異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

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出てきたのは2人。

「どなた?」
「…部下だ。」
「部下?」
「はい!リカルド殿下護衛隊に所属しております!」

2人は私に向かって敬礼した。
よく見ると、確かにリカルド殿下の護衛騎士たちだ。

「何故、後をつけた。」
「後をつけたといいますか…」
「はっきりしろ!」
「はい!すみません!広場で見つめ合うお二人を見かけて、興味に負けました!」
「おい!」
「ほぉ。覗きをしていたと。」
「覗きというか、あんな所で見つめ合っていたら目に入るというか…。」
「あ?」
「いえ、すみませんでした!」

ピッと姿勢を正してジェイクの前に立っている。

「ジェイク。あんな所で、その…、とにかく私達にも非はあると思うので、そこまでにして街歩きを再開しましょう?」
「リア。お前は…。」
「悪漢では無かったのですし、時間が勿体ないですよ?」
「ふぅ、分かった。…お前達、他のヤツに余計な事を言うなよ。」
「「はい!もちろんです!」」
「もう、行け。」
「「はい!失礼します!」」

2人の騎士は走り去って行った。

「すまん。後でしっかり教育しておく。」
「ジェイク。ほどほどに。」
「ああ。」

そして、メイン通りに戻ろうと歩き始めると、ジェイクに手をひかれる。

「ジェイク?」

ジェイクは動いていなかった。

「どうしました?」
「もう少しここにいないか?」
「でも、こちらには何もあり、」

私が話し終わる前に、抱きしめられた。

「あいつらへも、感謝しなくてはな。人目のない所へ来る理由を作ってくれた。」
「じぇ、ジェイク?」
「後で、と言っていただろう?」
「い、言いましたが…。」

ジェイクの腕に力が入り、強く抱きしめられる。

「ジェイク。逃げませんから、少し力を…。」
「す、すまん。苦しかったか?」

ジェイクは、腕の力を抜いて私の顔を覗き込んだ。

「少しだけ。」

そう言って、私はジェイクの背中に手を回した。

「ネックレスをつけた時からジェイクに包まれた気がしていましたが、やはり本物のほうがいいですね。」
「ネックレスだけでいいと言われたら、泣く。」
「泣く?ジェイクが?…ぷっ、くくく。」

私はジェイクの胸に顔を伏せながら、笑いが止まらなくなる。

「笑い過ぎではないか?」
「ご、ふふっ、ごめんなさい。」

ジェイクは抱きしめたまま、落ち着くのを待ってくれた。

「ずっとこのままいられたらいいのに。」
「ああ。」
「ジェイク。愛しています。」
「!」

ジェイクから声が聞こえてこない。
不安になって、ジェイクを見上げる。

「ジェイク?」
「リア、卒業したらすぐに結婚しよう。」
「!」

驚いて、すぐに返事ができなかった。

「リア、駄目か?」
「いいえ。…驚いただけです。婚約しておりますし、結婚するのは当たり前なのですけど、いつとは決まっていなかったので…。」
「…それで、返事は?」
「はい、喜んで。」

また、ジェイクの腕に力が入る。しかし、さっきとは違い苦しくはない。

「幸せにする。」
「はい。私もジェイクを幸せにします。」
「ククッ、それは楽しみだな。」

そして、いつもよりも深い口付けを交わした。

「…はぁ。ジェイク。」

これはやばい。腰が抜けそう。

「リア。もう一度。」
「もう駄目です。」
「何故?」
「何故って…。これ以上したら…」
「したら?」
「倒れます。」
「はははっ。それは、困るな。…では、メイン通りに戻ろう。」
「…お願いします。」

私達はメイン通りに向かって歩き出すが、私は足元がふらついてしまった。

「少しやり過ぎたか?」
「いえ、そんな、とても幸せな時間でした。」
「…やはり、もう一度。」
「ジェイク!」
「分かっている。」

ジェイクは、私の腰に左手を回し、支えるように歩く。

「もう大丈夫ですよ?」
「念の為だ。」
「…落ち着きません。」
「…分かった。」

ジェイクは腰から手を離した。それが、少し寂しく感じてしまう。

自分で言ったことなのに…。

私はジェイクの左手を取った。





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