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石造りの作業場に、夜の静寂が染み込んでいく。
カチ、カチと規則正しい音を立てる古時計の音だけが響く中、ヴァンは文字通り「石」になっていた。
右肩に、ずしりとした心地よい重みがある。リナートが、琥珀の玉を握ったまま眠りに落ちてしまったのだ。銀色の髪がヴァンの首筋をくすぐり、吸い込まれるような甘い香りが肺の奥まで入り込んでくる。
「……おい、リナート。起きろ、風邪を引くぞ」
ヴァンの声は、自分でも驚くほど小さく、掠れていた。
本来なら、乱暴に揺り起こして寝室へ放り込むのが頭領としての、そして男としての正解だろう。だが、自分の肩に頬を埋めて、薄い唇から微かな寝息を漏らしているこの青年を、どうしても手荒に扱えない。
ヴァンの視線は、無意識にリナートの唇へと吸い寄せられた。
赤みの差した、柔らかな質感。泥を啜っていた男のものとは思えないほど、それは清らかに閉ざされている。
ヴァンはごくりと唾を飲み込み、慌てて視線を天井へと投げた。
いけない。これは毒だ。
自分はこれまで、戦いと略奪……いや、回収の合間に、色事などいくらでも転がっていた環境にいた。それなのに、なぜこの銀髪の天然記念物一人に、初陣の少年兵のような緊張を強いられているのか。
ヴァンの首筋に一筋の汗が流れる。
心臓が、肋骨を内側から突き破らんばかりに跳ねていた。この音がリナートに伝わってしまわないか、それだけが恐怖だった。
「……ん、ふふ。ヴァン……暖かいです」
リナートが夢の中でヴァンの名前を呼び、さらに深く肩に頭を擦り寄せてきた。
「っ……! この、野郎……!」
ヴァンは限界だった。これ以上ここにいたら、自分の中の理性が霧散してしまう。
彼はリナートの脇に手を差し入れると、昨日と同様、お姫様抱っこの形で彼を抱え上げた。
「……うわ。ヴァン、お帰りなさい?」
宙に浮いた感覚に驚いたのか、リナートが翡翠色の瞳を僅かに開いた。寝ぼけ眼でヴァンを見つめ、あろうことか彼の逞しい首筋に両腕を回してくる。
「おはようじゃねえ、寝ろ! それと、くっつくな!」
「ええ、でも。ヴァンの近くは安心するんです。……あ、もしかして、ご褒美ですか?」
「はあ? 何の……」
ヴァンが言いかけたところで、リナートのお腹が「ぐう」と、なんとも可愛らしい音を立てた。
ヴァンは脱力した。この青年にとって、ヴァンの腕の中はロマンチックな場所ではなく、単なる「暖房器具付きの食堂」に近い扱いなのかもしれない。
結局、ヴァンはリナートを食堂へと連れて行き、今朝の買い出しでこっそり購入していた蜂蜜菓子を取り出した。
クローバーの香りが凝縮された、黄金色の粘り気のある菓子だ。それを一口大に切って皿に乗せると、リナートの目がぱあっと輝いた。
「わあ! これ、本物のお菓子ですか? 宝石みたいです!」
「さっさと食え。……お前が、あのガラクタの中から魔石を見つけた功績だ。特別だぞ」
ヴァンは椅子に座り、腕組みをしてそっぽを向いた。
リナートは嬉しそうにフォークを動かそうとしたが、指先の包帯が邪魔をして、上手く菓子を刺せない。もどかしそうに指を動かすリナートを見て、ヴァンは我慢できずに椅子を鳴らして立ち上がった。
「……貸せ。お前は本当に、何をやらせても危なっかしいな」
「あ、すみません。ヴァンに食べさせてもらえるなんて、私、一生の運命を使い果たしてしまったかもしれません」
「大げさなんだよ!」
ヴァンは顔を真っ赤にしながら、フォークで菓子を突き刺し、リナートの口元へと運んだ。
リナートは躊躇うことなく、小さな口を「あーん」と開ける。
その無防備な動作に、ヴァンの指先が僅かに震えた。
リナートが菓子を口に含み、ゆっくりと味わう。
「……っ! 美味しいです……! お花畑が口の中で踊っているみたいです!」
「どんな表現だ。……ほら、次だ」
「はい! あーん」
一口、また一口。
ヴァンが菓子を運ぶたび、リナートは幸せそうに目を細め、ヴァンの顔をじっと見つめてくる。
その視線には、媚びも、誘惑もない。ただ、自分を助けてくれた男への、絶対的な信頼と好意だけが詰まっている。
それが、何よりもヴァンの心を抉った。
もし、このリナートが打算的な人間であれば、どれほど楽だっただろう。
だが、この青年は、自分の「美しさ」という武器の使い方も知らず、ただヴァンの優しさに甘えている。
