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ジェイクSide9
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リアに会いに行った次の日…
朝、リカルド殿下の護衛をしていると、リカルド殿下が話しかけてきた。
「エメラルド隊長…いつも、昨日のような事を?」
「?」
「婚約者との手合わせだ。」
「いえ。」
「そうなのか?息が合っていたぞ。」
「そうですか。」
「この国の女性は皆、武術の心得があるのか?」
「いえ、皆ではありません。しかし、女性騎士もいますし、珍しいことではないと思います。」
貴族女性では珍しいのだが、それは言わない。この国の女性、と言われたのだ。貴族とか平民とかは、言う必要がないと判断した。
そして、その日の学園生活は、何事もなく終わったのだった。
また次の日…
俺は城にいた。
「ジェイク。リカルド殿下の様子はどうだ?」
「何事もなく、過ごされていますよ。」
リカルド殿下の今回の留学、実は後継者争いから逃げる為に、決まった事であった。
第1王子と第2王子は戦う気満々。
一方、第3王子リカルド殿下に王太子になる気はない。しかし、周りが擁立させようとしている為、ライバルを減らそうと暗殺されることも考えられた。
そこで、周辺諸国でわりと友好的な我が国に、留学という形が取られたのだ。
「こちらで何かあったら、こちらの落ち度になるからな。」
レオン殿下の指示により、リカルド殿下がこちらに来る少し前から現在に至るまで、隣国とリカルド殿下の周辺を調査、警戒している。
「分かっております。」
「はぁ…。いつまでこれが続くんだ?」
「隣国の王が、王太子を決めるまででしょうか?」
「早く何とかしてほしいな。第1王子と、第2王子のその後は?」
「第1王子は、特に何も。第2王子は何やら画策しているようです。」
「そうか。スターチス、引き続き頼む。」
「畏まりました。」
「ジェイク。明日は、慰問だ。ユリーナと一緒に孤児院へ行くぞ。」
「畏まりました。」
レオン殿下は王太子妃のユリーナ様と定期的に孤児院へ訪問しており、子ども達に会う事を、案外楽しみにしている。
「子供たちに会うと癒やされるんだよな。」
「ご自分のお子の事もそろそろ考えないと、うるさい方たちが突撃してきますよ。」
スターチスが軽く発言する。
「それな…。もうやられた。まだ結婚して1年も経っていないのに、側妃を勧めてきたぞ。」
「…お気の毒様です。」
王、王太子のみに多妻が認められているが、現在の陛下とレオン殿下は、側妃を娶ろうとは考えていなかった。
「争い事にしかならんのに、なぜ側妃を迎えねばならん。子供ができなければ、縁者などいくらでもいるだろう。」
「時期国王の後ろ盾になって、力を得たいのでしょうね。」
「はぁ…。」
そんな話をしながらも、手元では書類仕事を行っている二人は凄いと思う。
俺は胸に手を当て、内側に入れてあるハンカチを感じた。
俺も頑張らねばな。
そして、手元にある明日の護衛に関する書類に目を通す。
朝、リカルド殿下の護衛をしていると、リカルド殿下が話しかけてきた。
「エメラルド隊長…いつも、昨日のような事を?」
「?」
「婚約者との手合わせだ。」
「いえ。」
「そうなのか?息が合っていたぞ。」
「そうですか。」
「この国の女性は皆、武術の心得があるのか?」
「いえ、皆ではありません。しかし、女性騎士もいますし、珍しいことではないと思います。」
貴族女性では珍しいのだが、それは言わない。この国の女性、と言われたのだ。貴族とか平民とかは、言う必要がないと判断した。
そして、その日の学園生活は、何事もなく終わったのだった。
また次の日…
俺は城にいた。
「ジェイク。リカルド殿下の様子はどうだ?」
「何事もなく、過ごされていますよ。」
リカルド殿下の今回の留学、実は後継者争いから逃げる為に、決まった事であった。
第1王子と第2王子は戦う気満々。
一方、第3王子リカルド殿下に王太子になる気はない。しかし、周りが擁立させようとしている為、ライバルを減らそうと暗殺されることも考えられた。
そこで、周辺諸国でわりと友好的な我が国に、留学という形が取られたのだ。
「こちらで何かあったら、こちらの落ち度になるからな。」
レオン殿下の指示により、リカルド殿下がこちらに来る少し前から現在に至るまで、隣国とリカルド殿下の周辺を調査、警戒している。
「分かっております。」
「はぁ…。いつまでこれが続くんだ?」
「隣国の王が、王太子を決めるまででしょうか?」
「早く何とかしてほしいな。第1王子と、第2王子のその後は?」
「第1王子は、特に何も。第2王子は何やら画策しているようです。」
「そうか。スターチス、引き続き頼む。」
「畏まりました。」
「ジェイク。明日は、慰問だ。ユリーナと一緒に孤児院へ行くぞ。」
「畏まりました。」
レオン殿下は王太子妃のユリーナ様と定期的に孤児院へ訪問しており、子ども達に会う事を、案外楽しみにしている。
「子供たちに会うと癒やされるんだよな。」
「ご自分のお子の事もそろそろ考えないと、うるさい方たちが突撃してきますよ。」
スターチスが軽く発言する。
「それな…。もうやられた。まだ結婚して1年も経っていないのに、側妃を勧めてきたぞ。」
「…お気の毒様です。」
王、王太子のみに多妻が認められているが、現在の陛下とレオン殿下は、側妃を娶ろうとは考えていなかった。
「争い事にしかならんのに、なぜ側妃を迎えねばならん。子供ができなければ、縁者などいくらでもいるだろう。」
「時期国王の後ろ盾になって、力を得たいのでしょうね。」
「はぁ…。」
そんな話をしながらも、手元では書類仕事を行っている二人は凄いと思う。
俺は胸に手を当て、内側に入れてあるハンカチを感じた。
俺も頑張らねばな。
そして、手元にある明日の護衛に関する書類に目を通す。
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