は。君は、私と出会う前から、こんなにも私を、熱烈に注視していたのか」
「注視なんて、人聞きの悪い! 私はただ、一条さんの、その、生きる姿勢を応援していただけで!」
旭の声が、蓮の放つ重厚な威圧感に飲まれる。
蓮は旭の隣にある自分のアクリルスタンドを指先で弾くと、旭の腰を強引に引き寄せた。
「効率的だな。私のパートナーが、私の世界で一番の信奉者であるということは、私の自己肯定感を維持する上で、最高に合理的だ」
蓮の唇が、旭の唇を奪う。
自分のポスターに囲まれた、狂気的な空間。
旭は、蓮の腕の中で、恥ずかしさで意識が飛びそうになりながらも、彼の手のひらから伝わる喜悦の拍動を受け入れた。
蓮の指先が旭の背中をなぞり、ポスターの中の自分と競い合うように、より深く、より熱く、旭の体温を求めて蠢いた。
蓮は「君の過去を整理するのも、私の効率的な管理の一環だ」と言い放ち、旭の静止を振り切って書斎のクローゼットを開いた。
ガサッ、という乾いた音。
次の瞬間、蓮の身体が石像のように硬直した。
「旭。これは、何だ」
旭は、キッチンで淹れていたコーヒーのカップを、トレイごとひっくり返しそうになった。
慌てて駆け寄った視線の先。
そこには、一条家の洗練されたインテリアとは対極にある、色彩の暴力が並んでいた。
壁一面を埋め尽くす、モデル『REN』のポスター。
そして、棚に整然と並べられた、限定版のアクリルスタンド三体。
保存用、観賞用、そして布教用。
旭の顔面は、今や熟れたトマトよりも深い赤色に染まっていた。
喉の奥が引き攣れ、酸素がうまく吸い込めない。
「一条さん、それは、その」
蓮は無言のまま、棚から一冊の雑誌を手に取った。
それは、RENが初めて表紙を飾った、今やプレミア価格で取引されているバックナンバーだ。
ページには、旭が何度も読み返したせいでついた、小さな折り目や、指先の跡が刻まれている。
「この、付箋の数。そして、この写真に添えられた、『脊柱起立筋が神』という手書きのメモは、君の字か」
「見ないでください! それは、その、研究材料でございます!」
蓮はゆっくりと旭へと振り返った。
眼鏡の奥の瞳には、驚愕を通り越した、得体の知れない熱が灯っている。
蓮は旭との距離を詰め、彼をポスターが貼られた壁へと押し込めた。
背中に当たるポスターの、冷たく滑らかな感触。
目の前には、そのポスターよりも数百倍眩しい「本物」が迫っている。
「君は。君は、私と出会う前から、こんなにも私を、熱烈に注視していたのか」
「注視なんて、人聞きの悪い! 私はただ、一条さんの、その、生きる姿勢を応援していただけで!」
旭の声が、蓮の放つ重厚な威圧感に飲まれる。
蓮は旭の隣にある自分のアクリルスタンドを指先で弾くと、旭の腰を強引に引き寄せた。
「効率的だな。私のパートナーが、私の世界で一番の信奉者であるということは、私の自己肯定感を維持する上で、最高に合理的だ」
蓮の唇が、旭の唇を奪う。
自分のポスターに囲まれた、狂気的な空間。
旭は、蓮の腕の中で、恥ずかしさで意識が飛びそうになりながらも、彼の手のひらから伝わる喜悦の拍動を受け入れた。
蓮の指先が旭の背中をなぞり、ポスターの中の自分と競い合うように、より深く、より熱く、旭の体温を求めて蠢いた。
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