「……ヴァン。あなたの手、やっぱり凄く好きです。このお菓子よりも、ずっと温かい気がします」
リナートが、ヴァンの手首にそっと自分の手を添えた。
菓子を食べることに夢中だったはずなのに、その翡翠色の瞳はいつの間にか、ヴァンの瞳を真っ直ぐに射抜いている。
「……、……っ」
ヴァンは声が出なかった。
心臓が、うるさい。あまりにもうるさすぎて、自分の呼吸の音さえ聞こえない。
誰か助けてくれ。この天然の猛攻から、俺を救い出してくれ。
「おーい、ヴァン。夜食なら俺たちにも……って、うわ。何やってんだよ、お二人さん」
絶妙なタイミングで、ログが厨房から姿を現した。背後には、目を丸くしたメイもいる。
「ば……っ、馬鹿野郎! 何もしてねえ! こいつが、手が不自由だって言うから……!」
ヴァンは弾かれたように椅子から飛び退き、フォークを床に落とした。
ログは床に落ちたフォークと、口の端に蜜をつけたままのリナート、そして茹で上がった蛸のように赤いヴァンの顔を交互に見て、盛大に吹き出した。
「くははは! 『あーん』かよ! 頭領、あんたそんなキャラだったっけ? あー、おかしい。腹が痛え!」
「うわあ……。頭領、意外とマメなのね。リナート、味はどう?」
メイがニヤニヤしながらリナートに近寄る。
リナートは口元の蜜をペロリと舐めとると、いつものように屈託なく微笑んだ。
「はい! ヴァンが選んでくれたお菓子、世界で一番甘くて、美味しかったです」
その一言が、ヴァンのHP(体力)を完全にゼロにした。
「……勝手にしろ! 俺はもう寝る!」
ヴァンは捨て台詞を吐くと、全速力で自分の寝室へと逃げ込んだ。
背後でログたちの爆笑が響く中、彼は冷たいベッドに倒れ込み、枕に顔を押し付けた。
初恋の難易度が、天を突き抜けている。
リナートが何気なく放つ言葉のすべてが、ヴァンの鎧を剥ぎ取り、剥き出しの心臓を直撃してくるのだ。
「……クソ。あんな奴、拾うんじゃなかった……」
そう呟きながらも、ヴァンの唇の端は、ほんの僅かに、幸せそうに緩んでいた。
一方、食堂に残されたリナートは、最後の一切れの菓子を大切そうに眺めながら、独り言のように呟く。
「ヴァン。今度は、私がお返しをしますね」
その「お返し」の内容が、翌日、またヴァンの心臓を危機に陥らせることを、まだ誰も知らない。
カチ、カチと規則正しい音を立てる古時計の音だけが響く中、ヴァンは文字通り「石」になっていた。
右肩に、ずしりとした心地よい重みがある。リナートが、琥珀の玉を握ったまま眠りに落ちてしまったのだ。銀色の髪がヴァンの首筋をくすぐり、吸い込まれるような甘い香りが肺の奥まで入り込んでくる。
「……おい、リナート。起きろ、風邪を引くぞ」
ヴァンの声は、自分でも驚くほど小さく、掠れていた。
本来なら、乱暴に揺り起こして寝室へ放り込むのが頭領としての、そして男としての正解だろう。だが、自分の肩に頬を埋めて、薄い唇から微かな寝息を漏らしているこの青年を、どうしても手荒に扱えない。
ヴァンの視線は、無意識にリナートの唇へと吸い寄せられた。
赤みの差した、柔らかな質感。泥を啜っていた男のものとは思えないほど、それは清らかに閉ざされている。
ヴァンはごくりと唾を飲み込み、慌てて視線を天井へと投げた。
いけない。これは毒だ。
自分はこれまで、戦いと略奪……いや、回収の合間に、色事などいくらでも転がっていた環境にいた。それなのに、なぜこの銀髪の天然記念物一人に、初陣の少年兵のような緊張を強いられているのか。
ヴァンの首筋に一筋の汗が流れる。
心臓が、肋骨を内側から突き破らんばかりに跳ねていた。この音がリナートに伝わってしまわないか、それだけが恐怖だった。
「……ん、ふふ。ヴァン……暖かいです」
リナートが夢の中でヴァンの名前を呼び、さらに深く肩に頭を擦り寄せてきた。
「っ……! この、野郎……!」
ヴァンは限界だった。これ以上ここにいたら、自分の中の理性が霧散してしまう。
彼はリナートの脇に手を差し入れると、昨日と同様、お姫様抱っこの形で彼を抱え上げた。
「……うわ。ヴァン、お帰りなさい?」
宙に浮いた感覚に驚いたのか、リナートが翡翠色の瞳を僅かに開いた。寝ぼけ眼でヴァンを見つめ、あろうことか彼の逞しい首筋に両腕を回してくる。
「おはようじゃねえ、寝ろ! それと、くっつくな!」
「ええ、でも。ヴァンの近くは安心するんです。……あ、もしかして、ご褒美ですか?」
「はあ? 何の……」
