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翌朝。小鳥のさえずりで目が覚めると、隣はもう空っぽだった。
慌てて起き上がり、キッチンへ向かう。
「おはようございます、ヴァルさん」
「……おはよう、エリアン」
裏庭に続く扉の前に、ヴァルさんが立っていた。
朝日を浴びる彼の姿は、まるで絵画のように美しい。
「何をしているんですか?」
「……庭に、妙な草が生えていた。これは何だ?」
彼が指差したのは、僕が昨日見つけておいた「ワイルドミント」と「ローズマリー」の群生だった。
「それはハーブですよ。お肉の臭みを消したり、お茶にしたりできるんです」
「草を、茶に……?」
「美味しいですよ。やってみましょうか」
僕はバスケットを手に、庭へと踏み出した。
湿った土の匂い、朝露に濡れた葉の感触。
ヴァルさんは僕の後ろを、影のように静かについてくる。
「これ、摘んでみてください。指で少し擦ると、いい香りがしますよ」
僕が教えると、彼は大きな手でそっとミントの葉を撫でた。
清涼感のある香りがふわりと漂う。
「……っ、これは……鼻が通るような、不思議な匂いだ」
「リラックス効果があるんです。ヴァルさん、昨日はよく眠れました?」
「……ああ。あんなに深く眠れたのは、十数年ぶりだ」
彼は自分の手のひらを見つめ、それから僕をじっと見た。
その瞳には、昨日までの警戒心とは違う、純粋な好奇心のような色が混じっている。
「エリアン、君の魔法は何だ? ……いや、魔法ではないな。これは何という力だ」
「ただの生活の知恵ですよ。……さて、朝ごはんにしましょう。今日はハーブ香る厚切りベーコンエッグです!」
「ベーコン……エッグ……」
ヴァルさんの喉が、期待に満ちて小さく動くのを、僕は見逃さなかった。
慌てて起き上がり、キッチンへ向かう。
「おはようございます、ヴァルさん」
「……おはよう、エリアン」
裏庭に続く扉の前に、ヴァルさんが立っていた。
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「何をしているんですか?」
「……庭に、妙な草が生えていた。これは何だ?」
彼が指差したのは、僕が昨日見つけておいた「ワイルドミント」と「ローズマリー」の群生だった。
「それはハーブですよ。お肉の臭みを消したり、お茶にしたりできるんです」
「草を、茶に……?」
「美味しいですよ。やってみましょうか」
僕はバスケットを手に、庭へと踏み出した。
湿った土の匂い、朝露に濡れた葉の感触。
ヴァルさんは僕の後ろを、影のように静かについてくる。
「これ、摘んでみてください。指で少し擦ると、いい香りがしますよ」
僕が教えると、彼は大きな手でそっとミントの葉を撫でた。
清涼感のある香りがふわりと漂う。
「……っ、これは……鼻が通るような、不思議な匂いだ」
「リラックス効果があるんです。ヴァルさん、昨日はよく眠れました?」
「……ああ。あんなに深く眠れたのは、十数年ぶりだ」
彼は自分の手のひらを見つめ、それから僕をじっと見た。
その瞳には、昨日までの警戒心とは違う、純粋な好奇心のような色が混じっている。
「エリアン、君の魔法は何だ? ……いや、魔法ではないな。これは何という力だ」
「ただの生活の知恵ですよ。……さて、朝ごはんにしましょう。今日はハーブ香る厚切りベーコンエッグです!」
「ベーコン……エッグ……」
ヴァルさんの喉が、期待に満ちて小さく動くのを、僕は見逃さなかった。
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