ヴァンが言いかけたところで、リナートのお腹が「ぐう」と、なんとも可愛らしい音を立てた。
ヴァンは脱力した。この青年にとって、ヴァンの腕の中はロマンチックな場所ではなく、単なる「暖房器具付きの食堂」に近い扱いなのかもしれない。
結局、ヴァンはリナートを食堂へと連れて行き、今朝の買い出しでこっそり購入していた蜂蜜菓子を取り出した。
クローバーの香りが凝縮された、黄金色の粘り気のある菓子だ。それを一口大に切って皿に乗せると、リナートの目がぱあっと輝いた。
「わあ! これ、本物のお菓子ですか? 宝石みたいです!」
「さっさと食え。……お前が、あのガラクタの中から魔石を見つけた功績だ。特別だぞ」
ヴァンは椅子に座り、腕組みをしてそっぽを向いた。
リナートは嬉しそうにフォークを動かそうとしたが、指先の包帯が邪魔をして、上手く菓子を刺せない。もどかしそうに指を動かすリナートを見て、ヴァンは我慢できずに椅子を鳴らして立ち上がった。
「……貸せ。お前は本当に、何をやらせても危なっかしいな」
「あ、すみません。ヴァンに食べさせてもらえるなんて、私、一生の運命を使い果たしてしまったかもしれません」
「大げさなんだよ!」
ヴァンは顔を真っ赤にしながら、フォークで菓子を突き刺し、リナートの口元へと運んだ。
リナートは躊躇うことなく、小さな口を「あーん」と開ける。
その無防備な動作に、ヴァンの指先が僅かに震えた。
リナートが菓子を口に含み、ゆっくりと味わう。
「……っ! 美味しいです……! お花畑が口の中で踊っているみたいです!」
「どんな表現だ。……ほら、次だ」
「はい! あーん」
一口、また一口。
ヴァンが菓子を運ぶたび、リナートは幸せそうに目を細め、ヴァンの顔をじっと見つめてくる。
その視線には、媚びも、誘惑もない。ただ、自分を助けてくれた男への、絶対的な信頼と好意だけが詰まっている。
それが、何よりもヴァンの心を抉った。
もし、このリナートが打算的な人間であれば、どれほど楽だっただろう。
だが、この青年は、自分の「美しさ」という武器の使い方も知らず、ただヴァンの優しさに甘えている。
「……ヴァン。あなたの手、やっぱり凄く好きです。このお菓子よりも、ずっと温かい気がします」
リナートが、ヴァンの手首にそっと自分の手を添えた。
菓子を食べることに夢中だったはずなのに、その翡翠色の瞳はいつの間にか、ヴァンの瞳を真っ直ぐに射抜いている。
「……、……っ」
ヴァンは声が出なかった。
心臓が、うるさい。あまりにもうるさすぎて、自分の呼吸の音さえ聞こえない。
誰か助けてくれ。この天然の猛攻から、俺を救い出してくれ。
「おーい、ヴァン。夜食なら俺たちにも……って、うわ。何やってんだよ、お二人さん」
絶妙なタイミングで、ログが厨房から姿を現した。背後には、目を丸くしたメイもいる。
「ば……っ、馬鹿野郎! 何もしてねえ! こいつが、手が不自由だって言うから……!」
ヴァンは弾かれたように椅子から飛び退き、フォークを床に落とした。
ログは床に落ちたフォークと、口の端に蜜をつけたままのリナート、そして茹で上がった蛸のように赤いヴァンの顔を交互に見て、盛大に吹き出した。
「くははは! 『あーん』かよ! 頭領、あんたそんなキャラだったっけ? あー、おかしい。腹が痛え!」
「うわあ……。頭領、意外とマメなのね。リナート、味はどう?」
メイがニヤニヤしながらリナートに近寄る。
リナートは口元の蜜をペロリと舐めとると、いつものように屈託なく微笑んだ。
「はい! ヴァンが選んでくれたお菓子、世界で一番甘くて、美味しかったです」
その一言が、ヴァンのHP(体力)を完全にゼロにした。
「……勝手にしろ! 俺はもう寝る!」
ヴァンは捨て台詞を吐くと、全速力で自分の寝室へと逃げ込んだ。
背後でログたちの爆笑が響く中、彼は冷たいベッドに倒れ込み、枕に顔を押し付けた。
初恋の難易度が、天を突き抜けている。
リナートが何気なく放つ言葉のすべてが、ヴァンの鎧を剥ぎ取り、剥き出しの心臓を直撃してくるのだ。
「……クソ。あんな奴、拾うんじゃなかった……」
そう呟きながらも、ヴァンの唇の端は、ほんの僅かに、幸せそうに緩んでいた。
一方、食堂に残されたリナートは、最後の一切れの菓子を大切そうに眺めながら、独り言のように呟く。
「ヴァン。今度は、私がお返しをしますね」
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